アルバニトハルネ紀年図書館

アルバニトハルネ紀年図書館は、漫画を無限に所蔵できる夢の図書館です。司書のWrlzは切手収集が趣味です。

『ビッグコミック』2012年11号

2012-05-26 | 青年漫画
 
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『ゴルゴ13』第523話「スナイパーたち」前編/さいとう・たかを
老紳士が、違った能力と実績を持つ二人の狙撃手の前に順に現れ、「お前を選抜する」と告げる。一人目はオレゴン州で選抜され、二人目はアフガニスタンで選抜され、三人はチームを組む。
アルカイダ幹部が、あの男を一時的に改宗させる形で、大統領暗殺の依頼を引き受けてもらえる可能性まで考慮した、作戦が始動する。
こういう、「最高の人員と装備を用意して彼を討とうとする」エピソードは、これまでも何度かあったので、どういう形で「今までとの違い」を出すのかに、つい注目してしまう。



『憂国のラスプーチン』第40話/伊藤潤二・佐藤優・長崎尚志
都築編の続き。この漫画が、駄作で終わるか傑作になるかの、一つの分岐点だと思う。
原作者が「自分を主人公にした漫画を創る」ことのリスクを、どれだけ分かっているのか、現時点では何とも言えない。もし仮に、「僕は有能すぎたから有罪になってしまったのですよ」という話で終わってしまったら、大失敗になるだろうな…。
佐藤優はどんなに文章が上手くても「学者」(=物語を創る人ではない)に過ぎないのだから、これを「漫画」として面白くするのが伊藤潤二先生の仕事だ。

 以下、面白かった作品を羅列します。


『ゲゲゲの家計簿』第26回/水木しげる
無事に原稿料をぶんどってくる妻。しかし、出版社の「相変わらず絵が暗いんだよねえ。」という言葉が、まだ「劇画」の時代が到来していなかったと、冷たく告げる。


『そばもん』第87話/山本おさむ
そば好きの「素人」の所へ出向くお話なので、エリカが大活躍。そば屋ではなく「女の子」としてのエリカの顔が見られて、ほくほくする。


『兵馬の旗』第三十陣/かわぐちかいじ
商人に徹しようとする、甲鉄(こうてつ)艦の持ち主の言葉が印象深い。
「だがこの国は不思議だ…… ミカドと将軍が永い間共存してきた。」
そして会津は、北朝の天皇を実現させようとする。


『S-最後の警官-』episode.068/小森陽一・藤堂裕
狙撃手としての蘇我が、この9ヶ月間の出向で、SATに戻る決意を固めてしまう。やはり蘇我には、NPSの思い描く理想は、日本を守るための物とは思えないようだ。神御蔵が盛大な送別会を開いてくれても、横川さんが「年上らしい助言」をしてくれても、蘇我の決意は揺らがない。
NPSのように「確保」することが日本のためになるのか、SATのように躊躇(ちゅうちょ)なく引き金を引くことが日本を、そして愛する人を守ることになるのか、「絶対に正しい結論」はないのだから、己の信じる道を行くしかない。
次期NPSの狙撃手候補は、なんだか豪快で愉快な女性で、職場に良い刺激をもたらしてくれそうだ。


『江戸の検屍官』女地獄 第5話/高瀬理恵・川田弥一郎
予想外の長編で、読みごたえがある。仇討ちのための恐ろしい執念と、検屍を欺くための周到な偽装。「完全犯罪」という言葉は、江戸時代にはなかったはずだけれど、その今で言う「完全犯罪」の解明に挑もうとする北沢や、彼を補佐するお月(しかも、現在のような医学知識は当時はなかった)に、「負けるな! 次の犯行を絶対に阻止してくれ!」と、思わずエールを送りたくなる。


『獣医ドリトル』カルテ110/夏緑・ちくやまきよし
飼い主を守ってくれる犬。もう、その存在だけで可愛くてたまらない。
ペットを飼うという行為には、確かに人間の「エゴ」である部分もあるけれど、それでも互いに互いを必要としているのだから、暖かな気持ちになれる。


『星を継ぐもの』第31話/星野之宣・J.P.ホーガン
ヴェリコフの証言で、ジェヴレンの思惑が、おぼろげながら掴めてくる。しかし、宇宙軍は目前の危機を、国連総会に諮(はか)ることもできない。地球人の祖先にあの「酵素」を注入してしまったこと、資源を掘り尽くしてからミネルヴァを見捨ててしまったことから、テューリアンはカドリフレクサーに取り囲まれることすらも甘受しようとしていた。
ガニメアンは、自分たちを封じ込めようとする者たちに対しても、争おうとはしない。自分たちが「傲慢」だったのだと、祖先と己の非を認めるだけで、決して敵を責めない。
私が原作で印象的だったのが、ガニメアン同士の、地球人は「神」を信じるだろうかというやりとりだ。「造物主」という意味の神であれば、その神としての役割の一翼を担ったのは、紛れもなくガニメアンだ。それなのに、ガニメアンは、微塵も傲慢ではなく、逆に地球人を産み出してしまったことへの「罪の意識」に苦しむだけの、正に「優しい巨人」だ。
私は、この作品のテーマは、「地球人」という種族の「肯定」だと思っている。「地球人は、如何にして地球人となったのか」という経緯よりも、「地球人が地球人であること」の「肯定」を、ホーガンは描いたのではないだろうか。だから『星を継ぐもの』は名作なのだと、私は思う。



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