「熱闘」のあとでひといき

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第31回 関東大学ラグビー連盟セブンズ(2017.4.16)の感想(その3)

2017-04-21 01:39:05 | 関東大学ラグビー・リーグ戦


コンソレーショントーナメントで優勝を飾ったのは専修大。その専修大とオープニングゲームで対戦し、勝利を収めたのは東海大。1部、2部それぞれのグループを代表する優勝候補同士がよりによって緒戦で激突するなんてもったいない。この組合せを最初に見たときはそう思った。しかし、よくよく考えてみると、この2校はどこかでぶつかることになるはず。ならば開幕戦で対戦させて大会を盛り上げる方法もある。穿ち過ぎかもしれないが、主催者側にそんな意図があったのかも知れない。

この大会は数年前までは一般的な方式、すなわち、1回戦の組合せを1部校と2部校のたすき掛けで決めていた。しかしながら、1部校のセブンズに対する取り組みがまちまちで、必ずしもレギュラーで固めた最強メンバーで試合に臨む訳ではない。そこで、大会を盛り上げるために1回戦の対戦カードに工夫を凝らすようにしたのではないだろうか。東海大vs専修大が予想通りの熱戦(26-22)となったのは既にレポートしたとおり。ちなみに、もう一つの私的注目カードだった関東学院vs東洋大も接戦となったし、法政は國學院を相手に冷や汗を搔いた。そのほか、大東大vs山梨学院、流経大vs国士舘も一方的な展開にはなっていない。

こうして観戦した試合のひとつひとつを振り返ってみると、1回戦の対戦カードの組合せに運営側の工夫と(何とか大会を盛り上げたいというという)意図が感じられる。緒戦で敗れてもそこで「ジ・エンド」にならないコンソレーショントーナメントがあることの利点を活かしているとも言える。感想(その1)であえて大会の運営に関して苦言を呈したのは、せっかくの内容が濃いセブンズ大会を多くのラグビーファンに楽しんで欲しいと願うから。関東協会のHPにも事前告知がされていたし、入場料が無料の割には一般観客が少ないことがとても残念なのだ。

【チャンピオンシップ 1回戦】

○東海大学 24-5 ●立正大学(前半14-0)

緒戦で専修大と接戦を演じた東海大。だが、いったんエンジンがかかると強力な選手達が躍動する。前後半で各2トライずつを奪って試合を優位に進め、立正大の反撃を試合終了間際の1トライに抑えて貫禄勝ち。東海大が格の違いを見せて難なくベスト4にコマを進めた。



○拓殖大学 17-12 ●朝鮮大学校(前半12-7)

1回戦は不戦勝でこの試合が緒戦となる朝鮮大学校。対する拓大はパワフルな留学生を擁し、2戦目で既にエンジンがかかった状態。しかし、試合は拓大が先行するものの朝鮮大学校が追い付くことが2サイクルの拮抗した展開となった。朝鮮大学校は昨年度の大会でも巧みなパス回しで強くアピールした好チームだったが、それは今年もまったく変わらない。拓大のパワーを分散させる形で接戦を演じたが、試合終了間際にトライを奪われて無念の敗退。緒戦負けながら次の戦いがないことがとても残念に思われた。



○関東学院大学 26-19 ●大東文化大学(前半14-7)

開始早々の1分、関東学院はシンビンで1人少なくなるピンチに陥る。しかしながら、ここを被トライ1で凌いだあと2本連続でトライを挙げて逆転に成功。後半は開始早々に関東学院が1トライを挙げて21-7とリードを拡げたものの、4分と5分に大東大が連続トライを挙げてビハインドを2点に縮める(19-21)。一発逆転可能圏内となったところで大東大が勝利への執念を見せるが、関東学院はワンチャンスをものにする。15番を付けた佐々木が自らウラに蹴ったキックの確保に成功してそのままゴールラインまで到達。26-19で逃げ切りに成功しベスト4進出を果たした。



○流通経済大学 19-17 ●法政大学(前半0-17)

前半は(ほぼレギュラーメンバーの陣容で戦ってきた)法政が中井健人のトライを皮切りに3トライを連取して17-0と優位に立つ。このまま一方的な展開になるかと思われたが後半にまさかの失速。今度は前半のお返しとばかりに流経大が3本連続でトライを挙げて逆転に成功。GK1本分の際どい2点差ながら流経大もベスト4に名乗りを挙げた。後半に足が止まった法政はまだまだフィットネス不足だったのだろうか。試合を重ねる毎に進化を遂げる勘所の良さがあるチームという印象があるだけに残念。とはいえ、今シーズンは絶対的なエースへと成長を遂げた中井の活躍が楽しみ。去年にも増して、「ケントを使え」「ケントに回せ」といった観客席からのリクエストの声がより高く響くに違いない。

【チャンピオンシップ 2回戦】

○東海大学 24-17 ●拓殖大学(前半10-7)

