極東アジアの真実 Truth in Far East Asia

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北朝鮮金融とスイフト(SWIFT)

2017-05-06 17:33:04 | 北朝鮮

以下文は、NEWS WEEK(2017,17,Mar)、国連資料(北朝鮮の核関連、その他の大量破壊兵器関連及び弾道ミサイル関連計画に関与する団体)、ウィキペディア、ペニンシュラ・モニター・グループ代表のロー・ダニエル氏(韓国生まれ、政治経済学者、アジア歴史研究者、作家)等々の資料を参考にしています。不適切、不正確な文があるかも知れませんので、雑文、日記とします。

 

特定の企業が、例外的に制裁対象の北朝鮮銀行と取引が可能かどうかを判断できるのは国連安全保障理事会だけのようです。国が個別に判断することはできないとしているようです。

2017年3月9日以降、銀行間の国際決済ネットワークを運営するスイフト(SWIFT・Society for Worldwide Interbank Financial Telecommunication、本部・ベルギー、国際銀行間データ・通信協会)が北朝鮮の銀行に対し、銀行間の資金移動等に必用なデータ・通信サービスの提供を停止したと言われています。

この措置で北朝鮮は海外との金のやりとりが困難になったと言われています。北朝鮮は核・ミサイル開発を巡り、国際社会の批判を受け、国際金融取引から締め出され、北朝鮮の経済的な孤立が一段と進むと言われていますが、世界は金融もグローバル化しており・・・特に中国内の北朝鮮銀行は一部運営、支援等は中国、欧米の金融等とも言われています。

スイフトは世界各国の主要金融機関が加盟、海外送金、銀行間振替等国際的なデータ・通信サービスを金融機関向けに提供しています。

 

この仕組みは・・・A銀行がK北朝鮮銀行の口座に送金する場合、 A銀行がK銀行に資金口座を持っていないと送金できません。

口座が無い場合・・・A銀行の取引銀行であるB銀行が、K北朝鮮銀行に口座がある場合、A銀行からデータ・通信サービスでB銀行にお願いして、B銀行にあるA銀行の口座から資金を引き落としてもらう代わりに、B銀行がK北朝鮮銀行にもってる口座からK北朝鮮銀行の口座にお金を振り替えるという方式で、K北朝鮮銀行支店の口座に送金が行われます。

 

ロイター通信(2017年3月9日)、スイフト・国連の制裁対象の北朝鮮の3銀行とは・・・

1 バンク・オブ・イースト・ランド

BANK OF EAST LAND

別称:ドンバン・バンク;トンバン・ウネン;トンバン・バンク

DONGBANG BANK; TONGBANG U’NHAENG; TONGBANG BANK

所在地:北朝鮮平壌特別市牡丹峰区域戦勝洞ベルビルディング私書箱32

2 コリア・デソン・バンク

KOREA DAESONG BANK

別称:チョソン・テソン・ウンハン;テソン・バンク

Choson Taesong Unhaeng;Taesong Bank

所在地:北朝鮮平壌特別市普通江区域セゴリ洞慶興通り

3 コリア・クワンソン・バンキング・コーポレーション

KOREA KWANGSON BANKING CORPORATION

別称:ケー・ケー・ビー・シー、KKBC

所在地:北朝鮮平壌特別市中区中城洞勝利通り

残り4銀行も停止予定だそうです。

 

スイフトを使えなくなると、一般的には輸出入代金の受け取り、支払いが困難となり貿易面で大きな打撃を受けると言われています。一国の経済に必要不可欠な貿易が困難になれば、北朝鮮に対する経済制裁の効果が強まりそうだと言われていますが・・・

北朝鮮の複数銀行は過去、国連等の制裁対象に指定され以前から取引が制限されていましたが、2017年2月の国連調査発表では、制裁にかかわらず北朝鮮の7つの銀行が、過去数年にわたってスイフトの決済システムを利用し続けていたそうです。

北朝鮮の銀行は大変分かりにくく、非公開部分が多いようですが、グローバル化の元、これらの銀行の一部を裏で支えているのは欧米の一部金融等であると言われる方も多いようです。

 

北朝鮮の主要銀行

1 朝鮮中央銀行
公式的には、北朝鮮は中央銀行がすべての金融機能を独占する、単一金融体制となっているようです。資本主義国家で中央銀行と商業銀行が果たす機能は朝鮮中央銀行が担当してると言われています。

2 朝鮮貿易銀行

為替、決済を含む対外取引を担当しているようです。

3 華麗銀行

中国の中央銀行である中国人民銀行との合弁銀行

4 朝鮮大成銀行、

朝鮮労働党の中央委員会傘下の専門部署の一つである39号室が監督・管理する「大成グループ」に属する専門銀行と言われています。専門の機能とは最高指導者が自由に使える秘密資金を調達・運用、海外ではGold Star Bankという名称で呼ばれています。過去、オーストリアのウィーンに支店がありました。

5 高麗銀行

独裁政権を維持するためには資金が必要で、その資金を調達・管理するために専門銀行とも言えそうです。外貨の出入管理、外資導入などの機能を果たすこの専門銀行は、中枢等の一部の人達が個別に作った組織のようです。この専門銀行を総括するのは最高指導者の意中を代行する書記達とも言われています。

2005年6月、高麗銀行とイギリス・グローバル銀行の提携により、新たに高麗・イギリス・グローバル銀行としてオープンしています。

高利子の外貨預金、外貨送金、投資勧誘と投資管理、信託、有価証券売買、外国為替業務、輸出入物資の決済、貴重品保管等のサービス事業

パスポートを所持する非居住者の資金調達業務、トラベルチェックの現金に変換、訪朝バイヤーと旅行者に対する便宜を提供

国内外の企業の支社、合弁、合作会社、海外の多くの銀行と企業が当銀行に口座を開設して経営活動を活発に展開していると言われています。

6 金剛銀行

党の経済政策検閲部が、烽火貿易と平壤貿易という2つの貿易会社の対外決済を担う目的で1978年に設立

7 朝鮮昌光信用銀行
武器輸出を主な任務とする、第2経済委員会が作った龍岳山貿易総商社の対外決済業務を担当、1986年に設立し、1992年、第1信託銀行を、1996年には金星銀行(のちに一心国際銀行に改称)を設立しています。

8 第一信用銀行(1992)、金星銀行(1996)「一心国際銀行に改称」軍部傘下の企業所の外貨管理を担当

 

これら北朝鮮の銀行は、アメリカ財務省の金融犯罪取り締まりネットワーク(the Financial Crimes Enforcement Network : FinCEN)監視下等にあると言われますが・・・北朝鮮の銀行もグローバル化のもと、国内外の企業支社、合弁、合作会社、海外の多くの銀行と企業が当銀行に口座を開設して経営活動を活発に展開していると言われています。

 

世界が北朝鮮に金融、経済等制裁を行っても、私達が思うようなダメージは無いように思います。

「Wedge2016年11月号・元北朝鮮制裁の国連安保理専門家パネル委員談」

国際社会において対北朝鮮制裁は必ずしも最重要課題ではありません、競合する様々な政策課題の中の一つにしか過ぎません。2006年以降、対北朝鮮制裁の安保理決議が5本以上採択されました。

国連の全加盟国はいずれも国内履行報告書の提出が義務づけられてきましたが実際に提出した国は半数ほどです。

そもそも日本のように、国連での取り決めを真面目に守ろうとする国は少数のようです。

 

 


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