極東アジアの真実 Truth in Far East Asia

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山桜とアイデンティティ

2016-10-09 19:26:03 | 日本社会

日本人にとって桜は身近でソメイヨシノが主となっていますが、原種とも言える山桜は古来日本人の心を表しているとも言われます。

桜はもともと農業における再生、生産、いわゆる「生」のシンボルだったようです。桜の語源は田の神を意味する神の霊「サ」、の居場所「クラ」(座)と言われています。山の神は稲作を守護するために桜の花びらに宿り、田に下ってきて田の神となる。桜の開花は、農民にとって田植えの合図となり、秋の収穫によって神に感謝したのち、神は山へ帰っていく。古代においては桜は米と密接に結びついており、人々の生活のなかに溶け込んでいたようです。

桜の代名詞である、ソメイヨシノは大変派手な花を咲かせますが、古来日本の桜ではなく手を加えた桜と言えます。ソメイヨシノは人工桜と言う表現がいいかも知れません。日本人の心を表すにはあまりに安っぽい桜に思えます。やはり、日本古来の山桜が本来の桜であり、古来から多くの和歌が詠まれており日本人の心そのものと思います。日本人の心を表現するには山桜以外は無いと思います。欧米人には馴染みが少ない桜と思います。

 

ヤマザクラ山桜(Wild cherry blossoms)、花言葉は、高尚、淡白、美麗等、日本の野生の桜の代表的な品種で、「葉芽と花が同時に開く」のでソメイヨシノと区別する際の見分けになります。吉野の桜とはこの山桜を指し、日本の象徴とされた桜です。

対し、ソメイヨシノ 染井吉野(Yoshino cherry)、花言葉は、純潔、優れた美人等、江戸末期から明治初期に江戸の染井村の造園師や植木職人によって育成されています。観賞用サクラの代表種で、花弁は5枚で葉が出る前に花が開きます。

 

古来日本人の心を探求した人物は本井宣長(もとい のりなが)で、山桜に日本人の心を見いだしたと思います。

「しき嶋のやまとごゝろを人とはゞ朝日にゝほふ山ざくら花」
この歌は、宣長の61歳自画自賛像に賛(そえること。)として書かれています。

賛の全文

「これは宣長六十一寛政の二とせといふ年の秋八月にてづからうつしたるおのがゝたなり、筆のついでに、しき嶋のやまとごゝろを人とはゞ朝日にゝほふ山ざくら花」
歌は、画像でお前の姿形はわかったが、では心について尋ねたい、と言う質問があったことを想定していると言われています。

対し、宣長は・・・

日本人である私の心とは、朝日に照り輝く山桜の美しさを知る、その麗しさ(精神的に豊かで気高く、人に感銘を与えるさま。)に感動する、そのような心です。

 宣長自身の思いとは言え、日本人の心を表してると思います。

 

サクラは日本人が古来からもっとも愛した花で、そしてわが国民性の象徴でした。

大和心とは、ひ弱な人工栽培植物ではなく、自然に生じた野生の山桜で日本の風土固有のものです。

山桜の花の美しさには気品があり、優雅であり、他のどの花よりも私たち日本人の美的感覚に訴えるものです。

山桜は、その美しい粧いの下にとげや毒を隠し持っていません。

自然のおもむくままに、何時でもその生命を棄てる用意があり、その色合いはけっして華美とはいいがたく、その淡い香りには飽きることがありません。草花の色彩、形状は外から見ることしかできない。それらはその種類の固定した性質である。草花の芳香には揮発性があり、あたかも生命の呼吸に似てかぐわしいと言われています。

 

江戸中期の国学者、本井宣長・・・表向きは医者、伊勢国・松坂に木綿商の子として生まれました。本姓は小津氏、のち先祖の姓に復し本居を称しました。

縄文時代、日本に中国から弥生文化が入り、千年にも及ばんとする中国思想と仏教思想の圧倒的な侵蝕の中にあって、弥生時代以前(一説では、中東より多くの血統的ユダヤ人

達が日本に渡来しました。この人達は古代ヘブライ語を用いて古来日本の心を形作っていたとも言われています。)には、我が国本来の心があるはず思い、古道の復活のため、一人立ち上がったのが本居宣長です。賀茂 真淵(かもの まぶち・江戸時代中期の国学者)を師とし、最初に万葉集を学び、以後古事記を学び、古事記伝等々を完成させたと言われています。

大和心は、日本に渡来した多くの古代ユダヤ人の心、旧約聖書の民の心・・・ヤコブ・イサク・アブラハム達の心に行き着くと思います。旧約聖書に大和心があると思います。

外来思想の正体を徹底的に明らめると共に、一切の私心を廃した古事記の探求を通して大和心を闡明し、国学を大成しました。

古事記伝は古事記全編にわたる全44巻の註釈書で、古語の訓を附し、その後に詳細な註釈を加えるという構成になっています。この伝は私達に日本人の心を、当時の当て字の漢字を正しく注釈し伝えていると言われています。日本人の魂とでも言えると思います。

私達日本人は、何かアイデンティティの根幹を迷い続けているように思います。この迷いが我が国の未来を混沌としたものにするかも知れません。真に大和心を受継した人を輩出していくことは、日本人のアイデンティティの確立になると思います。

 

映画の名作は抽象性、象徴性を持ちます。

東京物語、小津安二郎監督による映画です。昭和28年公開で、老夫婦の東京旅行を通じて、家族のきずな、ほころび、老いや死の問題を淡々と描いています。世界的にも大変評価を受けた名作です。

小津安二郎監督は「本居宣長」を先祖とする方です。映画は本井宣長の大和心を東京物語で表しているかも知れません。日本人とはを知るには、是非、お勧めする映画でユーチューブでも見れます。「東京物語 中字 mini SD TLF」、2時間16分です。

今、私達日本人は、TV等マスコミの影響でアイデンティティが揺らぎ、大和心は失われつつあります。

先の戦いで大西瀧治郎中将は、最初の特攻隊の名前を本居宣長の「敷島の・・・」の歌から採り、敷島隊、大和隊、朝日隊、山桜隊とつけました。文献等を読めば、単純に桜は散るからではないようで、深い意味が込められているように思います。以後、本居宣長と軍国主義の結びつきは戦後の今も受け継がれているように思える時がありますし、今も一部の方は大和心は戦前に戻るとか言われる方がいます。

やはり、日本人の心とはを知ることは日本人として極自然だと思います。

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