開始早々に鹿屋、2分に池田がそれぞれトライを決めて東海大がさい先良く10点をリード。しかしながら、前半終了間際に拓大が1トライを返しGK成功でビハインドを3点に縮める。快足を飛ばして東海大のディフェンダーを振り切った濱副はリーグ戦屈指のスピードスターとしての活躍が期待される。後半はまず拓大が1本決めて12-10と逆転。すかさず東海大も反撃して池田がトライを挙げて再逆転に成功する(17-12)。東海大は6分、さらに1トライ1ゴールを追加してリードを拡げる(24-12)。拓大は終了間際に1トライを返すものの一歩及ばずベスト4で敗退となった。



○関東学院大学 36-19 ●流通経済大学(前半19-14)

開始早々、関東学院がシンビンでいきなりピンチに立たされる。1人多い流経大が2トライを連取して14-0と優位に試合を進める。しかし4分に関東学院が1トライ1ゴールを返したところで流経大の選手にもシンビンが適用される。さらに6分、流経大の選手がさらにもう1人イエローカードをもらい、ピッチに立つのは5人となる大ピンチに陥る。HWL付近に設けられた特別席に同じジャージーを着た選手が仲良く(でもないが)2人座るのは珍しい。しかし、つい先だってのYC&ACセブンズでも同じ場面を目撃したことが思い出された。関東学院がこの好機を逃すはずもなく、2つ連続でトライを挙げて難なく逆転に成功して前半が終了(19-14)。

後半開始早々、流経大はまだ1人少ない状況ながら気合い一番で1トライを挙げて19-19と同点に追い付く。しかし、流経大の反撃もここまで。その後、関東学院が4つ連続でトライを挙げて36-19で流敬大を突き放す。流経大にとって、一時的とはいえシンビンで2人を同時に欠いた代償は大きかったと言えそう。トライゲッターの佐々木や今井が絶好調の関東学院が決勝進出を果たした。

【チャンピオンシップ 決勝戦】

○関東学院大学 19-14 ●東海大学(前半12-7)

決勝戦はファイナルゲームに相応しい白熱した展開となる。1分に関東学院のFB小出がトライを挙げて5点を先制。しばらく攻防が続いた後、4分に東海大の池田がトライを奪いGKも成功して7-5と逆転。しかし、その直後の5分に関東学院が今井のトライ(GK成功)で再逆転に成功(12-7)する。東海大がボール支配率で上回るものの、関東学院は個々のタックルとダブルタックルをバランス良く機能させる組織ディフェンスで簡単には突破を許さない。

後半も攻撃力に勝る東海大が攻める時間帯が多かったが、4分に痛恨のミス。東海大のパスをインターセプトした今井が一気にゴールラインまで走りきり19-7(GK成功)となる。残り時間がどんどん少なくなっていく中での12点のビハインドは大きい。東海大には焦りの色が見えるものの、とにかく1トライを奪うための猛攻が続く。果たして終了間際に起死回生のトライを挙げて、間髪入れずにGKも成功。試合終了を告げるホーンが鳴ったのはその直後だった。東海大ファンはもう1プレーあるかと期待したのも束の間、終戦を告げるホイッスルが吹かれる。関東学院サイドからは一際大きな歓声が沸き起こった。



これで、東海大はYC&ACセブンズ、東日本大学セブンズに続き、またしてもあと一歩のところで優勝を逃した。最低限ひとつでもタイトルが欲しかった東海大にとっては残念過ぎる結果だが、王者復活を目指す関東学院にとっては幸先のよいスタートとなったと言える。本大会での個々の判断と組織力が融合したような戦いぶりを見る限り、既に復活を果たしたと言ってよさそうだ。長年の苦労に苦労を重ねたチーム作りのノウハウが蓄積され、それが確実に伝承されることになったチームの底力を見た思いがした。15人のチームになれば、現時点ではまだパワー不足かもしれない。しかし、このチームの持ち味でもあった、個々の判断力が組織として活きる創造的なラグビーを再び観ることができるようになったことを率直に喜びたい。

ラグビーは頭脳が9割
斉藤健仁
東邦出版
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第31回 関東大学ラグビー連盟セブンズ(2017.4.16)の感想(その2)

2017-04-19 23:23:26 | 関東大学ラグビー・リーグ戦


1回戦7試合が終わり、チャンピオンシップとコンソレーションの2つのトーナメント戦が始まった。いつもながら、ここで試合会場の雰囲気が(真剣勝負モードへと)ガラリと変わるのが面白いところ。敗者戦とはいえ、コンソレーションも熱い戦いの連続となる。選手達にとっては2つ負けて終われないという意識が強く働くのかもしれない。両トーナメントの試合は交互に行われたが、まずはコンソレーショントーナメントの戦いを振り返る。

【コンソレーション 1回戦】

○専修大学 34-0 ●日本大学(前半10-0)

