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『新クロサギ』第5巻~第7巻/黒丸・夏原武

2010-08-07 | 青年漫画
  
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佳境です。3巻分まとめてどかんと記事を書きます。


黒崎は、上条芸能の副社長を騙る男を騙し返すかたわら、NPOを名乗り「板橋浄水サービス」を追い詰める。板橋浄水サービスには排除命令が下り、黒崎は貸金庫の中の書類の「関連企業リスト」の欄の、同社の名前にバツ印を付ける。ファイルの表紙には「御木本」と書かれていた。

次に桂木に命じられた仕事は、公共事業に関する入札詐欺。白石と利害が一致し、環境アセスメントでの不正・改ざんがメディアで報じられ、板橋浄水サービスと同じく、御木本がこれからやろうとしている「事業」の土台となる境環境研究所が潰される。
別れ際、黒崎にどこに高飛びするんだと訊かれ、「オレもおまえに聞きたいね。おまえが、これからどこに向かうのかを、さ。」と聞き返す白石。

上海では、ここ三か月で32の団体・企業のうち12団体が業務停止に陥っていると御木本は報告を受ける。三社とも順調である集金部隊のほうの一社、六本木の「ジービー証券」。黒崎はデイトレーダーを名乗り、自分が立ち上げる証券会社と手を組みファンドを大きくしようと持ちかける。
ホテルの一室では、「節電サポート」「東京グリーンファンド」「ジービー証券」のトップが上海からの、残り2か月を自由に使えという最後の課題を聞かされる。


第6巻。

黒崎は、最後の集金に焦る「東京グリーンファンド」に二酸化炭素排出量取引を御社のファンドに組み込みたいと、コンサルタントを名乗り同社の社長に接近する。同時にジービー証券の社長からは、「ワールド環境ファンド」への参加を持ちかけられる。青柳と新座の二人の社長は、「鵜坂」と「赤須」が同一人物とはまだ知らない。
青柳は架空のコンサルタントと契約を結び、CO2排出量取引と植林を組み合わせた、いま一番受けるネタを看板に「東京グリーンファンドが新しくなりました!」と大々的に広告を打ち、同社には大手証券会社が商品を取り扱いたいと接近する。青柳が残り一か月半で目標額以上の稼ぎを出したら自分に対する上海の心証が悪くなると、「集客ネットワーク」を持っている新座は「商品」を持っている青柳と手を組む。

神志名の前に現れ、前科のない荘田川がシロサギだと証明する資料を手渡す黒崎。乗せられたくはないが、あんたは必ず動くと。
「この会社が詐欺会社なら、あんたは絶対に放っておけない。おれは、あんたが警察官としてはクソマジメで誠実な男だって知ってるんだよ。」

ジービー証券にCO2排出量取引相手の企業から抗議文が送られてくる。日本国内でのCO2吸収量はまだ法的に策定されておらず、全てがウソだったと判明する。商品にならなくなったファンドをまるごと売り付けようと赤須に会う新座。90億円分の偽造株券を掴まされ、2枚の名刺を見比べた青柳は「AKASU」と「USAKA」が同一人物だったとようやく気付く。

桂木に呼び出され、「賭」だったと、あんたの手先となって御木本を喰うのが狙いだったと打ち明ける黒崎は、御木本が上海から騙し取った額は20億円と教えられ、御木本を潰せと命令される。
「この仕事がほしいか。よかろう、やってみるがいい。ここまでやったのだから、ケリはつけさせてやる。これはおまえの仕事だ。」

