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言葉の仕組みを暴きだす。ふるい言葉を葬り去り、あたらしい言葉を発見し、構成する。生涯の願いだ。

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敗北のいいわけ

2007-03-21 23:42:24 | 社会・政治
  ◇

ちょっと前のですけど、朝日新聞にこんな記事がのりました。
『石原・浅野氏、接戦の様相 都知事選で本社情勢調査』(07年03月13)

そう、接戦なのです。おまけに選挙の当日が雨風のうっとおしい日でもなければ、投票率もあがるでしょう。しかしここで、投票の結果を大胆にも予想しておきます。

  浅野氏、僅差で石原氏に敗れる!!

  ◇

どのチャンネルをえらんでも、テレビは選挙事務所の光景を映している。

○石原選挙事務所:

正面とみられる壁の全面に白紙が貼られている。
そこに墨で「石原慎太郎」と大きく書かれている。
名前のうえに、ピンで留められた赤いバラ。

ナレーション 「朝から有権者のみなさんがゾクゾクとあつまってます。選挙事務所の外まで人でいっぱいです。
どこにいるんでしょうか、石原さんは。支持者のみなさんに囲まれて、さっきから姿がぜんぜん見えません。
もうすぐご本人から勝利宣言のコメントが発表されるはずなんですが・・・」

いっせいに沸き起こる拍手。
フラッシュの閃光が飛び交う。
ガジャガジャと切られるカメラのシャッター音。

支持者の影から、ニコニコする石原氏が姿を現して、なにかをいった。
事務所が割れそうな拍手に呑まれて、その声は聞こえない。
クキクキ。石原氏が首を鳴らして、右側の赤いダルマに近寄っていく。
差し出された筆をとって、ゆっくりとダルマに右目を入れる。

立ち上がる支持者たち。
ものすごい拍手。
フラッシュ。シャッター音。

マイクを手にして、石原氏が正面に立つ。
カメラ・クルーたちが何個もライトを照らす。
テレビ・モニターの上に、マイクが垂れている。

石原氏 「自民、公明、それに支持者のみなさま、ありがとうございました。当選しました!」

ワァー。歓声と拍手のなかに声が呑まれる。
石原氏が片手をヒラヒラさせて、静粛をもとめる。

「当選はみなさま方のお陰なんですが、ほんとうに敵は弱かったですねえ。ヘッ!」

ワァー。歓声と拍手、それに笑い声。

「放っておいたって、私は勝てたかもしれません。ヘッ!」

ゲラゲラ。笑い声。

「今回は接戦だったとマスコミはいいますけど。ま、実際にそうだったかも知れませんが。あっちにくれてやった票は、武士の情けってやつでしてね。ヘッ!」

ゲラゲラゲラ。

「いや、まあしかし。私への批判票もあったでしょう。反省するところは反省してですね、世界に誇れる革新都市、東京をですね、みなさま方とともに築き上げていきたいと思っております。ありがとうございました!」

左手にもったランのブーケを高々とあげる。
拍手、フラッシュ、シャッター音、歓声。
クイクイ。首をひねる石原氏。


○浅野選挙事務所:

正面の壁に、立候補者の名前が書かれている。
「浅野史郎」のうえに白いバラの花。
右側に、石原事務所よりひとまわり小さい赤いダルマ。
ダルマの右目は白い。

こちらでは、すでに浅野氏のコメントがはじまっている。
どこかですすり泣く声。

浅野氏 「・・・まことに残念です。都民のみなさまの熱意はすごかったので、これなら勝てると思ったのですが。アンチ石原陣営の票が割れてですね、これが痛かったですね」

フラッシュが飛び、カメラのシャッター音が事務所に響く。

「ご支持いただきました都民のみなさま、ご期待にお答えできませんで、まことに申しわけありませんでした。私の不徳のいたすところです!」

頭をさげる浅野氏。
フラッシュ、シャッター音。
そしてすすり泣き。


○吉田選挙事務所:

つめかけた支持者たちは、椅子に腰掛けている。
私語もすくなく、事務所内にはなにか整然とした印象が漂っている。
正面の壁には、立候補者の名前を書いた紙も貼られていない。
共産党の幹部らしい人と談笑していた吉田氏が、スチール椅子から立ち上がった。

フラッシュ。シャッター音。
浅野氏の事務所のようには、すすり泣く声が聞こえてこない。

吉田氏 「えー、お集まりになった支持者のみなさま。ご苦労様でした。この激烈な選挙戦をつうじて、都民のみなさんに私はさまざまなことを、石原都政の危険性についてですね、訴えてきました。残念ながら当選には及びませんでしたが、この真の訴えは、東京都民のみなさんの間に相当な広さと深さでお伝えできたのではないかと自負しております。みなさま、ありがとうございました!」

スチールの椅子からたちあがる支持者たち。
シャッター音とフラッシュ。

そのときだった。
「待ってください、吉田さーん!」
と、前列に陣取っていた新聞記者から声が飛んだ。
「吉田さんあてに、都民からいろいろ質問が入っているんですが。答えていただけませんかねー!」

記者を振り向く吉田氏。
当惑の表情を浮かべている。
すかさず立ち上がる女性。
マイクを握って、笑顔でこちらを見る。
秘書か、今日の司会者なのか。

女性 「吉田は、今日は疲れているんですよ。質問はまたにしてください」
記者 「それはよくわかっているんですが、すこしだけでも!」

女性は吉田氏とヒソヒソ話をする。
そこに、さっきの共産党幹部らしい人が、なにかをアドバイスする。

女性 「じゃ、こうしましょう。その質問をいただいておきます。吉田からの答えは、また後ほどということで」
記者 「それでもいいんですが、じゃ、いま読み上げますね」

質問
(1)どうしてアンチ石原の批判票を割ったのですか?
(2)割れば、石原氏が当選するだろうと、予想されていましたよね?
(3)民主党などの保守の勢力が、浅野氏を影で応援していたから、浅野は保守だ。
この判断はわからなくもない。だからアンチ石原の批判票を割って、石原さんの当選に力をお貸しになった。そうなんですね?

  ◇
 
 共産党さん、
 敗北あとのコメントをどうされるおつもりですか?
 よーく考えておいてください。



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