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『シドニアの騎士』第7巻/弐瓶勉

2012-04-08 | 青年漫画
 
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ガウナは今 私に
すごくひどい事をしました
私の友人や仲間にはあんな事させない

(白羽衣つむぎ)


 やっぱり凄い漫画だ。狭義の「萌え」を期待していると、ことごとく裏切られるので、逆に(あるいはマゾヒスティックな意味で)心地よい。
 おそらく作者は、萌え漫画でありながら、読者が「従来の意味の萌え」の感情を抱けない作品を、確信犯として描いている。もしくは、この漫画は、「萌える」という感想を意図的に封じている。
 読者はこの作品を読みながら、作中の異性にも同性にも中性に対しても、その肉体にも属性にも惹かれることを拒否される。融合個体は「機械」ですらないので、「メカフェチである」という逃げ道も断たれてしまう。この巻の主役である融合個体、白羽衣(しらうい)つむぎは、少女の名を持ち、その行動にも言葉にも、いわゆる「萌え属性」が満ちている。彼女が奇居子(ガウナ)との融合個体であるという一点だけを除いて。

 "白羽衣つむぎは、オタクが求める「萌え属性」を全て備えている。ただし、この子は奇居子(ガウナ)である。さあ、萌えられるものなら萌えてみろ!"
そんな、作者からの「挑発」のような物も感じられる。

 それでもこの漫画が凄いのは、弐瓶勉が描いている物が決して「萌え」の否定や冒涜(ぼうとく)ではなく、定義が曖昧でその実態が掴めない「萌え」という概念の「本質」に迫ろうとしている所だと、私は思う。融合個体に惹かれる時、読者は性嗜好ではなく、自身の内のマゾヒズムを刺激されているのかもしれない。


お薦め度:★★★★★


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