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『オレンジ チョコレート』第7巻/山田南平

2011-10-22 | 少女漫画
 
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 この漫画は、美しさと面白さと楽しさとが、絶妙なさじ加減で詰め込まれた、かなりの傑作だと私は思う。とりわけ、「美」にこだわる作風が素晴らしい。
 ちろと律は、美しく生まれ、律は美しくあることを職業とし、彼のまだ完成していない美しさは、ちろの存在によって成り立ち高められている。律が職業のために美しくあろうとするのに対し、ちろは人為や技巧によらない美しさを持ち合わせており、互いに互いをうらやむ。
 そして外見の美しさは、律の仕事に於いては、一般的な意味での「内面の美しさ」を伴う必要がない。ちろも律も、誰かに嫉妬もすれば誰かを嫌悪もし、人間として当然の、醜い感情を抱く。拗(す)ねたり妬んだり怒ったり、張り合ったり落ち込んだりといった、人として当たり前の思いや行いも含めて、彼らの生き様は美しい。取りも直さず、ちろと律だけでなく、彼らを取り巻く様々な人々も(人ではない者も)一緒くたに、「人間という生き物の美しさ」を感じさせてくれる。
 ちろは当たり前のように律に愛を要求し、律は口先や表面上の態度では呆れながらも、それに誠実に応える。ところが左近と右近は、そんな二人の「絆」が弱まるのを心配して、律に絡む梨絵(りえ)を快く思わない。
 狐は「絆」のために二人を入れ替えるが、律とちろは入れ替わることによって「美しさ」の本質を徐々に理解していく。この、願いを叶えた神と、それをサポートする神使と、人間という、三者の間の「すれ違い」が、作品の楽しさを倍増させている。

 以前、似たようなことをブログに書いた記憶があるけれど、この漫画の最大の魅力を一言で表すと、「美しく生まれた男女が美しく育ち、美しく愛を育んでいく様」を、徹底的に美しく描いているという所だと私は思う。特筆すべきは、作中で男女の性別が入れ替えられていながら、彼らの「美しさ」が性的な魅力を超越している所だ。



第25話見開きカラー(別冊花とゆめ平成23年4月号)


別冊花とゆめ4月号表紙



お薦め度:★★★★☆


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