アルバニトハルネ紀年図書館

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『You're My Only Shinin' Star-君はぼくの輝ける星-』/高河ゆん

2009-05-14 | 読書
 


1990年代は「ウィングス」誌上で活躍していた高河ゆんの、初の青年誌での連載作です。カラートーンを使い始めたのもこの頃からです。

↑第7話のこのページは単行本ではモノクロで採録です。
「モーニング増刊パーティー」に連載後、A4サイズのムックが出て、その後B6の単行本が正式に出ました(一応両方持ってます)。その後文庫でも再版されましたが、どれも現在品切のようです。
タイトルは同名の中山美穂のシングルから。
「今までずっと傷つけてごめんね」という一言が言いたかったというお話です。そのテーマは私は気に入ってるので、古本屋ででも探して頂ければ幸いです。

作品世界や設定自体はものすごく安っぽくて薄っぺらいんですが、同人上がりの作家ならではのユニークさで強引に引き込まれるものがあります。当時高校生だった私は『ローラカイザー』(プリンセスコミックス全4巻)のどこが「やらしい」のか理解してなかったんですが(大人の女性にそのエロさがうけてました)、こちらは高校生の男にも露骨にエロいと感じさせるものがありました。もうレンブラント(本来は男の名前ですが主人公の月星人の女の子)の身体のラインがもろにエロくて。コスチュームもボンデージ系。

人類の科学が究極に達した西暦19899年、魔道師と呼ばれる科学者、太陽系を統べ人型(ヒューマノイドタイプ)中最大の種族として君臨する地球人類。
記憶を奪われた月星人(セレナイト)の少女・レンブラントは、自分の記憶を奪った魔道師・イマームを追って地球に向かう。レンブラントが目を覚ました時、知っていたのはふたつだけ。地球の大魔道師イマームのこと、そして自分の記憶の全てを彼が奪ったこと。
しかし地球に入国できない月星人。その理由。西暦19897年、地球人類は月地下に先住民族がいることを知らずに中性子系新兵器「D」の作戦実験を行い、99.99%の月星人が死滅。残り0.01%の人々の地球への報復は凄惨を極め、テロへの脅威から月星人は地球入国を許されない。
この辺りの陳腐な設定はひとまずそのまま受け入れて、「魔法」と呼ばれる地球人の持つ科学や、登場人物それぞれのエゴや欲で楽しめる漫画です。

傲慢な地球人(アーシアン)の魔道師として振る舞うイマームが実は月星人で、その弟のバニシングは「病人」に対してしか愛を感じない変な医者。どんなに可愛がっていた患者でも、退院してしまえば用無しです。
イマーム様の親衛隊(地球軍保安部)の女の子達が面白いですね。セーラー服着て女子高生の格好して、肉体労働者という設定。イマーム様はあたしら肉体労働者のアイドルなんだっ。
1万年の間にプレートの歪みが大きくなり、地震の頻発する地球。その地震をしずめるために呪文と公式だけでは足りず、旋律も使おうと先輩魔道師のレイダックにイマームは言う。
最も台地を眠らせる効果のある「今日の日はさようなら」を歌えと。
その騒動の中、地球に密入国したレンブラントはイマームの捕虜となる。砕かれる、記憶の手掛かりである指輪。鎖で拘束されるレンブラントがやけに色っぽいです。


「結婚」が何なのか知らないレンブラントに、イマームは「ずっとひとりにしないという約束だ」と答える。この人と決めた一生の相手と離れたら死んでしまう種族、月星人の彼女にはそれが理解できない。
「そんな約束必要かしら 好きな人とずっといっしょなんて当然よ」。

「D」の衝撃で細胞単位で合体しているレンブラントと、5歳まで精神が退行しているアサジン。イマームに一緒に寝ようと言われ、あんな奴と寝させるわけにはいかないと、女から男へと入れ替わる身体。BL描いてた高河ゆんのやおいっぽさもあり。

「体は縛られても心までは自由にさせないわよ!!」と徹底してイマームを拒むレンブラントと、イマームの変態ぶりがたまりません。

患者のことしか愛せないバニシングは、病人ではなく健康なレンブラントを愛することができない。彼は兄に「誰かを愛せないのは罪じゃないよね 解るだろう兄さん 俺が彼女を愛せないように 彼女も兄さんを愛せない」と。レンブラントの処女を奪ったと言い、自分を愛していることが不満だと彼女を捨てたバニシング。イマームがレンブラントの記憶をとりあげたのは彼女の死を回避するため。レンブラントをボロ切れのように捨てた一方で、患者の命はなによりもすべて投げ出しても守る義務があると兄に大金をせびるバニシング。

限界を迎える地球を造り変えるためにイマームは一番大きな最後の魔法を使います。歌は「蛍の光」。その歌は、惑星を原始時代にまで逆行させ健康な状態を取り戻させるが、同時にバニシングに捨てられたレンブラントの記憶をも戻してしまう。「悲しみ」に殺されるレンブラント、痛み始める心臓、羽根を広げたイマームはそんな彼女に結婚を申し込みます。
「僕はもうずっと君に そんなことの言える男になりたかった」

地球と一緒に太古の伝染病が復活した中で、それぞれの出す結論。
この作品を連載していた頃、高河ゆんは今の夫とはまだ出会ってなかったはずですが、やはり私生活で何か充実していたものがあったんだろうと思います。


お薦め度:★★★☆☆
昔の作品は『LOVELESS』よりも世界が強引でしたね。15年前なら4つ星付けたと思います。


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