アルバニトハルネ紀年図書館

アルバニトハルネ紀年図書館は、漫画を無限に所蔵できる夢の図書館です。司書のWrlzは切手収集が趣味です。

イタリア人が喋る言葉

2011-02-02 | daily
 
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ザック・ジャパンがアジアカップで見事に優勝し、我が国のサッカーチームはアジア一の栄冠に輝いた。
元気をくれる、とても明るいニュースだ。
それとは別の話として、日本語が不自由で、イタリア語で記者会見に臨むザッケローニ監督の映像をテレビで見ていて、ものすごくしょうもないことが気になってしまった。

「イタリア人っていつからイタリア語を喋っているんだろう?」

イタリアというのは要するにかつてのローマ帝国の中心地で、イタリア人であるザッケローニ監督は人種的には古代ローマ人と同じ遺伝子を持っていて、彼の血筋を遡れば、おそらく狭義のローマ市民であり、シェイクスピアの書いたジュリアス・シーザーやブルータスなんかと同じ人種である可能性は否定できない。

その頃、地中海の周辺ではラテン語が公用語で、ザッケローニ監督の遠い祖先はラテン語を母国語とする人だったかもしれない。
ギリシャ語はラテン語よりも先に存在していて、ヨーロッパで最も影響力の強い言語だった。
だから新約聖書の原典はギリシャ語で書かれている。

ローマ帝国はどんどん領土を拡大していき、フランスやスペイン、東欧、果てはイギリスの辺りまで征服していき、ラテン語が広まった。
ドイツ語や英語や北欧の言葉がゲルマン系の言語であるのに対し、現在使われている、いわゆるラテン系の言語というのは、極論すれば全て「ラテン語の方言」のような物だ。

位置的にはローマの中にあるバチカンでは今でも、日常会話でラテン語が使われている。
従って、聖職者としてどんなに有能であっても、ラテン語がペラペラでないとローマ教皇にはなれない。

ローマに住んでいるイタリア人と文通していて、相手の国の官製はがきを送ってもらったことがある。

これは丁度リラからユーロへの過渡期で、上のはがきは額面がリラだけど、下のはがきはリラとユーロが並記されている。


やがてネタ切れになったのか、相手はサンマリノやバチカン市国のはがきや航空書簡を送ってくれるようになった。



中に物を入れてはいけませんという注意書きは二か国語で並記されているが、フランス語でないほうはラテン語ではなくイタリア語のようだ。


この切手はユーロ導入の直前に発行された物で、額面はリラ。


これはユーロ圏ではないモルドバ共和国(ルーマニア人の国)が1992年に発行した切手だが、ローマの建国神話に登場するロムルスとレムスの像が描かれている。



おそらく古代ローマの時代から、「上流階級が喋るラテン語」と「庶民が喋るラテン語」との間には隔たりがあったのだろうと想像できる。
前者はそのまま「昔ながらのラテン語」として温存され、後者の俗っぽいラテン語は地中海周辺のそれぞれの地域で独自の進化を遂げ、やがて現在のフランス語やスペイン語やイタリア語になったのだろう。

もしかしたら千年前、二千年前にも、「最近のローマ人はきちんとしたラテン語を話さない」と「言葉の乱れ」のような物を嘆く人はいたかもしれない。
しかし各地の民族は自分たちの言語を育んでいき、イタリア語も、ラテン語が庶民的な形に変わって、血なまぐさい歴史も経て、ラテン語に最も近い現在の言語として完成したのだろう。


すごくくだらない疑問だけど、こんな風に考えてみた。


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2 コメント

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Unknown (存在しないIDです)
2011-02-02 21:17:24
調べてみました。
ものの本によると、ローマ帝国の崩壊後に各地のラテン語に訛りがどんどん生じてきて、10世紀ころには今のイタリア語の原型となるいくつかの言語ができていたとか。
そして、ルネサンスの頃などに「イタリア諸国家」(当時のイタリアはいくつもの王国に分かれていました)での標準語を作りたいという意識が高まって、何度かそういう運動があったものの、トスカーナ方言をベースに作られた「イタリア語」は上流階級にしか根付かなかったんだそうです。
で、19世紀にイタリアが統一されて初めて、国家あげてその「イタリア語」の標準語としての国民全世帯への普及を促進するようになったんですと。

いやー、Wrlzさんがこの記事書かれるまで私も知らなかった。
勉強になりましたです。
コトバ (Wrlz)
2011-02-03 13:59:14
>存在しないIDです 様

「言葉は生き物だ」と思えば寛容な気持ちになれますよね。

「政治生命を懸ける」というのも、永田町の周辺で使われている日本語の方言なのでしょう。

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