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『りんご日記』全2巻/中原アヤ

2010-05-23 | 少女漫画
 
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中原アヤの過去作品。やっぱりとても良い。

16歳の住吉りんご(すみよしりんご)は、字を覚えたばかりの頃に今は亡きママがプレゼントしてくれた、りんごのマークの日記帳が宝物。あれから10年、父さんの会社倒産しちゃったというパパの笑えないダジャレを聞いて、大阪に引っ越すことになる。別れ際、向こうに着いたら読んでと渡された、だいすきだった佐倉(さくら)からの手紙。

引っ越し先のアパートにはフロがなく、この辺りには一軒しかない銭湯に行くと、22歳のフリーター、みっちゃんこと山口瑞穂(やまぐちみずほ)が番台をしていた。若い男の番台に年齢ではなくオッパイのサイズを訊かれるという最悪の出会い。ポケットの中に入れっぱなしだった佐倉からの手紙には「りんごへ ずっとすきだった」と書いてあった。

りんごが小さな頃から書き続けている日記帳は今日から6冊目。6冊目も今までのように幸せな日記で埋めたいと思っていたのに、電話がなくて遠距離恋愛もできず、追い打ちをかけるようにアパートが火事で焼けてしまう。自分を追いかけて大阪まで来てくれた佐倉だが、日記帳を取りに火の中に飛び込んだ自分を助けてくれたのはイヤな男だったはずのみっちゃんだった。

みっちゃんの家に居候することになり、彼の意外な面を次々と知っていくりんご。本当にすきなのは離れても自分を想ってくれる佐倉なのか、近くで幸せにしてやると軽口を叩くみっちゃんなのかわからなくなってしまう。そしてみっちゃんがすきだったサリーさんが、2年前に他界していたと知ってしまう。すきだった人をなくしたさみしさを忘れようと倒れるまでバイトを続けていたみっちゃんに、りんごは全財産をはたいて2500円の快眠まくらをプレゼントする。人に幸せにしてもらうことばかりを考えていたりんごは、はじめて彼を幸せにしてあげたいと思うようになる。

バイト代を貯めてはその都度大阪までりんごに会いにきてくれる佐倉。巨乳と見合いをするみっちゃんが、友達と恋人とは全然違うと教えてくれる。引っ越しは自分のせいではないと。そうやって自分を笑わせて元気にしてくれるみっちゃんがすきなのかもしれないとつい口にしてしまうりんご。その会話を聞いてしまった佐倉。

第2巻。

佐倉くんという彼氏がいるなら早く紹介してくれれば良かったのにと、りんごに東京行きの新幹線のチケットをプレゼントしてくれるパパ。自分は巨乳がだいすきだからと茶化して、笑顔で送り出してくれるみっちゃん。みっちゃんは誰にでも分け隔てなく優しく、自分だけが特別ではないのだと、駅へ向かってしまうりんご。しかし大事な日記帳を忘れたと、追いかけて来てくれたみっちゃん、すきならがんばれと、りんごを新幹線から押し出す佐倉。いっぱい傷つけてしまった佐倉の気持ちを無駄にはできないと、山口温泉に戻るりんご。

「…… みっちゃんに会いたくて 帰ってきた」。

2年前に免許をとっていたみっちゃんが、念願のマイカーを買う。助手席に一番最初に乗せてもらうりんご。パパがいる時だったらゴハンを食べにいくと答えたみっちゃんに、弱みを握られていながら「ほれたら負けだよね」と意地を張ってしまう。そんな時、サリーさんの妹さんが、亡くなったサリーさんがみっちゃんのために買っていた交通安全のお守りを渡しに来る。りんごだけに聞かされる、サリーさんが死んだのが自分のせいだと己を責めているみっちゃんが、姉のことをふっきれたから車を買ったのだという話。

せっかく晩ゴハンを作ったのに来てくれなかったみっちゃんが、新車に死んだ人から贈られたお守りを飾っているのを見て、彼が自分にやさしくしてくれるのはかわいそうな子だからなのかとやつあたりしてしまう。お守りを引きちぎって投げ捨てるみっちゃん。
「…これでいい?」。

みっちゃんを本気でおこらせてしまったと、初めて見る顔に、自分のやきもちを恥じてりんごは必死でお守りを探す。みんなが忘れろと言うサリーさんのことを、りんごだけが「絶対忘れちゃダメだよ」と言い、そんなことはじめて言われたとおどろくみっちゃん。
忘れていた自分の誕生日に、がんばれと言ってくれた佐倉から花束が届く。すきな人にすきだと言えないりんごと、すきな人の誕生日を知らなかったみっちゃんの気持ちがすれ違う。
さいあくの誕生日の夜、今日の日記を書こうとりんごが日記帳を開くと最後のページまで埋まっていて書くところがなくなっていた。まだ12時に間に合ったと、花束だけではなく7冊目の日記帳もプレゼントしてくれるみっちゃん。
「その日記に オレのこといっぱい書いて」。

久しぶりに日記を読み返してみた
気が付くと
こっちに越してきてからの日記は
もう みっちゃんのことばっかりで
たぶん みっちゃんからもらった日記も…



お薦め度:★★★☆☆
少女漫画の王道をやっているんだけど、ひと味違う。アホみたいに楽天的で肯定的で前向きな一人の天才が、まだ作品の大ヒットに縁がなかった頃から既に、どんなにつらくても私達は幸せなんだと描いている。敬愛する師匠の死すらも笑いのネタにしてしまう噺家に通じる物を感じます。
「幸せ」とはどういうことなのか、中原アヤがその漫画であっけらかんと今も描いているテーマ。幸せは自分で気付いていないだけで、目の前に既にあるのだ。「自分で気が付いていないだけであなたは既に幸せなんだ」というのがやはり好きです。
そして巨乳は中原アヤが否定している物なのでやっぱり「悪」です!


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