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『電撃デイジー』第8巻/最富キョウスケ

2010-11-02 | 少女漫画
 
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DAISYの「罪」が何だったのか、ほぼ全てが明らかになる第8巻。
この漫画は本来なら3回で連載終了する予定だったそうです。第1巻を読み返すと、「メールで相談に乗ってくれる正体の分からない男を好きになって、やがて彼の正体を知る」という一言で片付けられる、単純明快な話でいつでも完結させられるように描いていた形跡がうかがえます(笑) ヒットして、途中で打ち切られなかったからこの「本編」が描けたのでしょう。
照と黒崎の「ラブストーリー」を楽しみたいと思うと少しビックリするんだけど、連載4話目からの伏線(黒崎が、照の兄を死なせたのは自分で、自分だけは彼女に惚れる資格がないと初めて言うのが第4話)を回収し始めた今、読み応えがあります。

清の友情に、黒崎の過去に、涙が止まらない展開でもある。

「消えてください」というメールが照からの物ではないと知っていながら、これから自分が何を言っても言い訳になり、それを無条件に許してくれる今の照を汚(けが)すぐらいなら死んだほうがいいと姿をくらます黒崎。
心を閉ざしてしまった照のために、清は親友だからと、本気で彼女の腹を殴りつけ、吹っ切れた照は清を殴り返し、涙を流して礼を言い、自分がするべきことをするために、真実に向き合おうとする。

自分が作った暗号ウイルス"Jack o' Frost"を一人で潰すために皆の前から姿を消した黒崎と、そもそもそれが何なのかを、それに関与した者が話せば憶測や脚色がまじると踏まえた上で、皆が語るそれと、黒崎の過去を知りたいと答える照。
日本が独自に開発した暗号「雷電(ライデン)」、審査委員会の中で慎重派の一人であった緑川教授。しかし教授の通報で追跡中に死亡し、密告者の汚名を着せられたのは黒崎の父だった。
父親の死の理由を探るためにDAISYというハッカーになった黒崎。しかし黒崎は起訴はされず、紅林奏一朗のチームに配属になった。
心が壊れかけていた黒崎に一貫して態度を変えなかった奏一朗に出会って、黒崎は初めて救われる。自分たちのほうが正しいと証明する方法は、黒崎が幸せになることだと。その時の黒崎のことを理子さんから聞き、彼を思いきり抱きしめたいと願う照。

兄のように慕う奏一朗の行く研究室に自分もついていきたいと大検を受け、目標を見つけた黒崎も、チームの皆も、これから幸せな未来が約束されているかのように見えた。ところが黒崎が人事のことで呼び出された日、彼の行き先はわからなくなり、職場のパソコンも緑川教授のパソコンもJack o' Frostによって暗号に変換され、黒崎の父の無実を説明できる教授は殺されていた。

闇に葬られるものとばかり思っていた事件は、黒崎佑の殺人容疑に切り替わっていた。JACKで暗号化された緑川教授のハードディスクを持参した総務省は、奏一朗が治療に専念しなければ余命半年のスキルス胃がんだと知りながら、黒崎の無罪と引き替えに、黒崎の作ったウイルスで暗号化されたHDの解読を強要する。

昔のDAISYではなく、今のDAISYが生まれた瞬間の兄の病床でのことを聞き、照は黒崎は兄の言葉どおりに自分を守り続け、それでも苦しみ続けているのだと知る。兄は約束通り、死んでからも黒崎を守ってくれていた。

ねえお兄ちゃん
私にはわかったよ
お兄ちゃんは間違ってない
私これから
黒崎のこと
助けに行くよ



お薦め度:★★★☆☆
黒崎が自分の犯した罪を「許されない」と思うその背景が急ピッチで明らかになったけど、やはり面白い。スケールの大きすぎる話になって戸惑いはあるけど、「幸せ」になることなど許されないと思っている黒崎とその最愛の少女がどんな結末を迎えるのか、楽しみです。
「幸せ」とは何なのか、そして「許す」というテーマを掘り下げて描く展開がやはり好きだ。兄は約束通り、死んでからも黒崎を守ってくれていたというのには、泣けた。


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2 コメント

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Unknown (yuyu)
2010-12-18 22:23:47
>Wrlzさん

「消えてください」って言うメールが照の本心じゃない事を知ってて、どうして姿を消しちゃうんだろうと思ってたんですが、

「今ならあいつは なんだって 許してくれる
 … 
そんなふうに あいつのことを 汚すくらいなら 俺は 死んだほうが いい」

黒崎、すごいなぁ!と思いました!
自分がやってしまったことに対する責任感の強さを感じました。

奏一朗と黒崎の男同士の信頼関係がいいですネ!(^-^)
DAISY (Wrlz)
2010-12-19 14:55:03
>yuyu様

黒崎に対して一貫して態度を変えなかった奏一朗の優しさにぐっと来ますね。

新人の頃の黒崎がかわいい(笑)

あんなに幸せだった日々を奪われたのだと、胸が痛みます。

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