アルバニトハルネ紀年図書館

アルバニトハルネ紀年図書館は、漫画を無限に所蔵できる夢の図書館です。司書のWrlzは切手収集が趣味です。

『ビッグコミック』2012年9号

2012-04-28 | 青年漫画
 
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『ゴルゴ13』第521話「ストック」/さいとう・たかを
今回は、一回で完結の短編。これが、すごくいい。
孤独なプロと孤独なプロとの、出会いと別れ。こういう話、大好きだ。彼は職人を高く評価しているが、用心深い。彼は職人の腕を信頼し、職人は彼の「魂」を削り出す。ちょっと泣けた。
この話が単行本に採録されるまで、この9号は大切に保管しておこう。


『憂国のラスプーチン』第38話/伊藤潤二・佐藤優・長崎尚志
憂木の夢に出てきた、猫の言ったセリフが重々しい。「異例」の取り調べで検事に伝えられたことを、憂木はどう捉えたのか。既に判決が決まっている、法廷でのやりとりも楽しみだ。


 以下、面白かった作品を羅列します。

『ゲゲゲの家計簿』第24話/水木しげる
結婚しても、すぐに仕事。そのくらい苦しかった。
ページ数が少ないけれど、この作品は毎回、衝撃的だ。私の戦後漫画史に関する知識というのは、ほぼ藤子不二雄A先生の『まんが道』とその続編がベースなので、「"トキワ荘"と"劇画工房"」という図式でしか捉えていなかった。
水木しげる先生が、「自分の知らなかったこと」を教えてくれる、語り部のように思えてくる。


『S-最後の警官-』episode.066/小森陽一・藤堂裕
中丸隊長が、縁上に言い放った言葉が素晴らしい。
「SATは世界を変える存在に非ず、変えようとする者と闘う為にある。」
幼稚な革命思想を一刀両断してくれる強さだ。私は見通しもついていないのに「日本を変えます」と言う政治家は、あまり好きじゃない。「日本を維持し、衛(まも)る」ために働いている人々に敬意を払っている。


『星を継ぐもの』第29話/星野之宣・J.P.ホーガン
この展開が読みたかった! 「星野之宣によるオリジナル」の部分が、とにかく素晴らしい。原作を「そのまま漫画で再現」するのではなく、新たなストーリーで「原作者が描いたテーマ」を現代に伝えてくれる所が、この漫画の最大の魅力だ。


『そばもん』第85話/山本おさむ
機械打ちの中編の2。稜が語る、二八(にはち)そばの「値段説」と「配合説」の解釈が面白い。手打ちと謳いながら手打ちではないそばや、手を一切使っていないのに実質的に手打ちであるそば。「職人の技」と「業界の規格」は、全く別物。


『総務部総務課山口六平太』第622話/林律雄・高井研太郎
どんなに屁理屈をこねても、「サボってただけ」。六平太のその言い切り方が、清々しい。


『江戸の検屍官』女地獄 第3話/高瀬理恵・川田弥一郎
予想外の面白さ。単なる「殺人とその検屍」ではなく、「江戸時代の女性の生き方」にまで迫っていて、引き込まれる。


『兵馬の旗』第二十八陣/かわぐちかいじ
下総に向かう伝習隊、それに合流する新撰組。この物語の中で「架空の人物」である、兵馬と松蔵との交わした約束に、息を呑まされる。
司馬遼太郎は「実在の人物」に肩入れして書いたけれど、かわぐちかいじは逆に、「架空の人物」の描写に力を注いでいる。そこも対照的だと思う。


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