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『さよなら私たち』/香魚子

2010-08-11 | 少女漫画
 
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女の子の話を
描くのが好きです。
愛着みたいなものを
持っています。

(帯の折り返しの作者の言葉)


香魚子さんの初の読みきり集。気になっていたので購入しました。とても良かった。
私がこの作者を最初に知ったのは『ひみつみっつ』(別マ2010年2月号)です。この単行本はオリジナル読み切り5編を採録。


『時をかけるまえに』(デラックスマーガレット平成21年7月号)。
40年後の2065年にタイムマシンが完成している、2025年。混乱を起こさないように未来政府が少しずつ情報を公開している世界で、未来よりもこの瞬間を大切に生きようとしている原木悠(はらきゆう)という女の子が主人公。同じクラスの乾慎一(いぬいしんいち)に想いを寄せている原木は、7月15日に乾に告白しようと、彼を一緒に「雨やどり」した公園に呼び出すが、彼は来ず、翌日から彼女を嫌いになったと言って避ける。「時空留学生」を装ったテスラから、二人が付き合ったために原木は死ぬのだと聞かされ、それでも乾に避けられ続ける未来ならいらないと言う原木の想いに乾は応える。二人は記憶を消されるが、原木は生きて7月18日を迎えられる。


『おとうとくん』(デラックスマーガレット平成18年1月号)。
学校に爆破予告が寄せられ、下校させられる生徒達。ナギは、昼は親がいないと言う拓巳(たくみ)の家に招かれ、犯人は弟だと冗談のような言葉を聞かされる。しかし拓巳が席を外した時に、冷たくて哀しい眼をした男の子がナギの前に現れて、ナギはその子の鬱屈した心や暴力を目の当たりにする。後日、顔に傷を作り図書室でうなだれていたおとうとくん。そして本が好きなこの子はこの後また泣くのだから、名前を教えてほしいとナギは語りかける。


『失恋ファミリーレストラン』(ザ マーガレット平成18年3月号)。
彼氏からの着信で知らない女性からファミレスに呼び出される、「村田リュウジの彼女」。彼女がそこへ向かうと、4人の不揃いな女性がテーブルを囲んでいて、自分達は全員リュウジに遊ばれていたのだと、初めてお互いの存在を知り、罵り合い、やがて最後に呼び出された子の言葉を聞いて慰め合う。リュウジの携帯を取り戻した5人目の女の子だけが、4人の女性の存在を最初から知っていた。


『Us, you and me』(別冊マーガレット平成17年8月号)。
漫画家を目指している加藤えりが、屋上から抽象画の課題を破り捨てていた時に同じクラスの、作家を目指している琴平蘭子(ことひららんこ)と出会う。二人の合作で加藤はようやくデビューを果たすが、このままやっていても絶対に成功できないと、えりにひっぱたかれた左腕を優しく握り返して蘭子は姿を消す。
連載が打ち切りになった頃、えりは蘭子が最年少で権威ある作家賞を受賞したとテレビで知る。夢を諦める事と叶える事が同じくらい難しいのだと思っていたえりの手元に、あの日の絵が手紙と一緒に送り返されてくる。


『さよなら私たち』(ザ マーガレット平成19年1月号)。
三途の川の手前で、記憶を失ったことにより繋いだ手が離れない二人の女子高生が、覚えていない記憶を思い出すために下界へ戻る。
正反対の性格をしている神戸(かんべ)リカと小山田厚子は、自分達が死んだ世界を手を繋いだまま巡り、自分達が生前、周囲や両親、想いを寄せていた男子にどう思われていたのか知っていき、ようやく生前の自分達の関係と日々、自分達がなぜ死んだのかを思い出す。記憶を取り戻したことにより手は離れるが、厚子は「死ぬ」という事の意味を知り、それを聞いたリカは手を繋いでほしいと言う。二人が命を落とした駅のホームには、それを殺人事件だったとは知らない誰かによって花束が優しく供えられていた。




お薦め度:★★★☆☆
優しさと哀しさの入り交じった「空気」がとても良い。そして残酷さを描くのが上手い。物語りが美しい。完成度の低さが気になって星は3つにとどめましたが、何度も読み返したい一冊です。現時点での最新作、後悔のないように生きようとした女の子の『ノストラダムスと榊くん』(デラマ7月号)のデジタル水彩は本当に素敵でした。


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