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『ザ・クレーター』/手塚治虫

2012-04-30 | 少年漫画
 
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 六角堂(茨城県)の再建に関するニュースを見た時に、不思議な既視感を覚えた。
「手塚治虫のまんがに、こういうのが出てきたはずだ」と。確か、どこまでもどこまでも車を走らせると、人生をやり直せる館(やかた)があり、主人公が破滅してしまう物語だった。
 私の手元にある、少年チャンピオンコミックスの『ザ・クレーター』第2巻に、その物語は採録されていた。単行本の表紙にするほど、作者にとっても思い入れのある作品だったのかもしれない。
 この漫画を初めて読んだ時、ものすごく衝撃を受けたのを覚えている。この本を古本屋で買った時の値段まで、私は覚えている。近所の店に第2巻の在庫がなく、本店から取り寄せてもらい、それは「200円」という、小学生にとってはかなりの大金だった(当時、新品の漫画単行本の定価は320円だった)。

 確認のために読み返してみたら、私は覚え違いをしていた。作品名は『八角形の館』で、主人公は東ではなく西へ向かっていたけれど、この作品の、目も眩むような神秘性は、今でも色あせない。
この2巻に採録されている14の物語(この全2巻は、3編を欠いている)は、どれも衝撃的だ。
妄想と現実の混同、過去からの伝言、歴史の「if」、一つの肉体に二つの人格が共存、パラレルワールド、タイムパラドックス、宇宙人の侵略、前世、人類の滅亡…。物語の面白さもさることながら、「現在の作品で使われる設定」のほとんどを網羅していると言っても過言ではない。

 今頃になって気付いたけれど、これらの作品が「『ブラック・ジャック』よりも前」に描かれた物であることに、更に驚かされた。私には手塚治虫に関して語れるほどの知識はないけれど、あらゆるジャンルの漫画を描いていた、あるいは描こうとしていたその足跡(そくせき)は、正に「天才」の物だと思う。


お薦め度:★★★★★


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