アルバニトハルネ紀年図書館

アルバニトハルネ紀年図書館は、漫画を無限に所蔵できる夢の図書館です。司書のWrlzは切手収集が趣味です。

『ノノノノ』第9巻/岡本倫

2010-01-31 | 青年漫画
 
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岸谷 もう話しかけないでくれないかな
乙女のおっぱいを揉んだ罪は
そんなに軽くないんだから!!


その人が全日本ジュニアを離脱して雪野高校代表でインターハイに出るのでもう奥信の優賞はなくなったと皇帝が言う赫(テラシ)。帰国したモンスターは、彼女らしき由維(ゆい)に飼い猫が留守中に死んだと聞かされ、空港で泣き崩れる。猫が死んだくらいで出口をふさがれたら邪魔だと現れるプロレスラーの一群、赫はその5人をあっという間に殴り蹴り倒してしまう、ものすごい身体。

実は悠太の誕生日もクリスマスイブだというコウロギ、皆に声をかけて、サプライズでお祝いしてあげたいと言うが、岸谷だけは行かないと答える。
雪の中、コショウを買いに行かされるノノ。その隙に、天津と皇帝、そしてそらさんがノノへのプレゼントを持ち寄る。新品のグローブにヘルメット、ジャンプスーツ、興梠はなんと最新型のジャンプ板。皇帝が持ってきたのは使いかけのむぎ茶パック(笑)
コショウを買って帰宅すれば嬉しくてたまらない誕生日会が待っていたノノを呼び止める、秘密を知っている火野元コーチ。

3話に渡り火野に陵辱されるノノはとても痛ましかった。

そんなノノが、実は女の子だと知っている岸谷が、助けにきてくれる。
「お前のことが好きだからに決まってるだろ」。
ノノの代わりに黙って歯を折られようとする岸谷、「誰かを犠牲にしなくちゃ叶えられない夢なら… 私は もう あきらめる」と火野を蹴り飛ばすノノ。岸谷は落ちていた包丁を拾い、自分がここで火野を殺せば全てが丸く収まると言う。

火野に背中を刺された岸谷は、ただの切り傷だと、ノノに逃げろと言い、ノノは自分を捜していたコウロギ達に何もなかったかのようにふるまう。仕切直しの誕生パーティーで、みんなからのプレゼントを見せられ、泣き崩れてしまうノノ。
与田さんの紹介してくれた病院で隠れて傷の治療をしていた岸谷、初詣の日になってようやく顔を見せ、ノノはやっと自然に笑えるようになる。

後半の、ノノと同じクラスの佐藤健(けん)くんのエピソードは好きです。
自分はありふれた人間で、同じ体育科の野々宮くんは「特別」なんだと己を卑下していた佐藤。そんな野々宮くんが、人に見られない所で壮絶な努力をしていたと知って佐藤は自分が恥ずかしくなる。

何も捨てていないように見えると言われ、ノノは心の中で「女の子」を捨てていると答える。


与田記者の取材に、赫は今の自分に足りないのは「他人の不幸」と答える。野々宮が勝てないのはあいつが女だからだと与田さんが考え込んでいる時に、男物のパンツを克服していたノノ(笑)
不正をしてでも勝てと選手達を奮い立たせる新潟の守門高校のコーチ。HSを超え、バッケンを超える選手達に与田は驚愕する。槙野だけが気付いた、何かの匂い…?


お薦め度:★★★★☆
ジャンプとラブコメが交互と言った作者の、今回はラブコメの巻なのですが、それがあの火野による陵辱シーンです。「生きていても仕方ない」と挫けそうになる辛い思いを秘めて、ノノがオリンピックを目指す。「もうがんばらなくてもいいんだよ」と言ってあげたくなる。


帯の裏側のこの文句にちょっと異議があるんですが、

「漫画に飽きつつある」というのは正確ではない。今は「そもそも漫画を読まない」という若者が増えている。
戦後、手塚治虫が20代の若さで『新宝島』を発表し、貸本漫画の全盛期を経て漫画雑誌が数多く創刊されるようになって以来、「マンガを読みたい」というのは食欲や性欲と同等の「子供達の基本的な、当たり前の欲求」だった。漫画は子供達にとって絶対の正義であり、時代の価値観その物だった(言い過ぎか?)。
私が小学生の頃というと1980年代ですが、クラスで漫画を読んでいない奴なんか存在しなかった。男子はジャンプかコロコロのどちらかを読み、女子はりぼんやなかよしに夢中だった。エリート志向の親に漫画を禁じられているガリ勉君がクラスに一人いたけど、彼も私の家にこっそり遊びに来て親に内緒で私の漫画を読んでいた。
少年時代、私が古本屋で漫画を買ってくると怒ってそれを捨てたりした母も、弟(私の叔父)が買っていた白土三平の『カムイ伝』に慟哭した世代だった。
本が売れない時代故の苦肉の策なのかもしれないけれど、ケータイにマンガを配信することの功罪の「罪」の部分をもう少し考えて欲しい。雑誌の赤字分を補填するために他で利益を出す必要はあるけれど、ケータイでマンガをダウンロードした人の何割がその後「本を買って」いるのか疑問です。
産業革命以後、人々が自分で所有するために本を買えるようになり、「蔵書」という「自分の本棚」を家の中に持つようになってようやく200年を超えようとしている。
どんなに赤字が累積して経営が苦しくても、「店頭に漫画雑誌が溢れんばかりに山積みになっている」という光景を決して無くしてはいけない。と私は思うのです。余談が長くなりましたが。


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4 コメント

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バンクーバー (笛巣田 真夜)
2010-01-31 17:40:17
オリンピックにあわせて1ヶ月早く発売したそうですが・・・

この内容であわせたらあかんと思います・・・


五輪 (Wrlz)
2010-01-31 20:32:20
>笛巣田 真夜様

バンクーバー、ぜんぜん関係ないですね(笑)
変態シモネタが大好きなので楽しんでますが。

私は上村愛子を応援してます。
Unknown (Jing*3)
2010-02-01 21:40:17
若い人の関心事が、前の世代とは明らかに変わってきていますよね。
マンガもしかり、クルマもしかり。
マンガは、子供時代にたくさん読んで飽きたという言い方もできると思いますが、今の若い人はマンガの読み方がわからない人もいるという話も聞きます。
リテラシーの問題?
マンガの読み方 (Wrlz)
2010-02-01 22:21:59
>Jing*3様

マンガの読み方。そんなもん遊びながら覚えろよ情けない。
親や教師の「そんなモノ読んじゃいけません!」という圧力に反発して、反権力とか反権威なんてものを知っていく成長過程でマンガは「身体の一部」になる物。
だからマンガは「文化」なんかじゃない。
暴力とセックスと、極上の夢を教えてくれる、最高位の「娯楽」です。

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