アルバニトハルネ紀年図書館

アルバニトハルネ紀年図書館は、漫画を無限に所蔵できる夢の図書館です。司書のWrlzは切手収集が趣味です。

『ビッグコミック』2012年10号

2012-05-11 | 青年漫画
 
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『ゴルゴ13』第522話「13番目の客」/さいとう・たかを
今回も、一回で完結。このところ良い作品が続いているけれど、中でもこれは特に、「『ゴルゴ13』という作品」を愛している人が協力した脚本だと思う。
CIAに勤めながら、機密を知る立場になかった男が、平凡な勤務を続け、何事もなく定年を迎える。元CIA職員は、妻と共に、誰もが参加するような、ありふれたツアーに加わってドイツを旅行する。その元職員は、あの男のことを知るが、旅行中には何も起こらない。そして、退職後これからも、やはり平凡な老後を送ると思われる。
平凡なサラリーマンの、平凡な老後。ほんの一瞬だけの、あの男との邂逅(かいこう)、「13」という数字。そして、バッハが本当に元職員の命を救ったのかどうかも、憶測しかできない。味があって、良いエピソードだ。


『憂国のラスプーチン』第39話/伊藤潤二・佐藤優・長崎尚志
シーンは変わって、都築の取り調べと、弁護士との接見。この部分に関する信憑性は、あまり高くないと思う。なぜなら、憂木が「自身で体験」した物ではないからだ。後になって、都築が憂木に、「憂木さん、私はこういう取り調べを受けて、こう答えてやりましたよ」と話した、伝聞に過ぎないはずだ。
佐藤優としては、「鈴木先生は実はこんなに立派な政治家なんです」というエピソードを入れたかったのだろうけれど、ちょっと鼻持ちならない。


 以下、面白かった作品を羅列します。

『江戸の検屍官』女地獄 第4話/高瀬理恵・川田弥一郎
お百合の「師匠」でもあるお月。その厳しさと優しさに、北沢は感服する。
絵が上手いだけでは絵師になれないし、美しいだけでは生きていけない。江戸時代だろうと平成だろうと、やはり人間は同じようなことに苦しんだり喜んだりしていたのだな。


『総務部総務課山口六平太』第623話/林律雄・高井研一郎
社員食堂で「弁当」を食べても良いのか?
社食を担当する総務が既に下していた結論が、すとんと納得できる物で気持ちいい。


『S-最後の警官-』episode.067/小森陽一・藤堂裕
縁上が逮捕され、戻ってきた日常。隊長も一號も、「現行法での確保の向こう側」に悩む。
一子と書いて「かつこ」と読む名を付けた、荒垣の「照れ」(?)も良い。


『獣医ドリトル』カルテ109/夏緑・ちくやまきよし
飼い犬が雑種であることを誇る者も、やはり「雑種であるというブランド」に囚われている。
それでも「犬は等しく可愛い」という愛情が根底にあるので、この漫画は好きだ。


『そばもん』第86話/山本おさむ
機械打ち編の、大団円。若者が大滝に弟子入りするのではなく、逆に大滝が若者に弟子入りするというラストが良い。


『ゲゲゲの家計簿』第25話/水木しげる
描いても描いても、原稿料は値切られ、出し渋りされる。それでも描く。生きるために。


『兵馬の旗』第二十九陣/かわぐちかいじ
あの時は錦旗(きんき)を恐れて発砲できなかった兵馬。逆賊となった今、見事に敵将にとどめを刺す。「銃」ではなく「刀」というのも、示唆的だ。「日本人」であることにこだわるなら、幕末の侍にとって「銃の弾で死ぬ」というのはとても不名誉なことだったはずだ。


『C級さらりーまん講座』第519回/山科けいすけ
社長の息子は、会社の金を持って、今夜もラスベガスに行く。「会社を救う」、その崇高なる目的の為に(笑)


『星を継ぐもの』第30話/星野之宣・J.P.ホーガン
地球との接触をためらうテューリアン。その理由は、ジェヴレンが撮り、ねつ造した、地球に関する映像。
それでも、ガルースとシローヒンは、ヴィックとクリスと培った「信頼」を優先してくれる。ガニメアンとハントら地球人との信頼関係で特に良いのは、我々は「友人」だという言葉を、軽々しく使わない所だと思う。安易な「友情」以前に、「科学者どうしの信頼」がきちんとある。



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