そして黒崎は来月の集金日には戻ると氷柱に告げ、上海へ飛ぶ。

異国の地、御木本に20億を取られた徐秋生(シューチウセン)老大。「あなたがたが御木本に渡した20億円… おれが必ず取り返します。」と中国語で約束する黒崎。
国家や金融機関を信用せず、財産や命を自分たちでまもろうとする客家人の独自の文化。彼らが敵視する、資金力と公安とのパイプを持つ、ニューセレブと呼ばれる「龍井集団(ロンチンチートゥアン)」。
御木本だけでなく龍井集団までも嵌(は)めようとする手法だと徐秋生に指摘され、自分のやっていることは卑怯者の手口なので、せめて命は懸けると答える黒崎。
龍井集団のグループ企業である銀行に偽造証書を渡してしまった御木本は、部下を殺される。行方不明になった御木本を追って、桂木に失敗を許された黒崎はマカオへ向かう前に北京に寄る。
目の前には、自分が嵌めて御木本を始末させようとした龍井集団の宗香林(ソンシャリン)が現れる。


第7巻。

宗香林から古い友人だと、公安副部長を紹介される黒崎。御木本が北京で進めていた事業は、都市部の富裕層の、高層マンションを購入するというステータスと大気汚染とのジレンマにつけ込んだ空気浄化ビジネスだった。
「北京緑営空調有限公司」のシステムを採用しているマンションに、公安を装っての捜査が入り、黒崎が北京の大学生に作らせたディスクでシステムが書き換えられる。

北京での仕事を終え、マカオに飛ぶ黒崎。御木本は「エコ」と銘打てば売れるファンドを、まとめてマカオの「江湖老(コンウーロウ)」に売り付けようとしている。そして台湾の「虎林幇(フーリンバン)」は桂木に敵意を持っている。黒崎は戈(カ)から聞かされる。桂木は御木本を「虎林幇」に逃げ込ませ、虎林幇にどちらにつくのか選ばせるつもりだと。

マカオで羅嘉進(ローチアチン)に接触する黒崎、商談を潰された御木本は「寛大な措置」で国を追い出される。
神志名は黒崎が「どちら側」の人間なのか確かめるために、国交のない台湾に飛ぶ。思惑通り、虎林幇に逃げ込み、匿われる御木本。そして世界的不況下に唯一復調の兆しを見せている大陸の金を、この台湾に引きずり込むことができればと、虎林幇幹部の馬森(マーセン)に投資家を引っ張り込む詐欺の事業を持ちかけられる。それを知った黒崎は、世界的不況から抜け出せていない日本の投資家が注目しているのが中国とここ台湾だと、顧客を紹介すると馬森に持ちかける。

路地裏で対峙する黒崎と神志名。どこまで墜ちれば気がすむんだと胸ぐらを掴む神志名に、御木本からいくら金をぶんどろうと、警察に逮捕させようと、何も変わらないと答える黒崎。
「無力だよな、おれたちは。」

虎林幇に、御木本が台北市政府警察局の警部補と密会しているように撮られた写真が送りつけられる。虎林幇の老大(ボス)に、桂(クェイ)=桂木の使いの者が謝罪に訪れる。名を訊かれ、看不冗(カンプーチェン)とお呼び下さいと答える早瀬。
手帳を持っていなくてもお前は警察官だと上司に言われ、御木本の写真を台北中のホテルにファックスして彼の命を守ろうとする神志名。全てを失い、銃を手にホテルのスイートでうなだれていた御木本は、目の前に現れた黒崎に父親を思い出せるかと問われ、父親を忘れたのはおまえのほうだと、「日本に帰ったらよろしく言っておいてくれ。いまのおまえの、父親に……」と告げ、殺された部下の形見を手渡す。

非常階段を降りていく黒崎の背後で、一発の銃声が響く。



お薦め度:★★★★☆
中国という国、アジア黒社会の得体の知れなさ、嘘に塗れた「環境」を謳う企業。
「エコ」を謳う商品は全て嘘だと言い切るような描き方が痛快です。「環境保護、エコロジーは誰も文句がつけられない。なぜなら正しい行動だからだ。」という夏原氏の皮肉たっぷりの補足も素晴らしい。
最期まで詐欺師だった御木本の死に際が、哀れでもあり、当然の報いとも思わされる。読みごたえありました。

第8巻、9月30日発売。黒崎はチャイニーズ・マフィアが跋扈する異国の地で己の身を守れるのか!? 本当に面白くなるのはこれからだ!


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