1回戦でまったくいいところがなく無得点で大敗を喫した日大にとって、優勝候補筆頭の専修も厳しい相手。失点は半分くらいまで減ったものの、セブンズの戦いができないことは1回戦と同じ。しかもメンバー全員が1年生のチームに建て直しができるはずもなくゼロ敗を喫した。それにしても、このメンバー構成で出場に至った意図がわからない。過去の戦いでもコンソレーションでは結果を残している日大だからよけいにそう感じた。トラウマになることはないとしても、入学早々に「2部リーグはこんなに強いのか」と選手達がショックを受けたとしたらかえって逆効果ではないだろうか。



○山梨学院大学 31-7 ●東洋大学(前半19-0)

緒戦で大東大に敗れたとは言え、山梨学院は元気いっぱい。4年生になったパウロ・ヴァレリはやはり強力。また、新人のソキヴィタ・モセセも195cm、100kgの大型選手で、リーグ戦では各チームを悩ませることになりそうだ。逆に1回戦でも感じたことだが、東洋大が昨シーズンに比べて元気がないように見えることが気になる。後半も関東学院戦で2トライを挙げて活躍した石井が1トライを返すのがやっとでトライ数で5-1のよもやの完敗となった。



○國學院大学 24-17 ●国士舘大学(前半7-17)

2部所属校でセブンズを得意としているのは専修大。しかし、セブンズを極めていると言う意味では國學院大學の実力も侮れない。国士舘大学も毎年しっかり準備を整えてこの大会に臨んでいる。ということでこの2校の戦いは白熱した好ゲームとなった。先行したのは国士舘。3トライを連取して17-0とリードしたところでこのまま前半が終わるかと思われた。しかしながら、前半終了間際に1トライを返したところから國學院の逆襲が始まる。主役は21番を付けて韋駄天ぶりをアピールした藤田。前半の1トライにつづき、後半も2トライを連取して17-17と試合は土壇場で振り出しに。

そして國學院はさらに1トライを追加し24-17で逆転勝利を収めた。国士舘の3連続トライのあとは國學院の4連続トライと得点経過だけを見れば淡泊ともとれる試合内容。しかしながら、今大会の全試合を通じてもっともセブンズらしさが出た面白い戦いだったと思う。とくに國學院が同点に追い付いてからの「あと1本」を巡り両チームの見応えのある攻防が印象に残る。結果的にこの試合が私的ベストマッチとなった。



【コンソレーション 2回戦】

○専修大学 45-0 ●白鴎大学(前半19-0)

3戦目で日大戦では不完全燃焼気味だった専修大のアタックに火が付いた。前半に3トライ、後半に4トライを挙げて白鴎大をゼロ封し決勝戦へ。巧みなボール回しでどこからでもトライが取れるのが専修の強みだということを実感させる戦いぶりだった。



○山梨学院大学 19-7 ●國學院大學(前半7-7)

専修とともにもうひとつ火が付いたのは山梨学院。緒戦の大東大戦では空回り気味だったアタックがピタリと填まる。前半は両チーム1トライずつ挙げて5分の戦いだったものの、後半は2トライを連取した山梨学院が追いすがる國學院を突き放して決勝にコマを進めた。敗れたとは言え、ここまでトライを量産した國學院の3年生、」藤田の名前はしっかりメモリーしておきたい。



【コンソレーション 決勝戦】

○専修大学 43-5 ●山梨学院大学(前半22-0)

本大会でも1、2を争う元気印2チームによる決勝戦。双方ともノっているため派手な撃ち合いになることも期待されたが、専修のアタックが填まりに填まるまさかの一方的な展開。山梨学院は後半に1トライを返すのがやっとだったのは意外。昨シーズンは入替戦出場も適わなかった専修はこの優勝を活かして1部復帰を目指したいところ。敗れたとは言え、山梨学院も留学生のパワーを活かす形でチームを作り上げていけば面白いチームになる。



奇しくも2部リーグ校による勝ち抜き戦の様相を呈したコンソレーショントーナメント。まだまだ早過ぎると言われそうだが、秋に展開される入替戦チケット2枚の獲得を目指す戦いは熾烈を極めそうだ。パワー系の立正大と山梨学院の2校に対し、コンビネーションで勝負の専修大、東洋大、國學院大に国士舘と役者が揃った感がある。ランニング能力の高い隠れた逸材が各チームに居ることが確認できたことも大きな収穫だ。

もっとも新しいラグビーの教科書〈2〉
土井 崇司
ベースボールマガジン社
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第31回 関東大学ラグビー連盟セブンズ(2017.4.16)の感想(その1)

