今回の米国発金融危機について、さまざまな意見が述べられているのは当然の事態だ。この危機の影響が世界中に波及しているのだから、アメリカ国境をこえて議論されるのも止むをえないし、さまざまな角度から検討されて論じられるほうが望ましい。
どの議論を眺めても、この危機が住宅用サブプライムローンの貸し倒れをトリガーとしていたことに異論を差しはさむ者はいない。日本の『ウィキペディア』によると、「サブプライムローン」とは返済にたいする信用度の低い人に貸し付けるローンのことで、債務者には低所得者だけでなく、まだアメリカに一年も住んでいない移民たちまで含まれていたという。彼らのなかにはローンの頭金すら払えなかった者もいたらしい。現代資本主義の最先端をいくアメリカにカード破産者が多い現実をみても、こうしたローンの販売が成功するはずもないことなど、ノーベル賞級の頭脳をも多く抱えた国民たちに理解できなかったとは考えられない。彼らは理解していた。なので金融の危機を引き起こした原因は、不安定なサブプライムローンにあったわけじゃない。
これも多くの人々によって論じられているが、サブプライムローンの支払いを債権化し、金利を約束する証拠書類である債権を全世界に売りにだした住宅関連会社やリーマンなどの投資機関に原因がある。ローンの支払いを債権化するだって!? そんな想像を絶するようなことが可能なのか。それよりも債権化できたとして、脆弱なローンにもとづく債権などだれが買うものか。すぐにでも紙クズになるってのに! こう書いてみると、なんだか19世紀の小説みたいだな。
なんとか売れそうな債権にできた理由:
1.ローンの債務者たちが月々の支払いをすれば、その一部は利潤になる。
2.支払いができなかったら、土地と住宅を差し押さえて高い値段で転売し、その売り上げの一部は利潤になる。
こんなことを約束した債権は、それでも買い手が見つけにくいだろう。安定した利潤が予想できる債権は、ほかにいろいろあるからだ。車のローンを債権にしたものもあったという。ならば、こうだ。
だったら混ぜちゃえ!
子どもでも考えつきそうな安易な方法でも、ノーベル賞級の頭脳が考えだした金融テクニックの最先端をいく方法らしい。「リスク・ヘッジ」とかいってね。こうしてさまざまな割合で、サブプライムローンの危険性と、見込まれる利潤は分割され、ほかと混ぜられ、全体としては「ほう、これなら安心じゃん」と思わせるような一枚の債権に仕立て上げられた。安心もなにも、さっぱりわからないミックスチャーもあって、そのうえ債権の買い手には詳しい説明もないまま売り出されたものもあったらしい。
ごくごく少量、メラミン牛乳を混合したアメリカ製の最新式ミックス・ジュースだ。ノーベル賞級の頭脳が考えだしたんだ。さあ、お買い毒ですよ、そこの奥さま!
よーく考えてくれ。投資会社の協力で住宅金融会社がサブプライムローンを債権化して、それを売りだすことを。その債権を買った者は、利潤とともに危険性も買い取る。利潤と危険は、今日からあなたのものなのだ。売った住宅関連の企業のものじゃない。これを知ってる人々は危険な債権を買ったが、持ちつづけるか? 当時のアメリカはバブルで、こうした債権も株も値上がりしていた。だったら、購入金額よりも高い値段で売ればいい。さあ、それを買ったものがいる。彼はなにを考える? 高い金額で売りはらうことだ……。こうして危険な債権は、まるでネズミ講みたいに売り買いされ、売った者は儲けと引きかえに晴れて危険からはオサラバだ。こんないい話はない、はずだった。
多くの投資会社が破綻したり経営不振に陥った理由は、彼ら自身が債権バブルを本気で信じていたからだろう。抱え込んだままの債権が多かったんだろう。それとも売り抜けられなかったのか!? そうかも知れない。なにしろ去年から、サブプライムローンは問題になっていたんだから。
だけど、もうひとつ考えなくちゃ。住宅関連会社と投資会社によって仕組まれた債権は、サブプライムローンを組んだ、あるいは組まされた信用度の低い人々をエサにして儲けようとする仕掛けだったことを! 貧乏人をネタにしてさえ金儲けを考えていたのだ。ローン自体が破産して当然だったんじゃない。その破産を読み込んだうえで、なおかつマネー・ゲームに興じた人々が破産したのだ。
だれにでも、持ち家を――これはブッシュ共和党政権のスローガンだった。そのうえ減税も約束した。イラク、アフガンへの侵略からは想像できないほど、自国民にたいしては優しい政権でもあったのだ。くだらない日本の政権と比較すれば、少しは実感できるだろう。いまだに彼らはカウボーイなのだ。土地のために、インディアンたちを虐殺する場合もあるカウボーイだ。
とにかく、今回の金融危機の裏面には、貧乏人にすら持ち家を約束しようとした試みがあったことまでを忘れないつもりだ。その約束を資本主義の危機にまで引きずっていったのは、危険の回避と儲けを狙った住宅関連会社と投資会社だ。金融と資本主義の危機の名の下に断罪されるべきなのは、サブプライムローンを組んだアメリカの貧乏人たちじゃない。
どの議論を眺めても、この危機が住宅用サブプライムローンの貸し倒れをトリガーとしていたことに異論を差しはさむ者はいない。日本の『ウィキペディア』によると、「サブプライムローン」とは返済にたいする信用度の低い人に貸し付けるローンのことで、債務者には低所得者だけでなく、まだアメリカに一年も住んでいない移民たちまで含まれていたという。彼らのなかにはローンの頭金すら払えなかった者もいたらしい。現代資本主義の最先端をいくアメリカにカード破産者が多い現実をみても、こうしたローンの販売が成功するはずもないことなど、ノーベル賞級の頭脳をも多く抱えた国民たちに理解できなかったとは考えられない。彼らは理解していた。なので金融の危機を引き起こした原因は、不安定なサブプライムローンにあったわけじゃない。これも多くの人々によって論じられているが、サブプライムローンの支払いを債権化し、金利を約束する証拠書類である債権を全世界に売りにだした住宅関連会社やリーマンなどの投資機関に原因がある。ローンの支払いを債権化するだって!? そんな想像を絶するようなことが可能なのか。それよりも債権化できたとして、脆弱なローンにもとづく債権などだれが買うものか。すぐにでも紙クズになるってのに! こう書いてみると、なんだか19世紀の小説みたいだな。
なんとか売れそうな債権にできた理由:
1.ローンの債務者たちが月々の支払いをすれば、その一部は利潤になる。
2.支払いができなかったら、土地と住宅を差し押さえて高い値段で転売し、その売り上げの一部は利潤になる。
こんなことを約束した債権は、それでも買い手が見つけにくいだろう。安定した利潤が予想できる債権は、ほかにいろいろあるからだ。車のローンを債権にしたものもあったという。ならば、こうだ。
だったら混ぜちゃえ!
