各所で、高齢者事故が増加しているという記事が多い。確かに長寿・高齢化と共に、必然的にそのような傾向に向かうのだろう。しかし、高齢には関わらず、相も変わらず死亡事故に多い車両単独の大きな車体変形を伴う事故がある。いわゆる電柱に車体が巻き付いたのごとく食い込んでいる様な衝突形態がそれだ。カーブとか交差点などで、車体が横になるドリフト状態(以下サイドドリフトと表現)で、それなりの高速で電柱などに側面中央部付近を衝突させているものとなる。このサイドドリフトでも車体の前部とか後部の衝突であれば、偏心衝突として運動量が車体を回転させようとするモーメントとして働くことで消費されるから車体の変形はここまで大きくならない。しかし、中央部付近となると、いわゆる心向衝突となり、運動量はモロに車体の変形に費やされることになる。つまり、電柱様物は車体の半分を超えて侵入変形さしめ、だいたいこういう事故は、乗員全員死亡という凄まじいものとなる。
写真は、昨年正月2日未明、室蘭市で起きたという事故だが、車両(20セルシオ)の前部はほとんど大きな変形は見られず、左側面部が空恐ろしい程の変形を生じていることが見てとれる。なお、血中アルコールが検出されたという乗員3名は全員即死とのことだ。
同じく昨年1月15日に軽井沢で起きたスキーツアーバス事故だが、無残なルーフ部の押しつぶされた変形も、転落高さが3とか5mとか記してあったが、いくら脆弱なバスのルーフ構造といえども、その程度の落差でそこまでの変形は生じないであろうと推察する。つまり、サイドドリフトで転落しつつ横倒しになり、全体運動量の内かなりの比率がルーフ上方から受圧されたと見ているのだ。
追記
昨年4月箱根ターンパイクで、新型ポルシェ911・GT3に乗る評論家が死亡する事故が生じている。この事故写真も、立ち木にサイドドリフトしてぶつかったに間違いない。たぶん左ハンドル仕様だろうが、右ハンドルなら生存していたのではないか。それと、この事故が、サイドドリフトによる衝突でなく、車両前部をこれ以上の速度でぶつけても、命まで落とすことはなかったであろう。
写真は、昨年正月2日未明、室蘭市で起きたという事故だが、車両(20セルシオ)の前部はほとんど大きな変形は見られず、左側面部が空恐ろしい程の変形を生じていることが見てとれる。なお、血中アルコールが検出されたという乗員3名は全員即死とのことだ。
同じく昨年1月15日に軽井沢で起きたスキーツアーバス事故だが、無残なルーフ部の押しつぶされた変形も、転落高さが3とか5mとか記してあったが、いくら脆弱なバスのルーフ構造といえども、その程度の落差でそこまでの変形は生じないであろうと推察する。つまり、サイドドリフトで転落しつつ横倒しになり、全体運動量の内かなりの比率がルーフ上方から受圧されたと見ているのだ。
追記
昨年4月箱根ターンパイクで、新型ポルシェ911・GT3に乗る評論家が死亡する事故が生じている。この事故写真も、立ち木にサイドドリフトしてぶつかったに間違いない。たぶん左ハンドル仕様だろうが、右ハンドルなら生存していたのではないか。それと、この事故が、サイドドリフトによる衝突でなく、車両前部をこれ以上の速度でぶつけても、命まで落とすことはなかったであろう。