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中国の漫才「妙手成患」

2013-09-02 | 日本の笑話

中国の漫才「名医が災難をもたらす」(原題「妙手成患」) 

甲:侯宝林  乙:郭启儒

 

甲:小さな手術なら、僕にもできるよ。

乙:大きな手術はどうなの?

甲:僕はだめだね。兄ならできるけど。

乙:君のお兄さんは医者なの?

甲:そうだよ。

乙:で、どこの病院に勤めてるの?

甲:家にいるよ。

乙:個人の開業医?

甲:ちがうよ。停職中なんだ。

乙:停職?どうして?

甲:彼は記憶力が悪くてね。

乙:停職と記憶力とは関係があるの?

甲:うん、密接な関係があるんだ。

乙:なんで?

甲:医療に携わるものは、

乙:はい。

甲:大胆且つ細心の注意が必要だ。

乙:君のお兄さんは?

甲:彼はうっかりしたあわてものなんだ。

乙:じゃあ大変なことをやらかしたんだね!

甲:うん、この間、盲腸炎の手術をしたんだ。

乙:それで。

甲:つまり虫垂炎。

乙:そうだね。

甲:盲腸炎は手術の中で最も簡単なものだ。

乙:確かに。

甲:盲腸炎なんて何でもない。

乙:そうかな?

甲:君は盲腸炎になったことある?

乙:えっ、ないよ。

甲:かかったことがなくても怖がることはないよ。

乙:かかったことがないんだ。

甲:じゃ、どんな手術か知らないね。

乙:知らないよ。

甲:その日は兄が宿直でね。患者が手術室に運ばれてきた。

乙:おお!

甲:カルテを一目見てね。

乙:うん!

甲:手術をしなければならない。

乙:ええ!

甲:まず麻酔をしてあげる。

乙:うん!

甲:麻酔が効いたら、腹部を開く。

乙:ええ。

甲:ピンセットで盲腸を挟んで、出血部分をガーゼでふき取る。

乙:ええ。

甲:盲腸を取り出す。

乙:うん!

甲:汚れた部分を取り除く。

乙:うん!

甲:盲腸を元に戻す

乙:うん!

甲:すぐに縫い合わせる。

乙:ええ!

甲:手術は20分で終り。

乙:早いな!

甲:いいかい?

乙:いいね!

甲:患者が麻酔から醒めたら、

乙:うん!

甲:こう言うんだ。「動かないでください。手術は終わりました。安静にしてください。」

乙:うん!

甲:「明日、もし高熱が出なくて、化膿しなければそれで大丈夫です。」

乙:うん!

甲:「一週間で傷口がふさがります。それから抜糸して、十日で退院できます。」それから、患者を病室に運んで、「明日また様子を見に来ます。」と言ったんだ。

乙:すばらしいね。

甲:いいかい?

乙:ああ。

甲:兄は明日、見に来ると言った。

乙:うん!

甲:それから30分も経たないうちに、病室にやってきたんだ。

乙:患者に責任感を持ってるんだね。

甲:違うよ。彼は患者に今すぐ抜糸したいと言ったんだ。

乙:えっ、縫合したばかりなのに抜糸するの?

甲:抜糸しないわけにはいかない。

乙:なんで?

甲:彼はガーゼを一巻き腹の中に置き忘れたんだ。

乙:それは大変だ!

甲:患者は考えたよ。抜糸しなければならないかなって。ねえ、君、体の中でガーゼがどっかにくっついたらまずいなって。そこでまた麻酔がかけられて、糸をほじくり出してお腹を開いたんだ。

乙:うん。

甲:開いて見ると、ガーゼが腸の下の放り出したままだった。

乙:うん。

甲:ハサミでガーゼを切って取り出し、また急いで縫い合わせた。それから、兄は、「終わりました。あなた、つらい思いをさせて、本当に申し訳ありません。よし、また明日見に来ます。」と言ったんだ。

乙:うん。

甲:患者をまた病室に運んでいった。

乙:うん。

甲:また十分も立たないうちに兄は病室に行った。

乙:薬を持っていったの?

甲:ううん。また抜糸しに来たんだ。

乙:ガーゼは取り出したんじゃなかった。

甲:そうだよ。今度はハサミをお腹に置き忘れたんだ。

乙:本当に記憶力が悪いんだね。

甲:患者は考えたよ。また抜糸しなければならないって。

乙:そうだね。

甲:なあ、君、このまま立ち上がったら、ハサミが突き刺さって、内臓がぐちゃぐちゃになっちゃうよね。

乙:じゃ、急いで麻酔をかけたんだね。

甲:患者は怒って言ったよ。

乙:何て?

甲:「麻酔はしなくていい。このままやってくれ!」

乙:ええ!

甲:それでも、やらなければならない。急いで糸を穿り出して解き、ハサミを探し出して、縫合しようとしたら、患者が言ったよ。「縫わなくてもいい。」

乙:えっ、どうして?

甲:患者が言うには、「ファスナーをつければいい。腹の中に何を落としても、すぐ取り出せるから。」

乙:そんなバカな!


NHK「まいにち中国語」2009年1月より



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