電話も通じぬIT企業、増える「窓口はメールのみ」(読売新聞) - goo ニュース
正直に言おう。オレもこの件,ヤフーの立場だったら電話番号を公開したくない。ちうか,したくない事情が痛いホドよく分かる。だってさ,お客さんの電話って切れないんだもん,こっちから。
この記事のなかでヤフオクの対応に憤ってる38歳のウメダさんは「電話なら1回で済むのに」とおっしゃってるが,永年この業界に巣くっていて,電話でのユーザーサポートも嫌というほど経験したオレに言わせれば世の中そんな甘いもんではないのである。
いっすか,顧客対応係が電話で苦情(でもなんでもいいんだけどさ)を受け付けるとする。賭けてもいいが,電話100本のうち50本は,要件がその会社の「どのサービス」に関する「どんな内容」であるのか,を聞き出すのに5分はかかる。とにかく「文句がある」ということ以外,頭のなかが白紙の状態で電話をかけてくるヒトがどんなに多いことか。
「なんかおかしいんだよ,ソフトが動かないんだ」
そもそも何のソフトを動かそうとしてるのか,バージョンは? どういう風に動かないのか,マシンは何? OSは何? それがわからなければ答えようがないでしょ? だいたい70%のヒトは上のように話を切り出すのだ。で,聞き返すこちらの質問には答えられない。こんなことを言われたこともある。
「これ,会社の電話なんだよ,動かないのはウチのソフトだから,ここぢゃそれはわかんないわ」
家からかけろよ,と思わない?
メールの利点は,上のように要領を得ない用件には定型文書で答えられることだ。「ソフトのバージョン,OSの種類,どんなオペレーションをしたときにどういう現象が出るのか,その際メッセージなどが表示されるのでしたらその文面も,具体的にお知らせください」てな返事を出すだけなら1分でしょ?
電話だと,それだけのことを聞き出すのに数倍から数十倍の時間がかかる。同じ件数の問い合わせや苦情を処理するのに何倍の人件費がかかると思います? もちろんこの記事にあるヤフーの対応の遅れは問題ありだがそれを一般化するとおかしなことになる。
この読売もそうだが,新聞のヒトって根っこのトコロでITキライだから(オレもこの「IT」って言葉は好きぢゃないが)すぐ「IT弱者への視点がどうの」という話に持って行くが,はっきり言えば問題の根幹はコンピュータにもハイテクにも関係ないところにある。ものすごく簡単に言うが「みんな字を読まない,読んでも理解しようとしない」からなの。
ネットサービスは基本的に薄利多売なので,役所の窓口みたく「おばあちゃんどうしたの,住民票かしら? 孫がパスポートを申請する? それなら戸籍抄本ね。ここに住所とお孫さんの名前,ここに代理人としておばあちゃんのお名前を書いて,ここにハンコを押してね」とかやってたら産業として立ち行かない。
そして日本は世界の中でも例外的といっていいほど(比肩するのは韓国くらいである)識字率の高い国だ。だから日本のネットサービスは顧客が基本的に「字が読めて」「内容が理解できて」「問題があればそれをこちらにも分かるように伝える能力がある」という前提に立って商売をしている。
だけど,紙面狭しと字を埋めつくしておきながら,顧客のほとんどが「コボちゃん」とテレビ番組表しか読んでくれなくても平気な新聞のヒトたちは,それを「IT」のせいにするんだよな。違うでしょ? いや,ここまで読んできてそれが違うことがわかんない,まさにそれこそが問題なんだけどさ。
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