2017-04-18 22:13:52 | 関東大学ラグビー・リーグ戦


春のセブンズの締めは今年も関東大学ラグビーフットボール連盟主催の 「セブンズ・ア・サイド」(通称リーグ戦Gセブンズ)。来週からはいよいよ春季大会が始まるため、殆どの大学チームは15人のチームのことで頭がいっぱいになっているはず。かつてはYC&ACセブンズのあとに行われることが多く、東日本大学セブンズの前哨戦のような位置づけにあったのが今年で31回を数えるこの大会だった。しかし、関東地区では春季大会が始まったこともあり、年を重ねる毎に盛り上がりに欠けるような状態になってきていることは否めない。

本来なら、この大会は1部リーグ校から6部リーグ校までの全チームが(試合会場は分かれても)同じ日に集う関東大学ラグビーフットボール連盟の年に一度のお祭りのはず。とくに2部リーグ所属校が1部リーグ校にチャレンジする形になるAブロックの戦いは「下克上」も頻繁に起こり大いに盛り上がる。華やかさや選手個々の能力の面では東日本大学セブンズに譲るところがあるとしても、セブンズの戦術的な面白さが味わえる点ではこちらの方が上ではないかと思ったことも一度や二度ではない。

しかし、春季大会が始まったことで関東大学ラグビーのとくにリーグ戦Gの春の様相が変わってしまったように思われる。もともと招待試合が多い対抗戦G校に比べると、リーグ戦G校は日程的にゆったりしていたのも今は昔。かつての日大のように、春は練習試合を殆ど組まずに身体作りに励む大学があったことなど、ここに書いても信じてもらえないような状況になっている。通年指向で始動が早いチームと出遅れ気味のチームがあるにしても、1部リーグに所属するチームは早い段階から春季大会に備えて15人制のチームを作らなければならない。効用は別にして、セブンズどころではないというのも十分に頷ける。

ここで問われるのは1部リーグ校がこの大会に臨むスタンスだと思う。今回レギュラー主体のチームを派遣したのは東海大、関東学院、拓殖大に法政を加えたおそらく4校。流経大は前日に社会人チームとの強化試合を行っているので主力は不在。大東大も留学生はゼロでレギュラークラスは例年通り15人制の方に切り替わっている模様。そして、日大はオール1年生という驚愕のメンバー構成。中央大は学生の麻疹対応で活動自粛のためYC&ACセブンズからの棄権が続く。この大会のためにしっかり準備してきた2部リーグ校から苦情がひとつふたつ出ても文句は言えない状況になっている。

前置きが長くなってしまったが、試合会場に着いてもがっかりを書かなければならないのが残念。江戸川区陸上競技場は陸上トラック付きながら観やすいので問題なし。しかし、会場に着いても観客を誘導する案内表示や係の人が見当たらない。私が愛するバックスタンドが閉鎖だということもスタジアムに入ってから知った。せっかくいい会場で開催するのに、観客への配慮はいったいどうなっているのだろうかというような状況。大学グランドでの開催ならまだ分かる。でも、ここは秋には公式戦が行われる立派な競技場なのだ。

極めつけは肝心のメンバー表がどこにも見当たらないこと。入場無料でも過去の大会なら係の人が手渡してくれた。スタンドで廻りを見てもそれらしき印刷物を持っている人はいないので、配布はなかったのか??? 東海大のメンバーが陣取る前の通路に置かれたボードにメンバー表が貼られていなかったら、殆ど出場メンバーを知らずに観戦するところだった。メモを取る時間はないのでスマホで撮影しておき、試合の合間に確認することにした。実はこのボード、東海大の選手達がミーティングに使っているものだったことを後で知る。公式戦ではレギュラーで戦うことをポリシーとしているチームは準備や心構えも違う。実は、このメンバー表自体も当てにならないものだったのだが、東海大チームへの好感度は確実にアップした。

■1回戦の結果と各試合の感想

1回戦は1部リーグ所属校と2部リーグ所属校の激突になるのは例年と同じ。中央大が棄権したため、朝鮮大学校が不戦勝で自動的にチャンピオンシップへ。そして、予定通り熱き9時20分に戦いの火蓋が切って落とされた。

○東海大学 26-22 ●専修大学(前半12-12)

緒戦からいきなり屈指の好カードで、この試合があるから遅刻はできないと観戦する側も気合が入る。そして、期待に違わぬ熱戦が繰り広げられた。東海大が幸先良く先制するも専修が2本連取して12-5と逆転。しかし東海大が前半終了間際に1T1Gを返して12-12のタイスコアでの折り返しとなる。東海大ではCTB池田がYC&ACからの好調をキープしていよいよ本物になった感がある。専修の2本はいずれも東海大のミスパスを拾っての切り返しから取り切ったものだが、ほぼガチのレギュラー陣を相手に専修の組織された動きとここ一発の切れ味鋭いアタックが光る。

後半もトライ数では2本対2本の5分。明暗を分けたのはゴールキックで、4本中3本を決めた東海大が1本しか決められなかった専修に4点差を付けて勝利。このカードはできればチャンピオンシップトーナメントのベスト4以上で観たかった。なお、東海大では後半から2年生のモリキ・リードが登場して存在感を示した。



