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『そこをなんとか』第2巻/麻生みこと

2011-08-25 | 少女漫画
 
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つきますよ
弁護士も嘘
弁護士は被告人の主張を基(もと)に弁護するんです
被告人に騙されたら 結果的に 嘘


 近所の書店で常に第2巻が品切れなので、しびれを切らしてネットで注文してしまいました。

 この、楽しく活き活きと、「法律の下でのけじめ」を描く世界がやはり好きだ。らっこ(楽子)も東海林も、「弁護士」であって決して「正義の味方」ではない。真実を暴くことでも道徳上の善悪を判断することでもなく、「依頼者の利益」を守るのが弁護士の仕事。しかし楽子は、アニ弁の東海林とは対照的に、涙に弱く「正義」を愛し、感情や人情に流されて突っ走ってしまうこともある。二人とも苦労して弁護士になったという点は共通していても、その「苦労」の形が違うので、同じ事件でも「受け取り方」は時として違う。

 冒頭に引用した楽子の台詞は、第6話の大学祭の裁判員シミュレーションで彼女が、自分のチームの様々な職種の人に言った物。そして続く第7話で、楽子は実際に被告人に騙されてしまう。
 車で自転車を轢(ひ)いてしまった孫を助けてと泣くおばあさんの依頼を受けた、楽子にとって初めての私選(しせん)。「被害者が納得しなきゃ」示談はできないという言葉の真の意味を理解して、楽子は加害者も被害者も納得できる形で執行猶予の判決を勝ち取る。ところが、控訴期間が過ぎてから、加害者の謝罪は上辺だけの物で、飲酒運転もしていたと楽子は知ってしまう。
 その加害者が、執行猶予中に再び人を轢く第8話。前の事件での「飲酒運転」のことは、守秘義務があって楽子は「呑み込む」しかない。被害者は人が良く、自分がケガをしたことには全く怒っていないが、フリースクールを経営する、「信念を持つ教育者」だった。
 人という個が社会を形成し、そこにはルールがあり、違反した者は償わなくてはならない。そういう「法律上のけじめ」と、「被害者や加害者の感情」は別物で、後者は法では裁けないので、そこにドラマが生まれる。
 弁護士だって人間で、裁判は遠い世界の物ではないと、良い意味で楽しく描いている。泣くのは「自己防衛」だと解釈している楽子が、泣くのは被害を受けた人の権利だという意味で、法廷で謝罪する依頼人(=加害者)を「泣くなァ!」と一喝するひとコマ。第2巻で私が一番好きなシーンです。


お薦め度:★★★★☆


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