アルバニトハルネ紀年図書館

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『イエスタデイをうたって』第3巻/冬目景

2010-11-08 | 青年漫画
 
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素晴らしい漫画だと、軽々しく連呼してはいけないと思わされるほど、この漫画は素晴らしい。

情熱を失ったのか、それともそもそも一度も情熱を持たなかったのかもしれないリクオと、今まさに自分の才能に挑んで情熱だけで映画を撮っている深町泉(ふかまちいずみ)が出会う。彼はハルが中退した高校の映研が撮る映画の監督で、リクオとはバイト先の木ノ下さんの妹である楼子(タカコ)を通して知り合う。彼女に教えられた公園で映画を撮っている若者たちを見て、ハルに対しては自分は既に根性も情熱もないと言うリクオは同窓生に頼まれてギャラリーでのバイトをかけもちで始め、素人の撮る映画とプロの写真とを交互に見るようになる。
情熱を持てる若さと彼らの作品の拙(つたな)さにに感化され、リクオは自分がなぜ人物を、「撮らなかった」のではなく「撮れなかった」のかに気付く。
深町の手助けがしたくて校則違反のバイトを始めたタカコは、ハルから他人と何かを造るというのは「幻想の共有」だと聞かされ、停学処分を、次の機会があれば役に立ちたかったしな子の言葉で免れる。

物を「つくる」という事の本質をえぐるような著わし方に、息を呑まされる。引きずり込まれる。

帰省したしな子がようやく「季節」の移り変わりを感じられるようになった頃、リクオは「死者」の存在の大きさを思い知る。そしてギャラリーのほうのバイト先には、ハルの高校生時代の同級生で、その頃から写真を一生の仕事にしようと思っていた湊航一(ミナト)という、リクオより年下の男が現れる。
背伸びしていても自分の信念があり、その正しさを疑わないだけの自信と情熱はあるミナトに、リクオは苛立ちを覚え、ハルと再会したミナトも魚住さんのような志が中途半端な人には苛つくと言う。人物を撮った写真は嫌いだと言い放つミナトは、出さないと言っていたコンテストに少女を撮った写真を出品してリクオに宣戦布告する。



お薦め度:★★★★☆
自分の「才能」を信じられる人は少ないし、逆にそれを信じている人は得てして本当の意味での才能は持っていない。何かを生み出すのは才能ではなく情熱なのかもしれない。
しかし情熱的であることは時として自惚(うぬぼ)れに似ている。人を愛することと、何かを表現することとが繋がっている様は危うく、決して洗練されてはおらず、それでも綺麗だ。
レンアイと芸術はそれに対する情熱に於いては同じであるかのように言い放つ(そう描いているように私には感じられました)冬目景に、深く共感すると同時に動揺もさせられた。
この漫画の魅力を上手に伝える方法が私には分かりません。この記事の文章は分かりづらい文章です。

続きをまだ読んでいないので何とも言えないけど、おそらくこの巻でリクオは、写真の道に進まなかったのを「才能」のせいにするのをやめて、「情熱」が欠けていたからだと、自らに向き合い始めたのだと思う。
第7巻がようやく出ようとしているので、最新刊に追いつきたい。


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (存在しないIDです)
2010-11-08 19:53:04
おお、なつかしい!
もう7巻出るのかな。
久々に1巻から一気読みしてみましょうかね。
いろんなこと考えさせられますよね、この作品。
色々考えてしまう (Wrlz)
2010-11-09 21:24:43
>存在しないIDです 様

第7巻は11月19日頃発売です。
なんか色々と考えてしまいましたよ。
名作です。

しかしいつまで経ってもエコポイント(図書カード)が届かない。オレはもう政府を信じない(笑)

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