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『シドニアの騎士』第3巻/弐瓶勉

2010-08-02 | 青年漫画
  
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私は第2巻の記事で、この漫画が描いている物は「正統な萌え」だと書いた。詳しくは(→第2巻記事)を参照して頂ければ幸いだ。上手く説明することは困難だが、第3巻を読んだ今もこの解釈に基本的な変わりはない。むしろ、この漫画を面白いと思えない人はオタクを名乗ってはいけない。←暴言(笑)


この漫画は、ファーストガンダム世代が受け継いできた「萌え」を今日に伝えている。

衛人(モリト)のデザインは永野護へのオマージュと言っても過言ではない。(私の思い違いだったら弐瓶先生にはこの場を借りてお詫びします)。ファーストガンダムの量産型モビルスーツ「ザク」をデザインした大河原邦男・安彦良和の両氏に衝撃を受けた我々にとって、続編である『機動戦士Zガンダム』制作陣の永野護の洗練されたデザインワークスは当時、あまりにも斬新に過ぎて、必ずしも全てのファンの共感は得られなかった。しかし25年経った今では例えば百式が「美しいメカ」であることに異論を唱える者は少ないだろう。


現れた三体のガウナ(奇居子)に対し、三班が出撃する。見えてきた目標は星白機とその操縦士まで再現していた。艦長はエナ(胞衣)の回収を許可する。残留ガス塊と誤認した質量の中からは未発見の衆合船(しゅがふせん)が現れる。回収されたエナを人間ではないと知りつつも、とても人道的に扱ってしまう外生研の田寛(たひろ)ヌミ。エナで再現された星白閑の姿をしたそれは、かすれた声で谷風の名を呼ぶ。


操縦士達が彼女と二人きりで光合成をする権利を得たいと憧れる、サマリの指揮下に入った谷風長道は、擬態の解けたガウナを旧式の継衛(ツグモリ)の武装で除去し、褒められる。

艦長が戦闘継続は「カビザシ=ガウナ連動論」を多数派にしかねないという進言を却下していた頃、長道を実家に招く科戸瀬(しなとせ)イザナと纈(ゆはた)は、近くの宿で長道の取り合いをする。男湯と女湯は清掃中で、男でも女でもないイザナのための中湯ではなく混浴の風呂で繰り広げられる三角関係。全戦闘作戦に参加が条件で操縦士になっている長道は、サマリ班の組む六機掌位を解除して、ガウナの針路を変える。谷風を心の中で「この子」と呼ぶサマリは、エマ・シーンを彷佛とさせる。

戦闘を終えた長道を「おかえりなさい」と出迎えるイザナ、そしてイザナの家に勝手に上がり込んで料理をしていた纈。
続く第14話から、シドニアの過去が描かれる。

正体不明の建造物に対する調査任務を遂行する、ヒ山ララァ、斎藤ヒロキ、鈴木、小林の四人。ヘイグス粒子が減り、飲み込まれる鈴木の衛人。撤退の指示を出す落合。光る粒がガウナを貫通する。シドニアの人類史上初めてガウナ討伐に成功した者達は英雄となり、小林はその後、艦長に就任する。ガウナの本体を貫通する光る粒は「穎(カビ)」と名付けられる。カビザシの残存数は限られており、建造物の正体は六世紀経た今も分かっていない。

約百年前の「第四次ガウナ防衛戦」末期に九十九%の人口を失ったシドニアの歴史。身体改造主義者であった落合はまだ生きているので不死の船員会の生き残りは二十四人ではなく二十五人だと小林艦長の言葉を訂正する斎藤ヒロキは、船内で火をおこし咎められ、「今日は重力祭りの日なんだ 大目に見てくれ」と答える。彼にはララァが寄り添っていた。

科戸瀬ユレ博士と小林艦長の、六世代で人口を五十万人まで増やす計画を聞かされ、食糧問題と子育ての大変さから反対する船員達に、艦長はこの子たちは光合成をすると答える。計画が順調に進行し、およそ八十年後、抑止剤を飲まず加齢が進行した斎藤ヒロキが発見される。生まれついての不老である、斎藤の遺伝子を操作した換装用クローン。斎藤は体重五キロに満たないクローンをとっくに生まれていい重さだと、科戸瀬を人質に取って羊水槽から出す。話し合いは決裂かと刀を抜き、「この子は俺の子だ 手出しはさせない」と警備兵に斬り掛かり、旧転換炉管に入り込んで姿を消す。

そして現在、ララァは「こんなに大きくなって……」と光合成ができずに食事をする長道を優しく見つめる。
岐神邸では海苔夫(のりお)が岐神の「クナ」は「来な」だと教えられ、家が代々守り続けてきた「落合の補助脳」の存在を伝えられる。



お薦め度:★★★★★
シドニアの過去と長道の生い立ちに関する「謎」を挿入したタイミングが絶妙です。
ヒ山が呼ばれるのを嫌う下の名前「ララァ」。『機動戦士ガンダム』をオタクである自分の原点とする私のような者は時に「ファースト信者」と呼ばれるが、ララァという名を漫画に使うことが、弐瓶勉には許される。

とにかく「娯楽」として一流の作品だ。そして私の勝手で一方的な思い入れですが、この漫画に描かれている物が現在に於ける「正統な萌え」です。


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