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『星は歌う』第7巻/高屋奈月

2010-02-11 | 少女漫画
 
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優しくしないって

        言ったくせに


高校生活最後の夏が終わり、校内は受験に向け動き出す季節。「たまに みんなで星を見上げて 何が悪いの?」と当然のように笑ってくれる聖。「みんな 椎名のこと 考えてる」と言ってくれた千広が、自分のために本を選んでくれる。
優しくされたことがなく、優しさに慣れていないサクは、奏のことも、千広のことも、心のどこかでおそれている。初対面の時に奏に「…やっぱうざいわ 消えてくれる」と拒絶されていたサク。中学生の時に既に継母との確執があり、高校1年で父親に捨てられ、星の瞬きだけを支えにしていた少女がはじめは周囲から「卑屈」に見えてしまったのは無理はない。
神童扱いされていた奏は志望大学に落ちただけで心が崩壊する。しかし高屋奈月は団塊ジュニア(1973年生まれ)で、おそらく思春期に受験戦争を味わった世代なので、一度の挫折で人生を投げ出すことも、家庭に恵まれていなければ墜ちても構わないという「甘え」も許してはくれない。

就職が決まらない奏が自分の甘えを認め、サクに詫びた。
「俺が怠けてる間も真面目にやってる奴らはいて そいつらの努力が俺より下回ったら あんまりだよな」。
『花とゆめ』読者層の大半を占めるであろう、現在中高生の少女達は「容赦がない」と感じるかもしれないけど、不幸な自分に酔って悲劇のヒロインを演じても、社会はそんな卑屈さを意に介してはくれないというのは今も昔も変わらない。そもそも家庭に恵まれ良い学校を出たからといって人生は順風満帆には行かない。

まだ「治って」ないと座り込む奏の前に現れ、笑って星空を指差したサク。

この、サクヤが笑って星空を指差す姿は第14話(第3巻)から既に登場していた。伏線の張り方はやはり上手い。
星が歌っているわけはなく、単なる大気による瞬きだという「現実」を、虚しい嘘、悲しい嘘、優しい幻想(うそ)だと、初めてサクヤに歩み寄った奏。
「--… ……優しい 歌だな……」。


お互いに家族から捨てられ、存在すら否定された二人が、千広に「二人は嘘じゃない」と言われたように、「家」を取り戻す物語になるのでしょうか。


第36話カラー扉(『花とゆめ』2009年13号)


第39話カラー扉(17号)




お薦め度:★★★☆☆
奇跡のような美談は、「絵空事」と紙一重。『フルーツバスケット』という名作を描ききった作者だからその辺は分かっているのだろうし、最終的には上手くまとまるのでしょうが、その途中経過はくどく感じてしまう。前巻(第6巻)が読みごたえありすぎたんですよ。


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