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『花の名前』第4巻(完結)/斎藤けん

2009-10-14 | 少女漫画
 
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ついに最終巻まで買いました。
「水島先生の等身大パネル」を諦めた大正文士の会は、いつの間にか秋山サークルに。一緒に住んでいながら口数が少なく、最近は京と顔を合わせることもないという蝶子に、美妃先輩はまるで倦怠期の夫婦の様と冗談を言う。

肇(はじめ)先生の見舞いに行った蝶子は、志摩さんから祖父の本当の病名を知らされる。
花で埋め尽くされた庭を見て、こんなもの燃やしてしまえば楽になるかと思う京。帰ってきた蝶子は、許されることが辛いだなんて思いもしなかったと京にすがりついて泣く。


自分に突っかかる唐澤を軽くあしらう京。「奪れるもんなら奪ってみろよ」と。水島さんのことが本当に好きならあんなこと言えるはずないと秋山に八つ当たりすると、「きっと 溺れてるようなもんなんだ」と、勘弁してやれという答えが返ってくる。

医師に宣告された死より三年も長く生き続けている祖父。両親を亡くした時に感じることをやめた蝶子は、大切に失っていけるのなら今度こそ受け止めようと決める。

『花名』の映画化の制作パーティーで、よくものこのこと片岡の系列のホテルに来られたものだと言う、京の兄。「くだらないものを書き散らして 十二も下の娘を囲って いい生活だな」。
打ちひしがれて帰ってきた京は、どこにも行かないでくれと蝶子にすがりつく。
祖父の死を知らせる電話がかかってくる。

『花名』の主人公の青年は、何もない暗闇で一人うずくまっていた。ある時、目の前に一輪、花が咲いているのを見付ける。摘んでも摘んでも咲き続ける花。やがて花は枯れ、絶望を知る。前より深い孤独を抱いて、一人、一面の花の残骸に身を沈めながら、青年は空を仰ぎ、いつの間にか景色が変わっていたことに気付く。

京さん
教えて下さいますか
私に
その 花の名前を



お薦め度:★★★★☆
結局誰一人として救われていないような、一度壊れた心は元に戻らないとでも言いたげな、残酷な終わり方が逆に良かったです。孤独と絶望の中に取り残され、咲くことをやめない花を道連れに墜ちていくのが京の宿命なのでしょう。
「救い」の定義というものは無く、京も蝶子も、最終的にはこういう生き方しかできない人なんだという、愛の一つの帰結として私はそのまま受け入れました。狡(ずる)く、危うく、狂気と紙一重のそれは美しい。
『with!!』『亡鬼桜奇譚』『花の名前』と新しい物から順に読んできましたが、斎藤けんさんの作品ってまず「失う」という処から始まる。そこにある種の美学を感じます。私はとても好きです。今度『月光スパイス』を買おう。


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