○立正大学 61-0 ●日本大学(前半40-0)

ピッチに登場した両チームの選手達を見比べたら一目瞭然で、留学生以外の選手もガッチリ系の選手が揃うのが立正大。対する日大はまだ身体が出来上がっていないと覚しき選手が多い。戦わずして勝負アリの感があったが、キックオフ後に予想通り立正大がトライの山を築く一方的な展開となる。日大の選手達は個々がどう動いていいか判らないといった感じで拡がりがないしタックルにも行けない状況。スマホでメンバーをチェックしたらオール1年生だったのでそれも納得。歯応えのなさに逆に立正大の選手達が気の毒な感じも。前後半を通じてアタックらしいアタックを見せることもなく日大は撃沈した。とはいっても立正大が強力だったことも確か。おそらく現状でも1部リーグで十分に戦えるだろう。



○拓殖大学 40-5 ●白鴎大学(前半14-5)

シオネ・ラベマイとアセリ・マシヴォウの強力なコンビを擁する拓大が白鴎大を圧倒。前半こそ14-5の競った展開になったが、後半は拓大が4連続トライを奪って圧勝した。白鴎大と言えば、セブンズ日本代表のロテ・トゥキリや昨シーズンにサンウルブズで活躍した米国代表(7sと15人制)のデュルタロの出身校。そんなことがあるためかどうかは判らないが、セブンズの戦いは得意のようだ。点差はついたが随所に光るプレーを見せた。マイケル・ピータースは要注目選手だと思う。



○大東文化大学 29-14 ●山梨学院大学(前半12-7)

大東大は留学生を含まず下級生主体のメンバー構成。片や山梨学院はパウロらの留学生2人を擁する強力メンバー。キックオフからパワフルに攻める山梨学院優位かと思われたが、レギュラークラスが不在(おそらく)の大東大が確実にトライを重ねてダブルスコアでの勝利。山梨学院は個々のパワーに頼りすぎの感があったのが残念。しかし、1年生の時から注目されていたパウロがようやくレギュラーで出てくるようになったのも驚きではある。



○関東学院大学 33-24 ●東洋大学(前半14-10)

東海vs専修と並ぶ1回戦屈指の好カード。東洋大の下克上も十分にあると見ていたが、佐々木や今井といった決定力があり判断力が光る選手を揃える関東学院が持ち味の組織力を活かして勝利。トライ数は前半が2-2で後半は3-2だったが、関東学院はゴールキックを5本中4本決めたことで9点差となった。ただ、東洋大は昨シーズンに比べるとややパワーダウンしているようにも感じられた。(せっかくの好ゲームだったのに写真がなくて申し訳ありません。)

○法政大学 24-19 ●國學院大学(前半5-12)

レギュラークラスを揃えてこの大会に臨んだ法政。しかし前半は2トライを先行される苦しい展開となる。何とか1トライを返した法政は後半に望みを託す。ここで圧倒的な存在感を見せたのがリーグ戦G屈指のエースへと進化を遂げている中井健人だった。ボールを持ったら止められない対戦相手にとっては厄介な選手。中井が2トライを連取して17-12と法政が逆転に成功。しかし、セブンズの内容では上回る國學院が1T1Gを決めて19-17と再逆転し、法政ファンは肝を冷やす展開に。だが、残り時間2分を切ったところでウォーカーが起死回生の逆転トライを決めて24-19で法政が辛くも逃げ切りに成功した。



○流通経済大学 31-17 ●国士舘大学(前半24-5)

前日に社会人チームと強化試合を行ったため主力を欠いたメンバー構成の流経大。だが、選手層も選手個々の胸板も厚く、また、セブンズへの理解度も高い。前半はトライ数4本対1本(24-5)で国士舘を圧倒。しかし、国士舘もセブンズには自信を持っている好チーム。後半に2つ連続でトライを返して17-24と流経大に迫る。勝利のためにあと1本が欲しい国士舘だったが、終了間際に流経大に1トライを奪われて涙を呑んだ。



ハードワーク 勝つためのマインド・セッティング
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祝、今季初勝利/燃えよサンウルブズ!

