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『超人ロック ニルヴァーナ』第3巻/聖悠紀

2010-08-31 | 青年漫画
 
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あまりに面白くて一気に読んでしまったんだけど、このエンターテインメントの奧に込められた物を少しだけ真剣に考えてみたい。

第3巻の最大の見所は、ミラ・ファニール提督もアイザック・ヨシノ・デービットISC元長官も他界してしまった後の連邦軍に危機を知らせようと、ロック准将が、星区の基地を実質的に取り仕切っているドゥーハン大佐に「陰謀」が進行中だと、極秘の会見で伝える箇所だ。
そのドゥーハン大佐は会見の前に、ショーン・リッペントロップから合法な「ゲーム」を購入していた。
違法なVRキューブを実務に影響の出ない範囲で大目に見ている軍の体質と、かつて地球の大国が阿片の使用を黙認したことと、今の世界に「信教の自由」が存在することは非常に似ている。


この作品の中でロックは連邦軍を退役した准将であり、軍を動かす現場の者たちから尊敬されながらも、権力を持たないので命令は下せない存在だ。
肥大した銀河連邦の政府高官や軍の要人は人の死を「数値」としてしか理解できない人々である。しかし彼らはそれでもオフィスの机からモニタ越しに命令を下すことにより「秩序」を保っている。カムジンは人の精神を侵す宗教の教祖で、彼らを「人は混乱と無秩序の中で一生を終える」と洗脳する。

政府と軍の要人は「ニルヴァーナ(nirvaaNa)」の「臨死体験」を耐え抜くことにより、前線に立つ兵士以上に「死」を理解したと思い込み、「今」を維持することが悪なのだと信じ込まされる。
銀河帝国時代には、かりそめにも「皇帝陛下に対する忠誠」という確固たる価値観があった。帝政を廃した新銀河連邦は、圧政から逃れ自由を勝ち取る代わりに、盲信する対象を失った。そこに偽りの「宗教」が付け入る隙がある。

第25軍上陸部隊の拠点を制圧した反乱軍がパフストに侵攻する。2光分先に現れたジェイン・ドレイク提督の巡洋戦艦が対艦ミサイルに見せかけた物を3発、発射して、目標を逸れたそれは惑星に落下し、星区は通信を絶つ。

そしてラヴェンドラは「始まった」ことを知る。


ライガーが12発のジオイド弾で230年間続いた銀河連邦を解体したのは『虚空の戦場』(完全版では第13巻)。しかし本作『ニルヴァーナ』は過去の作品を読んでいなくても理解できるし、むしろ過去作品を知らないほうが先入観なしに楽しめるかもしれない。


お薦め度:★★★★★



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