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『NGライフ』第9巻(完結)/草凪みずほ

2009-06-22 | 少女漫画
 
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今やっと
俺は冴木敬大になれた
俺は 芹沢を好きになっていいんだ


ついに最終巻です…!
草凪みずほさん、初の長期連載で見事なフィナーレを読ませてくれました。ずっと雑誌で読んでいたのですが、単行本で改めて読んで感動。
前世の記憶を持つ人達も、なくした人達も、最初から覚えていない人達にとっても、彼等の「前世」にはきちんと意味があったのだと、全てに納得できた最終話でした。連載の過程で絵柄が少し変化してきた(だんだん上手くなってきた)のを除けばほぼ100点満点です。

ヴェスヴィオ火山が噴火するポンペイ最後の日、汚名を着せられ地下牢に閉じ込められたままのアグライヤ様。彼女を助けに行こうとするシリクスはラウルにセレナはどうするのか、選べるのは一つだけだと言われる。鍵を託され、セレナに必ず戻ると約束して地下牢に向かうとディロスの裏切りで傷を負ったロレイウス。壁が崩れ落ち、ロレイウスを担ぐシリクスを階段の先へと投げ飛ばし、「ありがとう お前達のような友人を持って私は--…」と笑い、下敷きになって死ぬアグライヤ様。誰も救えなかった、この痛みを決して忘れないと泣くシリクス。

現世では学校の創立祭。ラウルであった前世を覚えていない自分の父に初めて「ありがとうございました」と礼を言う敬大。そして想いを封印しようとした自分を美依は決して許さないだろう。
裕真は自分はまだセレナに見えるかと敬大に訊く。敬大には自由になって欲しい。自分を大事にしてくれるのは裕真(おれ)だから?それともセレナだから? セレナである自分が許すんだから、前世を忘れろと敬大をどつく裕真。「お前はセレナじゃないだろう!!」とやっと言った敬大、自分の友情は片思いなんだなと走り去る裕真。崩れてくる御輿から裕真をかばい、頭を打って意識不明になる敬大。

夢の中で敬大はポンペイ最後の日にシリクスとして立つ。セレナを独りにしたシリクスを殺してやると泣くスミルナ義姉さんを倒れる柱からかばおうとすると自分の体をすり抜けてしまう柱。セレナを残して地下牢へと向かうシリクスが見え、「止まれェ シリクス!!!」と叫んでも届かない声。お前が痛みを忘れないから、俺も前へ進めない!!
自分の声が届くだろうと怒鳴り続けシリクスが振り返ると視界が変わり、目眩。何故か地面に触ることが出来る敬大。シリクスとなった敬大は、シリクスとしてポンペイ最後の日を駆け抜ける。
どこかで見たことのある、顔に怪我をした少女がセレナの所へ連れてってあげるとシリクスの腕を取る。シリクスの結末を塗り替えようとした自分だが、この鍵を託してくれたラウル、それを守ってくれたセレナ、待っていてくれるロレイウスとアグライヤ様を裏切れないと、とてもとても無責任だが、「セレナのそばにいてやってくれないか?」とその少女に頼む。
少女が自分は今初めて使命を与えられたと振り返ると顔の包帯がほどけ、ティナと名乗る。麗奈、君もここにいたんだねと思う敬大。

ここで初めて、麗奈の前世がティナであること、裕真のそばにいるのが自分の使命と言った麗奈が裕真と同じ顔で転生していた理由が分かったわけです。
火山灰の降る中、ティナに案内され倒れているシリクスを見付け、それを抱き寄せるセレナ。奇跡は起こせなかったが、俺は俺らしくあったと、誇れると、シリクスに体を返す敬大。
鮮やかな空の下の草原で、シリクスと向き合うパジャマ姿の敬大。自分の強い想いでお前を縛り付けたと謝るシリクスに、辛い思い出ばかりじゃなかった、大切な人達を見つけだす事ができたと答える敬大。シリクスは、記憶は消えるのではなく、本当にいらないと思った時にそっと心の奥に眠るだろうと別れを告げる。

病院で目覚めた敬大。「3日起きなかったら誰でも泣くよっ このすっとんきょう!!」と涙を浮かべて怒鳴る美依に、「ただいま 芹沢」と言う敬大。
やっと想いを伝え、2日ぶりに登校すると自分を避ける美依。「俺は一秒でも早く顔が見たかったとゆーのに」!
もう遠慮はしない、全力で美依を追いかける敬大、屋上へ逃げる美依。ずっとセレナだけだと言っていた敬大の言葉が信じられないと言う美依に、セレナを好きなのはシリクスであって冴木敬大(オレ)じゃない、今芹沢と一緒にいたいって思うのはまぎれもなく冴木敬大(オレ)の意志だ。告白の返事を聞かせろと詰め寄る敬大、もう知ってるくせにと美依。知らない。俺芹沢からなんも聞いてないし。
「…わかった じゃあ言わなくていいから キスしていい?」。

それは
アルバムにしまった 古い古い写真のようで
いつかは アルバムを閉じる日が来る
その時俺は きっと笑ってる
大切な現在(いま)の仲間達との
新しい写真を 眺めながら
未来でまた逢おう


番外編『ガーネットが見る夢』は本編が最終クールに突入していた頃の「花とゆめ」4号掲載。
シリクスを殴ってばかりだったスミルナ義姉さんが、死ぬまで語ることのなかった心の内です。スミルナさん可愛いよ。

描き下ろし『終わりの記憶』。ポンペイ最後の日の、ディロスの本心。アグライヤ様の気高さにやられましたっ!

『Nice Goingライフ』は敬大と美依ちゃんが付き合い始めてからの描き下ろし番外編です。「友達期間」が長かった敬大と美依ですが、幸せになれて良かったね。いつまで敬大は美依ちゃんを「芹沢」と呼び続けるのだろう?「No Good」が「Nice Going」になって良かったね!

帯の折り返しに、今夏から始まる草凪みずほさんの新連載『花冠のヨナ』(仮)の予告カットがありました。大河ファンタジーとのこと。「花とゆめ」の看板作品の一つになるといいですね。楽しみです。


最終巻では最終回の扉のみ雑誌掲載時にカラーでした。


他に気に入っているのはscene36(第7巻)の見開きカラーです。


お薦め度:★★★★☆
ラブコメとして笑える展開を見せながら、長期連載を見越してきちんと根底にあるテーマ、そして登場人物一人一人の背景を掘り下げて描いています。最後は感動物。
琴宮は前世関係者ではありませんが、彼と敬大との友情はもう少し描いてほしかったかな。
全9巻と、価格的にもお手頃なので(全巻新刊で買っても4,000円かからない)、読んでみて下さい。この作品は草凪さんの出世作となりましたね。


↓『花冠のヨナ』(仮)が楽しみ!
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