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『ひとりたち』/菅野文

2010-09-24 | 少女漫画
 
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『オトメン(乙男)』の連載が長引いていることが、作者にとって逆に不幸なのではないかと思わされる短編集。

表題作の『ひとりたち』は別冊花とゆめ2010年3月号に発表された最新作。
父を亡くし「ひとり」の夜を迎える女子大生、幸(ゆき)が、今までもひとりだったが今は本当にひとりなのだと、病床の父から手渡されたメモがたったひとつの繋がりに思え、そこに書かれた番号に電話する。

バイトに間違われた幸は、綱木(つなき)の命じるがままに遺品整理の仕事を手伝い、引き取り手のない遺書を誰かに届けようとして、故人の人生に踏み込むなと怒鳴られる。死ぬ時は皆ひとりだと言う綱木の過去を知り、人はひとりで死ぬが、誰かと生きた証を残して死ぬのだと知る。


『永遠のハニー』。
これは別花2008年2月号の別冊ふろくで私は最初に読んだ、単行本初採録の読み切り。初出は花とゆめプラス2004年9/15号。
娘の羽生衣(はにい)を溺愛する父が、片思いしている本当の「ハニー」との仲を娘に取り持ってもらう。娘を撮った写真に込められた愛情を以前から見ていたその女性は娘に会いたいと答えてくれるが、父はようやく娘が事故で亡くなっていたことを思い出す。


『悪性-ZERO-』。
『悪性-アクサガ-』全2巻に採録されなかった、第1話として雑誌に掲載された読み切り。『悪性』の単行本第1巻の「1話」は番外編として描かれた「4話」に差し替えられています。結果的に『悪性』全2巻は佳作となりましたが、ゼンの男色趣味も少し読んでみたかった。両刀であるというのは、盗むよりも壊すよりももっと「自由を体現している罪」だと思う。



『傷口から流れるあいのうた』。
ザ花とゆめ2000年10/1号。この単行本の中で最も初期の作品。
天才作曲家と呼ばれている男の仕事場に、そこから動けない少女の霊が現れる。彼女との会話の中で男は音楽が好きだという気持ちを取り戻していくが、少女から全てを奪ったのが自分だったという過去も思い出す。
掘り起こした死体と心中した男の部屋には、悲しく、とても綺麗な未発表の曲が遺されていた。


『ひとりたち』カラーページ(『別冊 花とゆめ』2010年3月号)




『AYA KANNO SELECTION』(2008年2月号別冊ふろく)



お薦め度:★★★☆☆
『オトメン(乙男)』が一刻も早く完結して、新作の連載が始まることを願っています。
私は『オトメン』を初めて読んだ時、素晴らしい漫画だと思いました。でも第9巻で買うのをやめました(連載は読み続けています)。
「『オトメン』は素晴らしい漫画だ」と「菅野文は素晴らしい漫画家だ」が同じ重みを持ち始めた時に間をおかずに、「本当はこういう漫画が描けるんです」という主張を作者にはしてほしかった。



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2 コメント

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致し方なしですね・・・。 (さっとん)
2010-09-24 17:21:34
オトメンは私ももういいと思います。
1巻の時から菅野さん自身も「自分とは違う」とおっしゃってましたから、
こういった短編が発表されるのもオトメンを辞めたくない
白泉社の引き伸ばしなんだと思います。
ドラマにまでなりましたから同社としては、
少しでも長くやってて欲しいんでしょう。

私は「シグルイが好き」とか言っちゃう菅野さんが好きですが^^
『別冊 花とゆめ』 (Wrlz)
2010-09-25 09:12:28
>さっとん様

『オトメン』は今も決してつまらない漫画ではないんですが、私は雑誌で一度読んだ物を単行本で買い揃えようとは思えなくなりました。『別冊 花とゆめ』は他にもっと楽しみな作品が出てきてしまったんですよ。ああ、今日発売日だ(笑)
既に購入した第9巻までの9冊を手放すことはありませんが。

この『ひとりたち』は、表題作以外に『悪性-アクサガ-』の幻の第1話が読めたのが嬉しい一冊です。

『シグルイ』、読んだことありません。でも面白そうです。

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