ほんわか亭日記

ダンスとエッセイが好きな主婦のおしゃべり横町です♪

「ババア」

2016-10-30 | エッセイ
2016年10月30日(日)

風邪が早めに直ったと思った・・・のは、甘かった。
咳が出るんだよね。明日、お医者さんに行かなくちゃ・・。
それでも、(ご迷惑なことに)今日も、ダンスの自主練会へ行ってきた。
そこで、Kさんに、お庭に生った柿を頂いたわ。
頑張って、行ってよかった♪

さて、今日は、エッセイ「ババア」を・・・・。
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「ババア」
 八月のお盆に、ムスメが、ゆ~ちゃん、み~ちゃんを連れて、泊まりに来た。五歳と三歳の二人は、
すぐに、マンションの部屋を、バタバタと走り回り、その足音が階下に響かないかと、私は、ひやひや。
孫たちの元気を発散させるために、毎日、出かけなくてはならない。
 そこで、今日は、隣の市の室内型遊戯施設、キッズリゾートへ、私の車で出かけた。
入り口には、すでに長い列が出来ていて、私は、ムスメやゆ~ちゃん、み~ちゃんとともに、並んで
受付の順番が来るのを待っていた。すると、私たちの後ろの、小学生を連れたお母さんグループの
声を張り上げてのおしゃべりが聞こえて来た。
「ババアの車が、危なくて……」
〈ババアですって!なんて、耳障りなの〉
 恐る恐る振り返ると、日焼けした金髪の女性が、仲間相手に、機嫌よく話をしている。
「逃げようとしたから、逃がすか~って、クラクション鳴らして車でババアを追いかけて」
 どうも、交差点で右折しようとした相手の車が、右折ランプを出しておらず、直進のその女性が、
危ないと怒って、クラクションを鳴らして追いかけたようだ。
〈どこで、誰をキレさせるか、怖い。そりゃあ、その相手が悪いけれど、ババアって、汚い言葉、
こんなに聞かせないでよ……〉
「車止めてやってさあ……、ババア、泣きそうで、脅迫ですか、警察呼びますよって言うから、
ああ、呼べ呼べ、事故を起こしそうで逃げたから、文句言ってるだけだって言ってやるわ!って、言ってやった」
 相手の車を止めたら、『ババア』だったそうで、当人は、右折ランプを出していなかったのに
気づかなかったということらしい。
〈事故らなかったら、つい、逃げるかも。でも、追いかけられたら、怖い。すごく反省してると思う。
私からも、ごめんなさい。でも、何十回も耳元でババアって、無神経だわ!〉
「ババアは、車、運転するな!」
 と、武勇伝のように語って、彼女は、笑い声を上げた。仲間の女性たちも、
「ババアは、免許、取り上げれば良いのに」
 と、好き放題だ。「免許取り上げ」という言葉に、私は、米寿の父の免許を取り上げた思い出が
チクリと胸を刺し、何もわかっていないのにとか、私自身、免許を取り上げられたら、辛い……と、
ぐちぐちと思っていた。
〈あなたたちも、三十年たったら、ババアよ!免許、取り上げよ!〉
 と、心密かに反撃もしたが、『渡世盛り』といった勢いの女性たちの荒々しい言葉遣いに、
『アラ古稀』の私の若やいだ気分は、なぎ倒される。もう弱者になったんだ。こういう女性を
怒らせてはいけないと、よく分かった。
 一緒に並んでいたゆ~ちゃん、み~ちゃんは、待ちくたびれてじっとしていられず、
列を仕切るチェーンを潜ったりして遊びだした。そして、その女性の側で、チェーンに引っ掛かって、
がチャッと外してしまった。なんということ!私は、絡まれたらどうしようと、
「あ、すみません、すみません」と、ぺこぺこ謝ったら、「ああ、いえ、いいですよ」と、
意外に普通の言葉でしゃべってくれて、ほっとし、急いでチェーンを直しておいた。
 入場手続きを済ませると、ゆ~ちゃん、み~ちゃんは、大きな恐竜型のスライダーのほうに駆けて行った。
半年振りだが、今回は、もう、ムスメや私を頼らなくても、二人でよじ登れ、二人で滑る。
何度も何度も、きゃ~きゃ~滑り降りる二人をソファーに座って見守りながら、ムスメに話しかけた。
「ねえ、さっきの後ろの人達の話、聞いてた?ババア、ババアって、酷くない?」
 ところが、ムスメは、
「でもね、右折ランプの出し忘れは、ダメだよ。お母さんも気を付けてね」
 という反応で、一緒に怒ってくれない。なんだか、あの女性たち寄りだ。確かに、右折ランプ忘れは、
大きな事故を引き起こすし、私は、まだ、そこまでは、やっていないと、思う。
左折ランプは、時々忘れたり、あるいは、左折の最中に慌てて出したりするが、問題はそこでは無く、
ババアという、年上の女性を「邪魔、邪魔」と見下す呼び方なのだ。
「右折ランプ忘れ」は、「ババア呼ばわり」に価するのかと、世間の厳しさを噛みしめていたら、
ゆ~ちゃんとみ~ちゃんが走り寄ってくる。
「おばあちゃ~ん」と、言いながら。
「おばあちゃん」、そう、こういう優しい日本語なら喜んで受け入れられる。私は、二人を抱き留めながら、
「二人を乗せるのだ、慎重に運転して帰らなくちゃ」と、素直に思えた。
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はい、慎重に運転しています、おばあちゃんですもの・・・。(^^)
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