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『高校デビュー』第12巻~第13巻(完結)/河原和音

2010-10-01 | 少女漫画
 
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この夏は、近所の書店でこの漫画を1巻ずつ買い揃えるのが大きな楽しみの一つでした。
今、全13巻が自分の本棚に並んでいる光景を見ると「買って良かったなあああ」と顔がほころんでしまう。

ヨウが大運動会以来「団長」と呼ばれるようになり、城宝(じょうほう)さんの横やりも入り、晴菜が彼氏を家族に紹介し、一泊旅行にまでこじつけたのが第12巻まで。
自分も晴菜ちゃんに見つけてもらいたいなと言う朝丘さん、自分を絶対に嫌いにならない兄以外の友達や彼氏の存在を再確認できた麻美の話も楽しかった。

進学を控え、特にやりたいことがなかったヨウが、「楽しい」と感じてほしいと言う晴菜がかきあつめてきた大量の本がきっかけで、小さな時の夢を思い出す。そして小さな頃に読んでいた本の著者が今でも教鞭を執っている、東京の大学に進む路(みち)を見付ける。
「アンタ以外の人とオレこの先も今も 付き合える気がしないんだよね」と言うヨウを晴菜は笑顔で面接に送り出す。
しかしヨウを心から応援したい晴菜は、急に東京の「遠さ」を実感して、行かないでほしいという言葉が口をついて出てしまう。


第13巻。


一夜明け、本心に気付いた晴菜が、ヨウが東京に行かないと、自分もヨウも後悔すると言う。
「東京行かないんなら 私 別れるから!!」。

遠恋に不安を抱くヨウに、自分には明るい未来しか見えないと、前向きすぎるシミュレーションを聞かせる晴菜。それを聞いて、本当にそうなるような気になると不思議な表情をするヨウ。
遠恋大成功の歴史をつくるぞと満面の笑みを見せられ、ヨウは「アンタがかわいくみえてしょーがないんだ」と答える。

今度はヨウが彼女を母に紹介する番になり、晴菜でなければ「お兄ちゃん」が可愛くて仕方がない姑と小姑とはやっていけないという朝丘の言葉にヨウはうなずく。

晴菜が在校生から卒業生へ向けてではなく、ヨウに向けて書いてしまった失敗作の送辞の「苦しみや喜びを ありがとう」という部分が私は最高に好きです。
高校生になったら恋をしたかった晴菜が、実際に恋をしたらいいことばかりではなく、恋をする前に自分で言っていたようにつらいことも泣くこともあった。その苦しみも含めて振り返れば自分の高校生活はヨウそのもので、全力でやったので後悔しなかったという、「高校生活に悔いなし」という前向きさが素晴らしい。

高校時代というのはそもそも「生き様が恥ずかしい時期」だ。中学を卒業して、新しい環境で以前より高等な生き方をしようと試みるが、当初の計画はほぼ例外なく頓挫(とんざ)して醜態を晒してしまう。「一所懸命」であることは傍目(はため)には「かっこ悪い」。しかし諦めなかった人は「悔い」が残らない。今になって振り返ると恥ずかしいことばかりしていた、しかし悔いはない。

空港に着く前の電車の中で晴菜が大泣きして別れた一年後、ヨウが人生を変えられた彼女が上京する。
一年ぶりに再会した彼女の姿を見たヨウの第一声は、「成長しよーよ!!」だった。


お薦め度:★★★★☆
この漫画は「高校デビュー」という造語のマイナスイメージを払拭した名作だ。
実は本当の意味で高校デビューを果たしたのは、晴菜ではなくヨウなのだと私は思っています。

実写映画化されるそうです。見に行くつもりはありませんが、この漫画には映画制作に必要な億単位の予算をかける価値があると評価されたという意味では大歓迎です。映画化がきっかけで原作漫画がもっと読まれることを私は期待しています。

私は『青空エール』を読んでいなかったらこの作品の存在に気付かなかったかもしれません。そして去年も今年もまた、「別マは最高だ、これからも買い続けるぞ!」という結論に繰り返し辿り着くわけです。


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