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『アオハライド』第2巻/咲坂伊緒

2011-08-30 | 少女漫画

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俺は余裕って言うより
テキトーなんだよ
どーでも いいって 思ってるから余裕に見えるのかも
けど おまえがそうやって落ち込むって事は
自分をどうにかしたいって思ってる証拠じゃん

(洸から双葉へ)


 この新作は、連載開始前の「プレショート」(別マsister2011年1月増刊号)の時点から私は好きだったけど、「前作『ストロボ・エッジ』を超えてくれるのだろうか?」という不安も私は勝手に抱いていたのだ。その不安が解消されて、「これは前作より面白くなるぞ!」と、これまた勝手に予感できたので、今頃になってブログを書く。

 前年度に孤立した双葉は二年になり、槙田さんを孤立させない「空気」を作ろうとして空回りする。周知の通り「アオハライド」とは「青春(アオハル)+ride」だが、青春時代の輝かしさだけではなく、痛々しさも克明に描いている。
双葉は愚かで浅はかな自分を恥ずかしく思うことの連続だが、洸はあらゆるプレッシャーを受け流しており、双葉は彼を「すごい」と思う。それをくやしいと言った双葉に、洸は冒頭に引用した言葉をくれる。

 学級委員とイベント委員の5人は癖のある顔ぶれだが、夜の全体研修で、洸は口から出任せの発表の最後を、双葉が書いた『楽しい思い出』という言葉で締めくくってくれた。オリエンテーリングで優勝することで、それを「これから先」に繋げようとした双葉の目論見ははずれてしまうが、槙田さんは、双葉を絶対にひとりにしないと約束してくれる。双葉も同じことを約束して友達と手を握り合う。槙田さんに秘密を知られた村尾修子は、静かに目を綴じる。
 双葉が学級委員に立候補した瞬間を「見せ場」と思わせておいて、実は(引率が田中先生だと知って反射的に)「村尾修子がイベント委員に立候補した瞬間」が第2巻の本当の見せ場だったというのが、私の勝手な解釈。「報われない恋」にしがみついている村尾修子という存在が、これから先の展開を大きく左右すると思う。(というか、オレは村尾さんが大好きだ)


PAGE.4カラー(別冊マーガレット平成23年5月号)




別冊マーガレット5月号表紙



お薦め度:★★★☆☆

 本当の意味で「かっこいい」高校生が一人も出てこないという点が、良い意味でリアル。そもそも「高校生」はかっこわるくて、その「かっこわるい所」も含めて彼らの生き様なのだ。
必死である様を無様と、冷静さを冷たいと思われ、陽気であれば不真面目という印象を、得てして高校時代には仲間から抱かれてしまう。容姿が良くて明るく社交的である様を「かっこいい」と評価してくれるのは異性だけで、同性は同性の本質を見抜いてしまう。相手の本質が見抜けてしまうので同性とは友達になれ、見抜けない側面のほうが多いから異性とは恋に落ちる。そして相手を知り尽くした上で好きになれる、恋ではなく「愛」に繋がる出会いは少ない。現時点では洸が一方的に双葉の本質(の一部)を見抜いているけれども、双葉も徐々に洸を知っていくはずだ。
 ついでに咲坂伊緒さんの内で、高校に通えるというのは「当たり前」のことではないという認識が強いように感じられる。過去の作品や『ストロボ・エッジ』の団長のくだりで、それは「中退」という直接的な形で描かれたが、「今のこの瞬間」にこだわる描写の根底には、やはりそういう意識があるのだと思う。


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