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『紅茶王子』全25巻/山田南平

2012-01-24 | 少女漫画
 
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でも
そういう時に ちょっと助けてもらったりすることで
泣かなくて済んだり痛がらなくて済んだりするんだよ!
そういうのが一杯の紅茶じゃん
---紅茶王子の仕事じゃん!
もっと自分の仕事に誇り持ってよね!!

(奈子からアッサムへ)


 ここ数日、寝ても覚めても『紅茶王子』に没頭していた。古本屋で購入した全25巻を夢中で読み進め、五日で読了。そして今、また第1巻から読み返している。
 花とゆめCOMICS版は既に絶版で、新品が手に入らないので古本のセットを購入したのだけど、この25冊の中にはよごれの目立つ本もある。だから現在手に入る文庫版全12巻を、改めて新品で買い揃えることにした。もちろん『紅茶王子の姫君』も取り寄せている。それくらい、私は『紅茶王子』という作品に魅せられた。この漫画が大好きだ。第18巻の修学旅行のあたりまでは、なんて面白いんだ!なんて楽しいんだ!と、わくわくしたり、心温まるエピソードに心酔しながら読みふけり、第20巻(そめこと紅牡丹の別れ)から完結までは感動のあまり泣きながら読み終えた。

 「『紅茶王子』は傑作である」という事実を、私の拙い感想を交えて今更ブログに書き連ねることに、あまり意味はないと思う。だから、ここには別のことを書く。

 私が『紅茶王子』を読んで本当に良かったと思う理由の一つに、山田南平の最新作『オレンジ チョコレート』の魅力を、今まで以上に感じ取れるようになったというのがある。奇しくも、第7巻の「巻末おまけマンガ」に、「旧ガンダム知らずにエヴァ最高とか言っててはイケナイよ!!」という、作者の仕事場でのやりとりを描いた一コマがある。ファーストガンダム世代の私にとってこの一言は、大いに賛同できると同時に、耳が痛いと感じさせられた部分もある。この一言を、少し前の自分に向けて言い換えると、「紅茶王子を知らずにオレチョコ最高とか言っててはイケナイよ!!」といったところかもしれない。

 私がこれまでに読んだ山田南平作品は、『空色海岸』と『オレンジ チョコレート』(と、単行本未採録の『in JACK out』)だけだ。そして私は、『オレンジ チョコレート』を素晴らしい漫画だと思っている。しかし、最新作だけを抜き出してそれを傑作だと言うことと、過去作品にも触れた上で最新作を傑作だと感じ入ることとの間には、大きな違いがある。
 『オレンジ チョコレート』は最高に魅力的な作品だが、『紅茶王子』という過去の傑作も読んだことによって、私の中でオレチョコの魅力は更に高まった。「『紅茶王子』の魅力を発展させたのが最新作の『オレンジ チョコレート』だ」などという野暮な意味ではなくて、「山田南平」という漫画家の真価を以前よりは多めに知ることができたような気がする。

 今更ながら、私は山田南平という漫画家の、二十年に及ぶ執筆活動の、最近の数年間だけしか知らなかったのだ。『オレンジ チョコレート』に魅了された私は、山田南平作品の神髄(しんずい)は、「美」の追求にあると思っている。今は更に強くそう思っているが、作者の軌跡を少し遡ると、作品に反映されている美意識には変遷と深まりがある。それに気付けたことで、まだほんの数作しか読んでいない山田南平作品を、これからもっともっと楽しめる予感がする。

 少し前までの私は、「『オレンジ チョコレート』はなぜ良いのか」と問われれば、「面白くて楽しくて美しいからです」としか答えられなかった。今は、「『紅茶王子』という傑作を描いた作家の最新作だから、『オレンジ チョコレート』は良いのです」と、確信をもって付け加えられる。

 20日に出た『花とゆめプラチナ』にも『紅茶王子』の新シリーズが掲載されているけれど、その一作だけ、私は今日まで読むのをがまんしていた。

全25巻を読了してから読んだ『桜の花の紅茶王子』は、うっとりするほど素晴らしかった。「新シリーズ始動!」という表紙の文言にはとても期待させられる。サクラが吉乃の願い事をまだ一つしか叶えていないこと、奈緒が呼び出したジョルジの存在もあるので、一回きりのよみきりではなく、必ず続編が描かれると、勝手に信じている。この新シリーズも、オレチョコと並行して、これから何年も続く長編になってほしい。


お薦め度:★★★★☆


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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
いよいよ集中連載 (殿下)
2013-04-14 15:35:10
はじめまして。mixi「オレンジチョコレート」コミュニティ管理人の殿下と申します。
日ごろからオレンジチョコレートをはじめとする山田南平先生の作品をご愛顧いただきありがとうございます。

さて、ご存じかと思いますが2013年4月26日発売の「別冊花とゆめ」6月号より「桜の花の紅茶王子」が集中連載されます。
是非お楽しみください。
はじめまして (Wrlz)
2013-04-14 19:04:44
>殿下 様

はじめまして。
『桜の花の紅茶王子』は、『花とゆめプラチナ』で第1話を読んで、続きを心待ちにていました。
楽しみです。
脱字が (Wrlz)
2013-04-14 19:40:18
上の私のコメント、脱字がありました。

誤:続きを心待ちにて
正:続きを心待ちにして

失礼しました。

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