アルバニトハルネ紀年図書館

アルバニトハルネ紀年図書館は、漫画を無限に所蔵できる夢の図書館です。司書のWrlzは切手収集が趣味です。

『花とゆめプラチナ』

2012-02-11 | 少女漫画
 
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 この本をすごく気に入っている。読み返すにつれて宝物のような一冊に思えてきた。『人形芝居』と『桜の花の紅茶王子』があまりにも素晴らしいので、その二作を読み終えた余韻で、熱に浮かされたような状態で自分が「一冊の本」としての魅力を過大視しているような気がして、ブログを書く前に少し日にちを置いてみたけれど、やはり「一冊の本」としての魅力はとても大きい。どういう意図で刊行された本なのかは憶測しかできないけれど、私はこの本の存在が嬉しい。こういう本が刊行され続ける限り、私は「漫画を読むこと」をきっと永遠にやめない。

 私がこの本から強く感じるのは、「花とゆめ」というブランドの持つ偉大な力だ。私も含めてこの本を買った人の多くは、「花とゆめ」の名を持つ漫画雑誌や単行本が好きな人たちだと思う。それ故、書名に「花とゆめ」の四文字を含む出版物には、「やはり"花とゆめ"と名乗っている本は面白い」と読者を引き付ける、相応の魅力が求められる。そしてこの本は、特定の作家や作品が好きな人のみならず、極論すれば「初めて花とゆめ作品を読む人」にも大きな満足感を与えるだろう内容に仕上がっている。それは「人気のある作家」を集めただけで簡単に成り立つような物ではなく、多くの人の手と長い年月をかけてようやく醸成(じょうせい)される魅力だ。そういう魅力を、ここで私は敬愛を込めて「ブランドの持つ力」と呼んでいる。

 「高尾滋のファンだから」「山田南平のファンだから」という、私がこの本を買った動機は、巡り巡って「そもそも自分は漫画が大好きなのだ」という、根本の部分にまで立ち帰ってそれを再認識させてくれる。ある本を買わなければ読んでいなかったかもしれない作品との出会いは、常にかけがえのない物だ。
 「あなたが知らなかっただけで、世の中には面白い漫画がこんなにあるんだよ」と、示してもらったような嬉しさには、いつも心が躍る。本屋や通販サイトを巡りながら、「この作品が好きだから」「この作家のファンだから」という理由で読む漫画を選んでいると、知らず知らず視野が狭まっていることがある。だから、出版社を問わず、こういう本が刊行されることに、私は大きな喜びと意味を感じる。

 「自分にとって面白い漫画」という存在は、ほぼ例外なく二つの側面を持つ。自分で見付けたという面と、自力では見付けていないという面で、多くの場合、後者のほうが面積が大きい。「自分はどういう漫画が好きなのか」という問いへの答えは、自分の内にしかないので、自分が読みたい漫画は自分で探しているというのが前者の一面。その存在を知らなかったか読む機会を逸していただけで、読んでみたら引き込まれたという偶然が後者だ。ところが、前者と後者は相反する物ではなく、実は後者の「偶然」が前提となって前者の「選択」が成り立っている。

 世の中には、数えきれないほど多くの出版社が存在し、無限に近い数の漫画が生み出されている。この世に存在する漫画を全て読むことが物理的に不可能なので、「出会った作品の中でどの漫画を好きになるか」というのはある程度自分で予測できても、「どの漫画といつ出会うか」は予測が不可能で、自分の思い通りにはならないのだ。

 そういう意味で、この本は「花とゆめ」というブランドの持つ力を読者が知る、一つの「偶然」をもたらす一冊だ。そして実際には、「漫画その物」の魅力を私たちに提示している、多くの選択肢の集合体だと思う。


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