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最近上映されて良かった映画、以前見て心に残った映画、感銘をうけた本の自分流感想を。たまには旅行・山行記や愚痴も。

『アルバート氏の人生』-生活していくためには、自分を殺して男性として生きるしか無かった

2013-03-02 17:01:56 | 最近見た映画

      【 2013年2月20日 】  京都シネマ


 アルバート氏はウェイターの制服を身につけているが、実は女性である。女性が男装して秘かに仕事をしているからといって、最近取り沙汰されている『性同一性障害』とかを扱った映画ではない。
 
 映画の舞台は19世紀のアイルランド。イギリスによりアイルランドが併合されてた時期、歴史の記述によれば、1845年頃アイルランドに『ジャガイモ飢饉』が襲い、飢えと疫病で人口が大きく減ったとあるから、その頃の物語と思われる。


                                                                                 



 貧困と不毛の土地、あるいはイギリスからの圧政を逃れるために“新天地アメリカ”に移民する人々の多いなか、"アルバート氏"は男装して都会に出て仕事を得る道を選んだ。
 
 ホテルの給仕係として、趣味ももたず外出することも恋をすることもなく身を潜めるように静かに暮らしていたある日、“事件”が起きる。やり手の女性支配人から、ホテルの修繕にやってきたペンキ塗り職人の同室を求められ、男性と同じ部屋で一夜を過ごすことになる。
 この危機を無事に乗り越えられると思ったが、ひょんなことから、支配人も他の従業員も知らない《自分の素性》が職人にばれてしまう。『ペンキ塗り』に何とか秘密を守るように願うのだが、心配でならない。

 ところが、この『ペンキ職人』にもびっくりする秘密があった。


       ○        ○        ○
 
 アルバート氏を演じる『グレン・クロ-ズ』はれっきとした女性である。この映画を撮るのにかなりの執念を持っていたということである。その意気込みが充分伝わってくる。


         
                                                


 ペンキ職人がいい。こちらも、何と本物の女性であった。映画の中の《その奥さん》もかわいらしかった。


                                       


 『七人の侍』の中でも、村の娘が襲撃を恐れ《男に化ける》というのがあったが、その頃の世界には今の世の中と違って、せっぱ詰まった状況があったに違いない。

 




      
           
           『アルバート氏の人生』-公式サイト





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