子どもでも考えつきそうな安易な方法でも、ノーベル賞級の頭脳が考えだした金融テクニックの最先端をいく方法らしい。「リスク・ヘッジ」とかいってね。こうしてさまざまな割合で、サブプライムローンの危険性と、見込まれる利潤は分割され、ほかと混ぜられ、全体としては「ほう、これなら安心じゃん」と思わせるような一枚の債権に仕立て上げられた。安心もなにも、さっぱりわからないミックスチャーもあって、そのうえ債権の買い手には詳しい説明もないまま売り出されたものもあったらしい。ごくごく少量、メラミン牛乳を混合したアメリカ製の最新式ミックス・ジュースだ。ノーベル賞級の頭脳が考えだしたんだ。さあ、お買い毒ですよ、そこの奥さま!
よーく考えてくれ。投資会社の協力で住宅金融会社がサブプライムローンを債権化して、それを売りだすことを。その債権を買った者は、利潤とともに危険性も買い取る。利潤と危険は、今日からあなたのものなのだ。売った住宅関連の企業のものじゃない。これを知ってる人々は危険な債権を買ったが、持ちつづけるか? 当時のアメリカはバブルで、こうした債権も株も値上がりしていた。だったら、購入金額よりも高い値段で売ればいい。さあ、それを買ったものがいる。彼はなにを考える? 高い金額で売りはらうことだ……。こうして危険な債権は、まるでネズミ講みたいに売り買いされ、売った者は儲けと引きかえに晴れて危険からはオサラバだ。こんないい話はない、はずだった。
多くの投資会社が破綻したり経営不振に陥った理由は、彼ら自身が債権バブルを本気で信じていたからだろう。抱え込んだままの債権が多かったんだろう。それとも売り抜けられなかったのか!? そうかも知れない。なにしろ去年から、サブプライムローンは問題になっていたんだから。
だけど、もうひとつ考えなくちゃ。住宅関連会社と投資会社によって仕組まれた債権は、サブプライムローンを組んだ、あるいは組まされた信用度の低い人々をエサにして儲けようとする仕掛けだったことを! 貧乏人をネタにしてさえ金儲けを考えていたのだ。ローン自体が破産して当然だったんじゃない。その破産を読み込んだうえで、なおかつマネー・ゲームに興じた人々が破産したのだ。
だれにでも、持ち家を――これはブッシュ共和党政権のスローガンだった。そのうえ減税も約束した。イラク、アフガンへの侵略からは想像できないほど、自国民にたいしては優しい政権でもあったのだ。くだらない日本の政権と比較すれば、少しは実感できるだろう。いまだに彼らはカウボーイなのだ。土地のために、インディアンたちを虐殺する場合もあるカウボーイだ。
とにかく、今回の金融危機の裏面には、貧乏人にすら持ち家を約束しようとした試みがあったことまでを忘れないつもりだ。その約束を資本主義の危機にまで引きずっていったのは、危険の回避と儲けを狙った住宅関連会社と投資会社だ。金融と資本主義の危機の名の下に断罪されるべきなのは、サブプライムローンを組んだアメリカの貧乏人たちじゃない。









(1)博打に必勝法はない。あるとすればそれはイカサマを働くしかない。
(2)金融とは何か、という原則(私は実体経済の潤滑油だと思ってます)から遊離した金融商品は売ってはならない。
日本は、「アメリカ抜き」で考えるという習慣をつけないといけないでしょうね。
貨幣経済のいろんな工夫を「金融」と呼べば、それ自体をマルクスも否定してるわけじゃないですよね(『超訳資本論』による)。うえにあげた竹森氏も貨幣経済の発達を高く評価しているみたいです。
>「アメリカ抜き」で考えるという習慣をつけないと
今回のリーマン・ショック以降、世界中でドル中心にたいする再検討がはじまると思ってます。ユーロ圏が生まれたのも、中南米諸国の反米感情も、そんな意味だろうと。唐突ですけど、イランや北朝鮮の原子炉が民用のエネルギー対策であることを願っていますし、その場合はだれも反対できませんよね。