アルバニトハルネ紀年図書館

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たばこが課税される理由

2010-04-06 | たばこ
  
表題の件について明言している文献を特に見かけたことはないが、たばこに関しては欧州でも日本でも最初は「課税」の前に「禁止令」があった。
たばこはまず、新大陸からヨーロッパに伝来し、その始まりはマヤの人々が神と交信するための道具であったとされている。
薬草としてヨーロッパに伝来したタバコを待ち受けていたのが禁止令だった。欧州の国々がタバコを禁止した根拠は、唯一神を信仰するキリスト教の教えと、「未開の大陸の野蛮人の風習」という先入観だった。イスラム教も喫煙を異教徒の風習として拒絶した。
ただし日本の場合はやや事情が異なり、喫煙を禁じる道徳上・信仰上の根拠をそもそも見いだすことが出来ず、為政者が本気でたばこの撲滅を目論むことはなかった。徳川家康が入手したタバコの種は鹿児島辺りで栽培され始め、やがて農村の商品作物となった。徳川幕府が禁煙令を布いた根拠は年貢高の維持であった。タバコよりもコメを栽培して年貢を納めろ(=納税せよ)という、財政を根拠とする禁令だったのだ。

現在の日本でたばこに税が課せられる根拠は昭和59年に制定された「たばこ事業法」である。第1章総則の第1条に「この法律は、たばこ専売制度の廃止に伴い、製造たばこに係る租税が財政収入において占める地位等にかんがみ、製造たばこの原料用としての国内産の葉たばこの生産及び買入れ並びに製造たばこの製造及び販売の事業等に関し所要の調整を行うことにより、我が国たばこ産業の健全な発展を図り、もつて財政収入の安定的確保及び国民経済の健全な発展に資することを目的とする。 」と明記されているが、その原点は徳川吉宗の享保の改革にある。換金性の高い農産物の栽培を推奨し、そこから徴税する構想によってタバコの栽培は幕府の公認となった。

明治維新後、口付きシガレットを売り出した岩谷松平と両切りシガレットを売り出した村井吉兵衛が紙巻たばこを大衆化させ、その販売合戦がたばこ産業を発展させた。その莫大な利益は国に目を付けられ、日露戦争の戦費調達のために、葉煙草専売法を強化する形で「たばこ専売法」が明治37年に施行された。
日中戦争が激化すると、たばこは配給制となり、それは物不足から終戦後もしばらく続いた。そしてGHQが外貨資本のBATの参入を阻止し、日本専売公社が昭和24年に発足した。国の収入を脅かす「ヤミたばこ」の追放を訴え、国産たばこを買うように訴え続けてきた専売公社が昭和35年に「ハイライト」を発売し、日本は復興を果たした。専売制が廃止され、日本たばこ産業株式会社が誕生したのは昭和60年である。

納税はその形の変遷はあっても江戸時代より遥か以前からの国民の義務であり、今の日本ではガソリン税や酒税などと同様に、たばこを消費する者と製造する者とにはたばこ税を納める義務がある。しかし過去400年間、「国民の健康増進」を理由にたばこに課税した政権は存在しない。税金は国の「経済」のために納める物であり、「誰かの健康」のために納める物ではないからだ。健康は税金ではなく自己管理によって維持する物だ。享保の改革は幕府の財政を立て直すための物であった。






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2 コメント

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Unknown (Jing*3)
2010-04-06 13:35:35
健康云々って言うから胡散臭い。
嗜好品に課税、というならまだ納得がいきます。
だったら酒税だってアルコールで健康を害する人間がいっぱいいるのだからもっと上げるべし。
租税 (Wrlz)
2010-04-06 14:29:31
>Jing*3様

納税の意味を勘違いしているバカが閣僚になっているんです。

迷惑だから課税しろ、嫌いだから課税しろと煽るバカも多い。

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