2017-04-14 01:21:54 | 頑張れ!サンウルブズ


ここまで開幕5連敗のサンウルブズ。しかし、1つ2つ勝っていてもおかしくなかった南アフリカ遠征での戦いぶりを見ても、昨シーズンより着実にパワーアップしていることは間違いない。嬉しい誤算と言ったら頑張っている選手達に申し訳ないが、新たに抜擢された選手達の想像以上の活躍で(キングズ戦は除き)安定した戦いができている。欲しいのはとにかく勝利。プロチームである以上、内容がよくても負けが続けば評価されず、スポーツニュースからも消えてしまう。

バイウィーク明けの久々の秩父宮でのゲーム。何となく勝てるのではというそよ風のような気持ちが頭の中を駆け抜けた。チケット入手は2日前だが、たとえバックスタンドB指定の後ろの方の席でもその場に居るのと居ないのとでは全然違う。キックオフ10分前、競技場は既に「今日こそは勝利を」の期待を胸にスタジアムに足を運んだ熱心なファンで埋まっている。昨シーズンも感じたことだが、国は関係なく「いいラグビーが観たい」という想いで足を運ぶ外国人が多いことが華やいだムードを醸し出しているのもスーパーラグビー観戦の楽しさ。心配された雨も小降りとなり、いよいよキックオフ。



昨シーズンは毎試合毎試合がどうなることかの連続で、とくに離脱者が増えた終盤戦は厳しい戦いを強いられたサンウルブズ。そう思うと、フレッシュなメンバーの想定を超える活躍もあり、今シーズンは安心して試合を観ることができる。ここがこのチームの確実な進化を感じる部分。緒戦の大敗したハリケーンズ戦、ミス多発で自滅した感がある2戦目のキングズ戦とは別のチームになっている。課題だった密集周辺のディフェンスが改善されたことと身体能力の高い松島がFBに定着したことでキック処理も安定してきた。アタックでは見せ場を作れるチームだから守備力が上がれば勝利は遠くないはず。

開始早々の5分でさほど難しくないPGを外し、いや~なムードがスタンドを覆ったのも束の間。直後の6分にサンウルブズの持ち味であるテンポの良いパス回しから初スタメンとなるウォーレンボスアヤコのトライで幸先良く先制する。サンウルブズは10分にもPGで加点し、8-0と上々の滑り出しだ。ディフェンスで孔が開くことも殆どない。とくに、FW第1列の3人(山本、庭井、山路)が起き上がりこぼしのように倒れても一瞬のうちに体勢を立て直して守備陣形を整えてしまうところは感動的ですらある。BKに展開されても組織的に面を作って飛び出し気味にプレッシャーをかけるから相手は蹴るしかなくなる。



12分にブルズにラインアウトからの一瞬の隙を突かれてトライを許した後は、お互いに一進一退の緊迫した攻防が繰り返される。23分にサンウルブズがPGを決めて11-7とリードを拡げるが、ブルズも25分にPGを返して11-10の一点差のまま前半が終了。強豪クラブを相手に普通に戦えていることは、かつての日本のラグビーでは考えられなかったことだ。ブルズがキックを多用し、ミスも出たことで助かっている面があるのは確か。バイウィーク明けのサンウルブズに対し、ブルズには遠征疲れがあるのかもしれない。とはいえ、集中力が切れないディフェンスの頑張りが光った前半のサンウルブズだった。

後半はクリップスに替わって田村が司令塔として登場。交替のアナウンスにスタンドから一際大きな拍手が起こったことも頷ける。木津や稲垣といった頼もしい選手達がベンチに控える陣容は昨シーズンなら考えられなかったこと。48分にPGで逆転を許し、ブルズの圧力が増す中でもディフェンスが破綻しなかったのは交代メンバーをフルに使って戦えるから。田村の投入でテンポアップを目指すサンウルブズに我慢の時間帯が続くが見応えのある攻防が続く。63分には攻め込みながらのミスで切り替えされて被弾し点差を9点に拡げられるが、不思議とこのまま行かれてしまうという感じにならない。



残り時間も少なくなった68分、サンウルブズが得意とする小気味よい繋ぎから松島がゴールを目指す。タッチライン沿いの左には福岡が併走する状況でゴールは目前。ここで誰もが松島からラストパスが渡るものと思った瞬間、松島は内側に切れ込んでゴールを目指すがタックルに遭う。福岡が左隅ギリギリの位置に飛び込むイメージが出来ていただけに残念ではあったが、相手選手がプロフェッショナルファウル(倒れ込み)を犯してシンビン。トライ狙いの納得のスクラム選択にスタンドからは手拍子が沸き起こり大いに盛り上がる。

サンウルブズは、左サイドのスクラムを起点としたアタックからラックを連取。右側にスペースが出来たところで田村からの芸術的なラストパスが右WTBの中鶴へ渡った。ボールをインゴールに持ち込むだけだった中鶴だが、落ち着いていた。喜んですぐにボールを置くこともなくゴール中央に回り込んで右中間にトライ。終盤の逆転劇を呼び込んだファインプレーだったと思う。2点差とPG成功でも届かな4点差では大きな違いがあるから、少しでも勝利に近づきたいという強い想いが逆サイドの観客席にも伝わってきた。



