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『さよならチョコレート』/音久無

2012-01-26 | 少女漫画
 
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俺がきっと明治さんを幸せにするから
だからもう チョコレートはやめて
俺とつき合おう!

(森永チロルから明治青架へ)


 『女王様の白兎』第1巻と同時発売だった、音久無さんの短編集。この、儚いような危ういような、切なさに満ちた世界に心を奪われて、何度も読み返したくなる心地よい読後感がある。採録されている5本の短編は、どれもはじめは切なくて、終わり方が暖かい。5作とも、苦しみの中であがいたり、声を殺して泣いたり、痛みをこらえているような子が主人公。そういう主人公が最後に笑ってくれるから、読み終えると暖かな気持ちがわき上がってきて、とても幸せな気持ちになれる。

 初出を見ると、発表された順に採録されているので、新作を描く度に味わいが増してきたのが分かる構成にもなっている。巻頭に掲載されている受賞作『ヒトサンマルマル』の二人の不器用さや、『多彩信号』に漂う孤独さから始まって、三番目に掲載されている表題作では、一作の中で悲しみと楽しさの両方を描きながら、見事に調和が取れている。最後の『三島古書店浪漫譚』の、「字が読めない」という切なさの描き方は本当に素晴らしい。作者が自身の作風を確立した瞬間と言っても過言ではないかもしれない。

 これほど才能のある人なので、十年後、二十年後には驚くほど上手くなっていると思うけど、この持ち味は、ずっと無くさずにいてほしい。


お薦め度:★★★☆☆


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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
良さそうですね。 (さっとん)
2012-01-27 20:55:50
短編集って買うかどうかすごく悩むんですが・・・

良さそうですね。
本屋で次見たら買ってみようと思います。
過去作品の短編集 (Wrlz)
2012-01-28 13:20:03
>さっとん様

おすすめですよ!

先月から今月にかけて、白泉社で連載している作家の、過去の短編集がいろいろ刊行されていて嬉しいです。
私は『さよならチョコレート』の他に、『心臓が足りない』(福山リョウコ)と『星になる日』(鈴木ジュリエッタ)を買いました。どれも粒揃いでした。
買っちゃいました。 (arisa)
2012-01-29 00:46:37
本日買ってしまいましたよ
今から読みます。

なんかわくわくします。
ジュラルミンケース (Wrlz)
2012-01-29 20:57:04
>arisa様

買いましたか!
寂しい時にチョコレートを食べるという表題作の切なさも良いけど、私は紅の「字が読めない」という切なさ描き方が好きです。
深刻な悲しみという形ではなく、どこか愛らしい描き方をしていて、作者の持ち味がすごく出ていると思います。

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