アルバニトハルネ紀年図書館

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『ラブ★コン』から読み取る政権批判

2017-05-14 | 今日は旧暦のエイプリルフールです
 
 中原アヤ著『ラブ★コン』は、極めて政治的な作品である。
 最初に、本作の連載が始まったのが、小泉政権の発足直後である点に注目したい。

 言うまでもなく主人公の小泉リサは、小泉純一郎首相を示している。
 そして本作は、小泉政権のもたらした混乱を批判する政治的作品である。

 ここで、本作の基本構造を整理しておきたい。
・小泉リサ→行政権
・大谷敦士→立法権
・石原信子→司法権

と置き換えることにより、本作が三権分立の崩壊、すなわち独裁政治を描いていることが明らかとなる。

 さて、漫画『ラブ★コン』は、小泉リサと大谷敦士の恋愛を軸に物語が進む。
 前述の置き換えにより、小泉と大谷の恋の成就は、行政府による立法府の支配を象徴していることが理解できよう(独裁者となった首相が、国会を意のままにするのである)。
 司法府の象徴である石原信子は、小泉と大谷の恋を後押しするので、司法の独立も損なわれている(後述)。

 しかし小泉政権は、発足と同時に独裁政権と化したわけではない。小泉氏は「構造改革」「規制緩和」を掲げて首相に就任した人物であり、本作でも同様の経緯が描かれている。
 小泉氏が掲げたスローガンに「聖域なき構造改革」があるが、本作に於いてこの「聖域」は寿子郎であり、それは同時に「郵政」のメタファーである。
 ここでは、
・国営である=男性である
・民営である=女性である

という等式が用いられる。
 本来は男性である(国営である)寿聖子郎(郵政)を、女性(民営)として扱うことにより、すなわち「郵政民営化」によって小泉政権が国民の支持を獲得した事実を本作は批判しているのだ。

 先に、司法の独立が損なわれていると記したが、このことは小泉政権下で行われた各種の国策捜査に表れている。
 一例として、鈴木宗男の逮捕と、深川遥の失恋とを結びつけることができる。
 具体的には、従来の「弱者を大切にする政治家」(鈴木宗男)という価値観の否定が、作中では「長身で美形の男」(深川遥)という理想像の否定として描かれている。

 そして、小泉らクラスメート全員が、停学や退学になることなく無事に舞戸学園を卒業することで物語は完結する。
 これは正に、小泉首相が任期を満了して(失脚せずに)政界を退いたことを指している。

 だが、小泉氏が政界を去っても小泉氏の影響力が完全に消滅してはいないように、小泉リサの卒業後も舞戸学園(=政界)には彼女の影響が残っている。

 もしも、小泉氏の首相在任中にこの指摘をしていたら、ボクは粛清されてしまったかもしれない。
 ああ、政治とは実に恐ろしいなあ。



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