アルバニトハルネ紀年図書館

アルバニトハルネ紀年図書館は、漫画を無限に所蔵できる夢の図書館です。司書のWrlzは切手収集が趣味です。

『with!!』第4巻(完結)/斎藤けん

2009-08-06 | 少女漫画
 
にほんブログ村 漫画ブログ コミックス感想へ


どうしてそんなこと言うの…?

兄ちゃんと一緒にいるために 強くなるって決めたのに
兄ちゃんは違ったの?
ずっと一緒って言ったのに
嘘だったの…?


最終巻です。雑誌で『ララDX』の予告だけは見ていて、どう終わらせるのか気になっていたんですが、「真砂がいていい理由」というのは予想外でした(3月号は買いました)。明るいノリだったのでそこはちょっと気付きませんでした。シスコン乗り移り漫画のようでいて最後まで読むと実は重かった。


生きているうちに想いを伝えたかったと涙ぐむ美登利、そんな彼女に、かけつけた神(じん)は「馬鹿だね 鷺沼サン」と言う。
その言葉でやっと泣くことができ、吹っ切れた美登利は髪をバッサリ切る。


そして司朗の死から前に進めないでいるもう一人、陸猿彦。今更サッカーやっても面白くないと言う猿彦に、司朗は他に面白いことあんのかよと詰め寄る。そんな司朗の言葉を喋る真砂にキスして押し倒す猿彦。

司朗は真砂の体を借り、兄からの鉄槌だと猿彦を殴りつけ、サッカー勝負を挑む。「わたしこれから兄やります」と。
何をやっても簡単に一番になれた司朗は、本当は猿彦が羨ましかったと泣く。
そうやって一つずつ未練を断ち切っていった兄は、誰にも渡さないと言っていた妹のことを「まあのこと お前が思うように行動しろよ」と八坂に託す(というか「近付くことを許す」)。「俺はもう 邪魔したりしないから」。

3人で司朗のいなくなった穴を埋めていこうと言ってくれた両親に、お父さんとお母さんの子に生まれて良かったと礼を言い、司朗はいなくなる決心をする。
「まあ 俺 死にたくなった」。その言葉を最後に、現れなくなった、応えてくれなくなった兄。

残された真砂は陸さんが惹かれたのは自分ではないと猿彦の告白を断り、自分は「平凡」だからと生徒会役員も辞退する。
最終話は本当にびっくり。真砂自身が一番、前に進めないでいたんです。
黒馬先輩も鷺沼先輩も陸さんも好き、お父さんもお母さんも鳩高のみんなも好き、でも兄ちゃんが一番好きと、兄と同じ所へ行こうとする真砂。兄にとっての"特別"だった真砂には、兄のいなくなった今「ここにいる理由」がなかった。

1年後、開封されたタイムカプセルの中の、白紙のまま埋められた司朗の「将来の夢」は泣けました。

兄ちゃん
私 生徒会長になったんだよ
凄いでしょう
がんばったの
あのころ 兄ちゃんと 何度も誓ったから
少しでも 強くなるように
兄ちゃん
自慢の妹って思ってくれる?
兄ちゃん
今でも ずっと
大好き…



併録の読み切りは『猫とヨーコと俺で家』(平成20年ララ10月号)。
15歳で父と離れて独り暮らしをしているタケルの元に、ある日突然、蓉子(ようこ)という陰気な女子高生が訪ねてきて黒猫と一緒に居着いてしまうお話。
実は男性恐怖症を克服したかった蓉子。父のメールのコピーを最後まで読み真相を知り、捨て猫と同じように、ほだされて拾ってしまえば可愛くなってしまう。
徹底してラーメン(麺類)ばかり食べてるヨーコが良いキャラです。


お薦め度:★★★★☆
実は兄妹そろって「なにもなかった」司朗と真砂、生きる理由、いていい理由を最後に見付けられて本当に良かった。
真砂が最終的に黒馬先輩も猿彦のどちらも選んでいないのも良かったです。恋も人生も本当はこれからなんだという、真砂にとってとても救いのある終わり方です。


↓まあ、がんばれ!
にほんブログ村 漫画ブログ コミックス感想へにほんブログ村
にほんブログ村 トラコミュ 漫画、マンガ、まんが、コミックへ漫画、マンガ、まんが、コミック
にほんブログ村 トラコミュ 少女マンガへ少女マンガ

【検索用】with!! 斎藤けん 4
ジャンル:
ウェブログ
コメント (2)   トラックバック (1)   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« 『青空エール』第3巻/河原和音 | トップ | 『となりの怪物くん』第1巻/... »
最近の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
4巻読みました (とのすけ)
2009-08-08 01:05:01
『with!!』4巻ようやく読めました。
発売日に買いに行ったのですが、既に最後の1冊でした。買っている人が多いからだと嬉しいんですが。
最終話まで読んで、やっぱり斉藤けんさんが好きだと再認識しました。
3巻までは割と想定内で進んでいた(と思っていた)ので、私も最終話はとてもびっくりしました。真砂が自分の居場所がなかったと感じていたことや、司朗が白紙の手紙を書くほど空っぽだったなんて気づけませんでした。
真砂笑顔で終わってくれて本当に良かったです。
笑顔 (Wrlz)
2009-08-08 08:52:05
>とのすけ様

最終話、本当に良かったです。もうすごく良かった!
真砂が屋上で兄に話しかけているシーンでは正直、最悪の事態も予想したんですが、良い意味で裏切られました。

兄が突然死んで、まあが「死んだ兄ちゃんの分まで生きるよ」というお話だと書くとありきたりに聞こえますが、それをこんなに素敵な形で描く斎藤けんさんが私もやはり好きです。
兄ちゃんが「将来の夢」を何も書けなかったと第4話で言ってますが、タイムカプセルを開けたら本当に白紙だったというのを見て…ほんとに。
生きていた時兄ちゃんはこんなに空っぽだったんだ、だから自分は兄ちゃんが「自慢の妹」って思ってくれるように前を向いて精一杯生きるよと。本当に良い作品でした。

真砂にはこれから素敵な人生が待ってますよ!

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

あわせて読む

関連するみんなの記事

トラックバック

この記事のトラックバック  Ping-URL
ブログ作成者から承認されるまでトラックバックは反映されません。
with!!(全4巻)/斎藤けん 感想 (2次元侵略され日記)
with!! 1 (花とゆめCOMICS)(2006/07/05)斎藤 けん商品詳細を見るwith!!/斎藤けん/LaLa・LaLaDX連載/全4巻/TSF(精神同居・憑依)/女体化/学園コメディ 粗筋:賀...