いよいよサンウルブズの時間となった74分、田村がPGを冷静に決めて1点差ながら遂に逆転に成功。しかし、簡単には勝たせてくれないのがスーパーラグビー。76分にサンウルブズが自陣で反則を犯したところで観客は思わず天を仰いだ。またしても勝利は遠のくのか。いつもなら相手ボールのPGでも静かに見守る観客がクラウドノイズを発生させる。過去を振り返ってもあまり経験がないことだが、自然発生的に何かをしたい気持ちが起こったことも理解できる。抜群の安定度を誇っていたプレースキッカーのショーマンが交替していたこともあり、PGは外れる。

あとは敵陣でできればボールキープの状態で時計を進めるだけ。ブルズが反則を犯し、ゴール前でのマイボールラインアウトとなったときには残り時間は1分を切っていた。しかし、またしても落とし穴が待っていた。敵陣奥深くとはいえ、ラインアウトでボールをスティールされ、逆転勝利を目指すブルズの死力を尽くしたアタックが続く。だが、サンウルブズの組織ディフェンスが最後まで破綻することがなかった。80分経過を告げるサイレンが鳴っても、とにかくピッチの内も外も我慢の時間帯が続く中でターンオーバーに成功。矢富がボールを冷静にタッチに蹴りだしてサンウルブズが勝利を掴み取った。

昨年度のジャガーズ戦勝利も生体験しているので、その時味わった感動の方がより大きかったことは確か。しかし、やっぱり勝利はいいものだ。最初に書いたように、内容はよくても連敗が重なったら関心が薄れていくのがプロスポーツの世界。後でTV録画を観て判ったことだがサンウルブズのホームゲームの中では空席が目立つ状況だった。だからこそこの勝利の価値は大きい。勝因は最後まで集中を切らすことなくブルズの猛攻に耐えた、いや猛攻と感じさせないくらいに相手を止め続けたディフェンスにあったと思う。「攻撃は最大の防御」だが「防御も最高のアタック」になり得るのがラグビーの面白さだと実感した。



■TMOについて思うこと

この試合がとても引き締まったものに感じられたのは、お互いの力が拮抗していて僅差の接戦になったから。しかし、もうひとつ言えるのはTMOによる集中が途切れる時間帯がなかったこと。トライは文句なしのものばかりだったし、激しいファイトではあったものの際どい反則が少なかったことがTMOを必要としなかったと言える。あるいは、レフリーの技量の高さ、あるいはTMOに対する個人的な好き嫌いがあったのかも知れない。

この試合は、「疑わしきはTMO」のような状況になりつつある現状に対して一石を投じた試合と言えそうだ。一番近くで観ている人が自信を持ってジャッジし続ける状況こそが試合に緊張感をもたらしていたのではなかっただろうかと改めて感じた。



■ひとつでも多くの勝利を

今後もより厳しい戦いが続くサンウルブズ。だが、今シーズンの強みは日本代表との連携が強まり、バックアップ体制がしっかりしていること。パワーアップはあってもパワーダウンはおそらくないはず。だからこそ、ひとつと言わず、2つでも3つでも勝利を掴み取って欲しい。15試合を戦う中で、実質ホームの日本で行われるのは4試合しかない。アタックで世界のファンを魅了する場面を創り挙げて行くことに対する(正当な)対価の獲得も考えなければならない。

奇しくも、ブルズ戦勝利のあとに来シーズンのスーパーラグビーの枠組み変更が発表された。サンウルブズはオーストラリア・カンファレンス、ジャガーズは南アフリカ・カンファレンスに移り3カンファレンス15チーム体制になること。そのために前者から1チーム、後者から2チームが削減対象となること。サンウルブズが削減対象から外れたのは2019年の日本でのW杯開催があることが大きいようだが、戦えないチームだったら(削除要求の)クラウドノイズは大きくなっていただろう。世界のラグビーファンが観たいサンウルブズになって欲しいと切に願う。

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第58回 YC&ACセブンズ(2017.4.2)の感想(その2)

2017-04-05 00:41:24 | 関東大学ラグビー・リーグ戦


流経大が圧倒的な強さを見せて優勝に輝いたコンソレーション・トーナメント。チャンピオンシップ・トーナメントでは、その流経大を予選ラウンドで下した早稲田に注目が集まる。また、社会人クラブでは優勝にもっとも近いチームとして期待していた北海道バーバリアンズがベスト4の壁を越えられるか。老獪な戦術でファンを楽しませてくれるタマリバと見事緒戦突破を果たした神奈川選抜。連覇を目指す東海大にとっても侮れない相手が揃ったと言える。果たして優勝カップの行方は何処に?

