水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

「る・らる」の見分け方

2016年10月10日 | 国語のお勉強(古文)

 

「る・らる」の見分け方


a 「何々に」「誰それに」と書いてあったら、または書いてなくてもあきらかに想定できたら「受身」。

 〈 物に 〉おそは〈 るる 〉心地して、おどろき給へれば、火も消えにけり。

 ありがたきもの〈 舅に 〉ほめ〈 らるる 〉婿。


b 動作主が、それなりに目上の人だったら「尊敬」。高貴な人が主語の場合と説明されがちだが、本当に高貴な方の動作を「る・らる」で敬う例は少ない。

 こはいかなる〈 尼君たちの 〉、かくは舞は〈 れ 〉て、深き山の奥よりは出で給ひたるぞ

 かの〈 大納言 〉、いづれの舟にか乗ら〈 る 〉べき。


c 思わず、意図せずの動作だったら「自発」。

 またきこり人どもも、〈 心ならず 〉舞は〈 れ 〉けり。

 住みなれしふるさと、限りなく〈 思ひ出で 〉〈 らる 〉


d 打消とセットのときは基本「可能」。ただし、兼好法師『徒然草』以降は、肯定文でも用いられる。

  知らぬ人の中にうち臥して、つゆまどま〈 れ 〉〈 ず 〉。

  かくてもあら〈 れ 〉けるよと、あはれに見るほどに、


 もともとは「自分の意志と関係なくものごとがすすんでいくこと」を表す助動詞で、「自発」が大元である。
 自分の意志と関係なくできてしまうと「可能」になるし、他人のせいで「受身」になる。
 あなたが動作に私の意志などまったくないですとの表明が「尊敬」でもある。
 現代の「れる」「られる」も働きはまったく同じだから、「る・らる」は、古今同義語の仲間だ。

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