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『ACONY』第2巻/冬目景

2009-09-02 | 青年漫画
 
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連載が再開され、第2巻が出ました。
「素晴らしい」の一言に尽きます。もう褒め言葉しか出てこない。年数が経っているのに第1巻と比較して絵柄がほとんど変わっていない処にも冬目景の力量の高さを感じます。
ストーリーのある漫画なのに、モトミの母がシキシマの研究に迫るという「あらすじ」が私はどうでもいいんです。そこだけ時が止まっているかのようなしきみ野アパートでの「フシギ」をいつまでも永遠に読み続けながら酔いしれていたい気分です。むしろストーリーは進まないでほしい(笑)
しかし連載には必ず「終わり」があり、それはあたかも克明に覚えている少年時代のあの懐かしい景色が時と共に変わっていきいつかはなくなってしまう。そんな気持ちです。いつかは完結してしまうのが分かっていても、今は「永遠に続いてほしい」と思ってしまう作品です。

アコニーが目を覚ますと、建物の防衛手段なのか、部屋が移動し迷路のようになり、アパート中の時計がなくなっている。犯人のウサギを捕まえるために駆け回るアコニーとモトミと巳園(みその)さん。
ドアと思って開けたら3階の窓。落ちそうになるアコニー、彼女を引き上げきれないモトミ。
「アコニー……」
「モトミ……」
「きみ ゾンビだから死なないよね」って、もう(笑)
アパートが元に戻り入稿に間に合ったパパの原稿。ただ一人の遭難者、空木先生の絵を取りに来た模型会社の人を残して。

ザシキワラシとお手玉をして遊ぶアコニー。二人が昔話をしていたからなのか、モトミは祖父の母に時を超えて出会う。
休日モードの巳園さんは酒癖が悪く、部屋に集う飲み友達もこの世のモノなのか良く分からない。目を覚ますと突然「森」になっていた部屋。アパート一面を植物のツタが覆い、建物の自衛措置も働かない。地下のボイラー室にいたのは森の精霊の樒(しきみ)。大正時代まで森だったこの地に建ったアパートなので「しきみ(樒)野」と云う。
樒にとってここが住処なら、自分達にとってもこのアパートは住処。

折り紙で上手に鶴を折るアコニー。母が教えてくれた中でこれしか憶えていないので、これしか折れない。すると管理人さんはカブトの折り方を教えてくれる。

好きなシーンを数え上げればきりがないんですが、ここは好き。
管理人の吉岡さんはアコニーの祖父のことも、母のこともはっきりとは憶えていない。

相変わらず退屈して、モトミの後に付いてくるアコニー。自分は成長しない子供だとすねたように言う。モトミは断片的にしか聞いていない、母の仕事とそれにまつわる研究の話をためらいがちにアコニーに聞かせる。欄干に寄りかかり、自分がゾンビなら落ちても死なないよねと寂しい顔をするアコニー。話を聞かせたことを謝るモトミ。

読み切りの話もいくつか入っている第2巻。
『カエル侍』のお話は微笑ましいですね。完全にコメディです。本筋には絡まない、こういうエピソードをたくさん描いてほしい。


敷地内の桜の下でお花見をするアパートの面々。相変わらず、どこまでが住人なのか分からない。
230歳の樒は、樹齢120年のソメイヨシノに「また来年も咲けるといいな」と優しく寄り添う。この空気がたまらなく好きです。

調査はまだ続行中で、日本の研究機関を調査するために帰国してきたモトミの母。モトミのママに事情を話して協力してもらおうと言うアコニーに、パパは反対する。娘を危険にさらすことはできないと。パパとケンカしてしまったアコニーは、モトミと共に彼の母を尾行する。


巻末描き下ろしの『美里ちゃんのミリ談義』も好きです。
F-14が好きだから「あれ 買ってくれないかなー」と笑う美里ちゃん、「日本は空母ないから」と空木画伯。
今回も巻頭に6枚のカラーページがあり、隅から隅まで堪能できました。帯の折り返しに、しきみ野アパートのモデルとなったらしい古い建物の写真がありました。


お薦め度:★★★★★
ストーリーはありきたりです。だからこの世界が好みではない人にとっては5つ星ではないと思います。でも私にとっては5つ星なんです!
何度読んでも味わい深い。飽きない。冬目景の描く世界に「酔いしれる」。懐かしい、楽しい、不思議、切ない。そんな気持ちでとにかく一杯。



↓終わらないでほしい…!
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2 コメント

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Unknown (Jing*3)
2009-09-02 13:38:52
おお、Wrlzさんより先に読んだ(笑
蛙のお侍さんのお話はよかったですよね。
昔の壮絶な冬目先生もいいけど、こういう柔らかいのもいい。
★★★★★ (Wrlz)
2009-09-02 13:46:44
>Jing*3様

もうこの作品の全てが好きです!
5つ星なんて滅多に付けないんだけど、第1巻も第2巻も5つ星。
巳園さん、人間じゃなかったんだ!(笑)

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