■チャンピオンシップ・トーナメント

[1回戦]
○北海道バーバリアンズ 33-12 ●日本IBMビッグブルー
○早稲田大学 31-5 ●青山学院大学
○神奈川タマリバクラブ 21-14 ●神奈川県選抜
○東海大学 49-12 ●慶應義塾大学



セブンズ日本代表のスター選手、ロテ・トゥキリは抜けたものの、看板選手の巨漢ジョセ・セルやスピードスターの七戸、平川、そして流経大で活躍した櫻場や君嶋といった有力選手が名を連ねる北海道バーバーリアンズ。さらにもう1人、フィジーから加わったサムエル・チョンキットが本日のサプライズ選手。さほど大きく見えないのはジョセ・セルが居るためで、サイズと身体能力の高さ、そして独特の風貌で一躍観客の注目を集めたと言えそう。1995年生まれなので今後の活躍が楽しみな選手だ。平川は不発だったが七戸が期待通りの快足ぶりを発揮したこともあり、IBMビッグブルーを圧倒し難なくベスト4にコマを進めた。

早稲田は中野、横山、フリンといったサイズに恵まれた選手を揃えていることが驚き。SH齊藤の好リードもあり、組織的なボール回しでトライを重ねて青山学院を圧倒した。なるほどと、ここで流経大を破ったことに納得。堅守の早稲田の前に1トライに終わったが、青山学院も身体能力の高いメンバーが揃っていて楽しみだ。ベテランの福田恒輝や竹山がチームを引っ張るタマリバは予選ラウンドを突破した神奈川選抜に「気合勝ち」でベスト4に進出した。

次代を担うテビタやアタアタは不在だが、12鹿屋、13池田、14平尾、15野口とバリバリのレギュラーBK陣を揃えた東海大。SHの橋本も卒業した湯本に負けないなかなかのスピードスターだ。そこにサイズに似合わず器用な仕事人のテトゥヒ・ロバーツやパワフルな筒井エディらの強力なメンバーで固めた東海大に対し、慶應は何もできないまま前半が終了。もっとも慶應は中央大が棄権したためこの試合が緒戦だったことが不運だったとも言え、後半に2トライを返して意地を見せた。



[準決勝]
○早稲田大学 47-0 ●北海道バーバリアンズ
○東海大学 31-12 ●神奈川タマリバクラブ

準決勝の1試合目は、北海道バーバリアンズが早稲田にどこまで食い下がるかに注目した。しかし攻守ともにバランスよく7人が連携して動ける早稲田に対し、ジョセ・セルとサムエル・チョンキットが孤立気味だったバーバリアンズが苦戦を強いられる。強力な2人が持ち過ぎてしまい、2枚看板のスピードスターを活かすことが出来ずにゼロ敗を喫してしまった。早稲田では7本中6本のGKを決めた齊藤のキック力も光る。キックオフで高いボールが蹴れることも15人制の戦いでは武器になるに違いない。

第2試合では強力メンバーを揃えた東海大がタマリバを圧倒。橋本がスピードでアピールし、身体能力の高さが持ち味の池田もパワーアップしている。ここにSO真野とWTBアタアタが加わればBKは完成といったところだろうか。2年生のモリキ・リードも居るので最終的に誰がレギュラーで生き残るか楽しみ。前半と後半に1トライずつ挙げるのがやっとだったタマリバだが、随所で気迫のタックルを見せるなど気持ちでは負けないゾという心意気に元気をもらった感じ。

[決勝戦]
○早稲田大学 28-24 ●東海大学

ここまで競った展開が少なかった今年のYC&ACセブンズだが、チャンピオンシップ決勝は頂上決戦に相応しい好ゲームとなった。先制したのは東海大。しかし、早稲田も東海大のミスにつけ込む形ですぐに1本返す。トライはゴール左隅だったが齊藤がGKを鮮やかに決める。結果的にこれが勝敗の分かれ目となる。東海大が1トライ奪って再びリードするもののGKを外したのに対し、早稲田は1トライ1ゴールを決めて14-12と逆転に成功し前半が終了。どちらかと言えば個々で勝負の東海大に対し、パワフルな選手を揃えていても7人の纏まりで勝負の早稲田とチームカラーの違いが明暗を分けることになる。

後半はどこか歯車がかみ合わない東海大に対し、早稲田がペースを握り2連続トライ。ここも齊藤が確実にGKを決めて28-12とリードを拡げる。前後半が10分ずつの決勝戦だが、東海大はなかなか得点を挙げられないまま時間がどんどん過ぎていき、次第に焦りの色が濃くなっていく。僅差ながらも、いや僅差だからこそ前半に齊藤が左タッチライン際から決めたGKによる2点が東海大に重くのしかかる。東海大は終盤に2トライをもぎ取るものの、2つめが決まったところで無情にもタイムアップ。28-24とファイナルスコアこそ僅差だが、早稲田の完勝だった。

後で知ったことだが早稲田の優勝は34年ぶりだそうだ。いつもなら試合が進むにつれてチームとともに観客も減っていき密やかに行われるのがファイナルゲーム。しかし、今回は最後までピッチを鈴なりにファンが取り囲む状態だったことが強く印象に残る。ホットな戦いの中に永年チームを支え続けた早稲田ファンの底力を感じた決勝戦でもあった。

平尾誠二 人を奮い立たせるリーダーの力
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