アルバニトハルネ紀年図書館

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意味不明な文章に書き替えた第66話

2012-03-30 | 今日は旧暦のエイプリルフールです

六十六


 かくして、運命の日と軽薄な者なら呼ぶであろう、気後れと焦燥と怠惰さとの交錯する醜状(しゅうじょう)の時を彼らは迎えた。後藤は、運の良さを彼の美徳とは考えていなかったが現状を打破する唯一の手段とは割り切れるようになっており、何にも増して、誰よりも敬愛する桶川があくまでも権力に抗おうとする姿には心酔できても、体制が桶川を貶める様は最も嫌悪する処であるが故に、不遜を承知で幼君(ようくん)を諌める決意をした。後藤は彼自身の優れた運を、それは特技でも何でもありはしないと装いながら、彼にとって唯一無二の番長の為に些かの惜しみもなく披露するのであった。
「文字の形だけ覚えて下さい」
 絶対の主君たる番長が生徒としての優劣を測るだけの勉学の如き些末な芸に秀でている必要などなく、その後に彼が続ける、間違いなく出題されるであろう箇所の指摘だけで、後藤にしてみれば確実に桶川を卒業させられる筈であった。しかるに、河内に同調する風紀部の愚かしく、また愚かしいが故に桶川を陥れる効果が大なる所行とその仕掛けを露(あらわ)にする罠(トラップ)の数々は、後藤の胸奥(きゅうおう)で燻っていた密やかなる願いを、彼自身も気付かぬ内にその実像を明確たらしめ、その日の内に彼を変節させるのであった。
 桶川が、時に後藤が嫉妬を覚えるほど親しげに「モールス」と呼ぶ、あの黒崎という女は果たして何を為すを目途(もくと)に彼を「後藤隊長」と呼んで服従の素振りを見せながら、彼をして桶川を裏切るように唆(そそのか)したのか。最早、後藤と黒崎との仲は、増税を是とする者とそれを非とする者との距離ほどに乖離し、前者の後者に対する猜疑は、我が国の領海内で希少金属(レアメタル)が採取できる水底ほどの深さがあった。何故(なにゆえ)に緑ヶ丘の不良(ヤンキー)の結束はかくも脆弱で混乱の直中に或るのかと問えば、見識張る者はそれはそもそも我が国が隣国の脅威と蛮行とに無力な様と由来を同じくすると答えるであろうし、配下の者が戴く者に背く遠因を尋ねれば、人はその理性を以て支配を拒絶しながらも本能の総ては必ずしも強者に従うを否としないと言葉を濁すであろう。
 その頃、憎体(にくてい)と慈愛との拮抗の結果として手書きで仕上がった補習の看板の掲げられた三年二組の教室では、およそ聖職者という称号の似付かわしくない佐伯の内に蓄積された怒火は、教師としての崇高なる使命と煩わしい義務とに交互に刺激されながら膨れ上がり、新たな試験問題を作成する為に費やした時間と労苦と今ここに居合わすに至るまでに犠牲にした累々たる事物-それは主に「休み」であったが-の大きさに依て抑圧を解かれ、遂に右手に握られた筆記用具に作用してそれを粉微塵に砕いた。その不様な破片が佐伯の右手からこぼれ落ちると同時に教室に響き渡った冷たく渇いた一言には、一縷(いちる)の温情もなかった。
「留年決定ですね」

 桶川番長は、追試の追試を受けられずに、留年した。

※この文章は『俺様ティーチャー』第12巻の本来の内容とは全く異なります。


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