卒業式。今年は、送辞、答辞ともに本当によかった。なんであんな心のこもった文章がかけるのだろう。
うらやましい。無事演奏も終えて、片付けをし、試験の印刷をし、夕方サンシャイン劇場に向かい、キャラメルボックス「鍵泥棒のメソッド」の再演を観る。内田ケンジ監督の映画を、キャラメルボックスが舞台化したのは3年前になる。「どうやって?」と驚いた。とにかく一つ一つのシーンへの情報量がはんぱなく多い作品というイメージがあったからだ。もちろん、杞憂だった。過剰な情報量を、舞台で同じように表現しようとするのではなく、むしろ最小限にすることで、観る側にゆだねてしまっていた。映像ではなく生身の肉体は、実に多くのことを語る。いや、そうできる人を役者さんと言うのだろう。
そのときはWキャストで、ヒロインを岡内美喜子さんが務めるホワイト版、渡邊安理さんのブラック版とあり、両方観た。映画の広末涼子さんも含めて、自分的には渡邊安理さんバージョンが一番しっくりきた。
もちろんどのパターンの作品もすばらしかったことは言うまでもないし、おおもとの映画版は邦画の歴史に残る作品だろう。内田監督の新作が観たい。
それほど時を経ずして再演された今回は、実川貴美子さんがヒロインで、キャラメルボックスのなかでは正統派系なお芝居をされる女優さんだ。渡邊安理さんとは対照的なツンデレぶりが実によく役にはまっていた。
同じ演目でも、役者さんによって別種の、かつ高水準の別バージョンをなんなく用意できるところがキャラメルボックスさんのすごいところだ。
終わったあと、北朝霞で懇談している男祭り関係者の打合せに合流し、定演やらその先のことを語った。