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『潔く柔く』第12巻/いくえみ綾

2010-04-28 | 少女漫画
 
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時の流れが容赦ない。生きていれば当たり前のように時間は経過するという、その「当たり前」の外にいる人達の抱えている罪悪感や、背負っている物の重さに胸が苦しくなる。
梶間に、昔に戻りたいかと訊かれたカンナ。昔できなかったメールはこわくなかったと答えると、マスターはわかんないけどと、ナポリタンを勧めてくれる。
過去を思い出さないように思い出さないように生きてきたカンナが「私は 今 過去を待っている」と朝美と待ち合わせているほんの短い時間が怖くて、笑顔で現れた「過去」が、過去ではなく、「時効だよ もう」とカンナを許す言葉を発しながら真っ直ぐに見据える。
「カンナ 私23歳だよ 働いてるよ カンナは?」。
朝美にまだ15歳だねと見透かされたカンナは、ハルタのこととかを「ちゃんと話せる友だち」を大事にねと別れ際に言われ、百加の家と間違えて禄の家に辿り着いてしまう。15歳だからとカンナが声をあげて泣くシーンは苦しくて涙がこぼれた。

「ハルタに会いに行こう」という禄の言葉で二人が過去を思い出しに行く後半はもう感動しっぱなしだった。
禄が小学生の時に死んだ女の子と同じ顔をした睦実が、禄をずっとまっていたと、禄の顔を見てこの世で初めてしゃべる。
実家で目覚めたカンナは、父の「何しに来たんだ?」という冗談に「ちゃんと 思い出しに」と心の中で答えて、会社に戻る。

時間だけが流れて、過去という罪を記憶の底に封じ込めるのではなく、魂の在り処を知った時に、人はようやく救われるのだろう。人の心の醜さも弱さも、美しさも強さも描いている漫画を上手に紹介できるような言葉を、私は持っていません。




お薦め度:★★★★★



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