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『超人ロック 嗤う男』第2巻/聖悠紀

2011-02-16 | 青年漫画
  
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忘却の処置は恒久的なものではない
10年か20年たてば
必ず思い出す
そうしたら
研究を再開する

(ギボンズ)



今度の新作はおそらく、銀河連邦という大国を維持するための「制約」によって、才能を封じ込められている者たちを描いている。

辺境の惑星は産業もなく貧しく、エア・バイクレースという「見せ物」を開催することによって得られる収益がなければ、立ち行かなくなる。従って開催者のウーツェイは、放映権を買ってもらうためにネットワーク会社の言いなりになり、レーサーを「奴隷」として扱い、勝ち負けをコントロールし、「命をかけたドラマ」の演出もしなくてはならない。
レースはその勝敗を、開催者とスポンサーの思惑に左右されていながらも死亡率が極めて高く、レーサーの持ち主は奴隷に保険をかけることもできない。

パイロットを供給しているギボンズ研究所の本当の目的は「エスパーコントローラー」の復元だが、これは初代銀河皇帝ナガト暗殺の、表向きの原因となった装置なので、数世紀が経過した今でも「法」によって開発も研究も厳しく禁じられている。

才能があるのに「レースで勝てない者」と、国家を転覆させられる装置を開発する能力を「法律によって封じ込められている研究者」とが抱く葛藤は、前者の目的は「賞金」や「プライド」で後者の目的は「破壊」だが、恐ろしいほど似ている。


お薦め度:★★★★☆

「能力があればいくらでも好きな仕事ができる」という状況と、「能力があるのに社会から評価されない」という両極端の状況がある。聖悠紀は漫画家として、この上と下の両方を味わってきたのでこのような物語が描けるのだろう。

余計な深読みなどせずに、軽い気持ちで「娯楽」として楽しめば良いのだろうけど、つい深読みしてしまう。
作者は「面白い漫画を描くこと」しか考えていないのかもしれないけど。


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2 コメント

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Unknown (存在しないIDです)
2011-02-17 20:22:57
深いなぁ。
うん…30になった今だからこそ、なんかいろいろ感じるものがありますです。
これ子供の頃に見てても「残酷な話だな」くらいにしか思わなかったかもです。
ストーリーテラー (Wrlz)
2011-02-18 14:48:04
>存在しないIDです 様

女神(ディーバ)になってしまうミリアムや、博士の「処置やりすぎ」が楽しいです。

読者を楽しませるために漫画を描いていて、結果としてその作品は名作として完結する。そこに「聖悠紀」という漫画家の偉大さがあると私は思っています。
「嗤って」いるのは誰なのか。早く続きが読みたいです。

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