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『夏目友人帳』第8巻/緑川ゆき

2009-07-05 | 少女漫画
 
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ああ
いつもうまく伝えられなくてごめん
恐いとか 不安だとか
そういうのは
--伝えるのがムズかしくて…



第6巻と第7巻が今ひとつだったので、切なさ満ちた第8巻は久々にジーンときました。少し泣けました。
私はずっと、第5巻の滋さんの「--弁償はいらない ここは君の家だと言っただろう-…」という言葉の続きが聞きたかったんだと思います。だから尚更、第6巻と第7巻が物足りなかったのでしょう。暖かい人々に出逢えた、この人達に迷惑をかけたくないとだけ思ってきた貴志が、「帰りたい場所が出来たんだ」と自覚する、胸が一杯になるような第8巻でした。

妖(あやかし)の気配を少しだけ感じられる田沼や、陣の中に入った妖だけ見ることの出来る多軌(タキ)との絆が深まると同時に、貴志が妖を見ることのできないクラスメイトとも打ち解けられるようになります。
作者が一度は描きたかったという文化祭の話。幼い頃からタライ回しにされてきた夏目が、初めて参加する学校行事です。賑やかなのは苦手だった夏目ですが、同じく祭り事は性に合わないと言うタキも楽しんだ者勝ちだと言う。そこに田沼が現れ、初対面だった二人を紹介する夏目。
二人は、妖に対して饒舌であけすけで、人に気を遣ってばかりで妖の友達ばかり増えていく夏目を心配します。
自分を助けるために川に飛び込んでくれた西村と北本が、「お前がちゃんと楽しいのがいいんだ」と気遣ってくれる。「本当だよ 本当に楽しみで仕方ないんだ」と優しい目をして笑う夏目。
慣れないことを積み重ねて進んでいく、小さいとしても一歩ずつ。
妖のことを知っている友達だけでなく、知らない友達もできて、夏目が今自分は幸せだと感じられる様子が読んでいてとても嬉しいです。自転車を買ってもらえと言われた夏目が、「ああいうのは…後ろ押さえてくれる人がいないと乗れないだろう?」と答えていたのが印象的でした。

文化祭は終わり、夏目は先生との散歩中に目に何かが入り、痛みを感じるようになる。そして田沼が風邪だと言って自分と距離を置くように。困ってるならちゃんと話してくれと田沼に言う夏目、先生から夏目はしょっちゅうこんなこと(妖が見える)があるのだと聞かされる田沼。
田沼に取り憑いた妖は、妖について人に話さない夏目は、重い病にかかったまま何も話さずに姿を消した自分の友達と同じだと言う。

第三十話がこの巻の中で私は一番好きです。
愛情に満ちた、塔子さんのお弁当。熱を出して寝込んだ夏目のために夜遅く買い物に行ってくれる塔子さん。夏目は藤原夫妻に引き取られる前の家でのことを思い出します。苦労してそうなのにまがってないなと言う友達に、まがったらもう屋根の下にも入れてもらえなくなると思っていた、そういう卑屈な気持ちが伝わって、自分はかわいくなかったのだろうと。
妖が見えてしまうが故に不審な行動をとってしまい、気味悪がられる。そんな自分の前に、父の遠縁だという藤原塔子さんが現れた。優しい人だった。優しい人には会いたくない。夏目は、塔子さんがあまりにも優しいので、この人は「人」ではなく、自分にしか見えない妖なのではないかとすら思ってしまう。自分に来て欲しいと言われることが、初めは信じられなかった。
自分を飼ってやると言った妖は、邪魔な人間を食ってやるから自分のところへ来いと言う。妖封じをしようとして崖から落ち、入院する貴志。
そんな自分の病室を訪れてくれたのは藤原夫妻だった。
「うちに来なさい。」と言ってくれた滋さん。「…藤原さんの所に 行きたいです …お願いします」


誰もお前を待っていないのにと立ち去る妖に、「--いいや 帰りたい場所が出来たんだ」と心の中で答える夏目。


お薦め度:★★★★☆
「友人帳」が一切登場しない第8巻です。その分、夏目の周囲の人達との関わり合いが深まり、「大切なもの」を見つけ出しました。夏目が藤原夫妻に引き取られるくだりは涙もの。


↓帰りたい場所が出来たんだ
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