極楽のぶ

~酔生夢想~
中途失明を越えて

極楽、三途の川を泳ぐ(8)

2017年08月13日 | マイストーリー
 入院よもやま話
 話が前後して申し訳ないのだが、驚いた(進化)部分は伝えおきたいので、お許しください。
 
 手術後から次の一日、膝下の下腿(かたい)部分に、圧縮ポンプを定期的に装着した。ナースが持ってきて巻いてくれるんである。電動で、圧縮部分が下流から上流へ静脈血を押し上げる! 揉み揉みで、気持ちがいい。マッサージチェアーにある足部分が、上向きだけ動くと思えばいい。終われば外すから、ラクチンだ!
 これは、確か、エコノミー症候群が話題となった頃か?、術後安静患者にも「血栓防止策」として導入された対策だ。
 しかし数年前までは、ポンプマッサージ器でなく「圧着タイツ」という奴を履かされた(極楽も「膝の手術」で片足だが経験した)。
 その異様なタイツは、当然伸縮不可で、ワンサイズもツーサイズも小さい奴を、術前、ナースがふたり懸かりで患者に覆いかぶさり、無理やり履かせるのである。それは別の病院だったけど・笑。。
 このタイツ!極めて不快、装着感最悪! あれをまた着けさせられるのか? と思うと、それが一番のストレスだったので、、電動ポンプにはかなり感激したのである。 まさかこんな進化があったとは、しかも、患者目線がありがたい!
 
 次、いよいよ、「日勤帯で抜く」約束の「バルンカテ抜き」(導尿管のことでしたね)。 そのときがやってきた。

 「綺麗な? 俺のタイプの?」ナースさんがやってきて・・
 さあ極楽さん、バルン抜きましょう!
 ありがとございます。待ってやした!!

 さっとパンツを降ろされる! あえなく「それ」は露(あらわ)となる。ドレーンをくわえてぐんにゃりしている。
 ねぇさんは、すみやかに太腿のカテ絆創膏を剥がし、
 では、抜きますが、息を吸って、吐くときに抜きますからね。いいですか? では、吸ってぇ・・・
 もちろん、既に、バルーン(膀胱の中で膨らんでいる風船)の水は、ねぇさんが、さっと抜いてある。

 さっとバルンカテが抜かれ、チンチは、煽られたように、二度下腹部を叩いてしおれた。解放!である。

 バルン抜去にも、こんな呼吸を合わせるなんて、昔は誰もやってなかったなぁ・・患者目線だよなぁ、ここは・・

 私!ありがとうございました!
 よかったですね! と、ねぇさん
 では、あと、頑張って奥様と歩行練習してください!
そして、 きょうはシャワー浴びられますか? と聞かれた。

 え? まだ「こっち」が入ってるのに?
 と、右の腹腔ドレーンを指さす私・・・

 はい、いいんですよ、全然OKです。

 び・びっくり、そ、そうなんだ・しかし・・
 や、やっぱり、まだ止めときます、きょうは「かみさん」に、体拭いてもらいます。
 わかりました、それじゃ、熱いタオル一式用意しますね! すぐ持ってきまぁす! と、笑いながら出ていった。

 や、し、信じていないわけではないが、ドレーン入ったままシャワー浴びて、ガーゼや傷口どうすんのか? 余計な過去の常識も邪魔し、踏み込めなかった(笑) すでに過去の遺物でしかない極楽の「医師国家資格」である(笑)

 一部始終を、窓際の応接椅子で眺めていた「かみさん」が、感心して、ひとこと。 

 若いのにねぇ、男性のちんちを前に、ぜんぜん平気、普通だよねぇ! すごいなぁ

 そりゃ、そうだ、看護師だもん。

 次、点滴は「ヘパリンロック」(血液が固まらない薬を充填)でロックし、ルート確保する。 これで点滴ボトルと点滴台(キャスター付きポール)から解放される。 のだが、万が一に備え、いつでも点滴再開できるようルート確保しておくわけだ。それがヘパリンロック!
 まあ、これも古くからやってることだが、実は、極楽の臨床時代には、まだ一般的ではなかったんである。
 いやはや、やっぱり棺(ひつぎ)に入った方がいい老兵(去りゆくだけではだめなのだ)である(笑)。俺ってどんだけ古いんだ?(笑)

 身軽になった体を(腹は動くとイタイが)励まして起こし、かみさんに頼んで、病棟内廊下の歩行訓練に出る!!
 ドクターもナースも、顔見れば「どんどん歩いてください!!」とけしかけるのは、1に術後の腹腔内の癒着防止、2に筋肉廃用性萎縮(使わないと老人の筋肉はみるみる痩せ落ちる~サルコペニアと学名があるくらい問題なのだ)への、予防対策だ。
 昔と大きく違うのは、外科系が、手術をやったらもう終わり! という姿勢をまったく改めたことだろう。
 早期離床!! ベトナム戦争以来米国が培った、実戦の医学合理性である。

かみさんと歩く病棟廊下! は、速い! ちょっとゆっくり歩け! あら、ごめんごめん。常にマイペースなかみさんである! うれしそうである!

 廊下端の大きな窓の前、まっすぐ見えるのは東京タワー、あっち(私の手を差し向けて)は、○○ブリッジ! え~とぉ、こっちはねぇ・・

 わかった、いいよいいよ、静かにして、もう反対側に回ろう! ゆっくり行ってくれ! い・痛い・さすがに、まだ痛い
 右手のドレーンを握る手には汗がにじむ。痛みの汗だ。力が思わず入る。

 病棟廊下の風景、かみさんの話では、みな、ご老人が、おひとりで、黙々と歩いていらっしゃるとのこと、かみさんと腕組んで(そう見えるんだろう)歩いていることが、なんとなく不謹慎で申し訳ない。

 さて、3日目には、かみさんお気に入りの「イケメン執刀医」先生による、腹腔ドレーン抜去(ばっきょ)があった。

 極楽さん、普通は翌日抜去なんですが、炎症がかなりひどかったので、念のため一日延長しました、ごめんなさいね。では、はい! 息を吸って、吐いてぇえ
 と、いう間に、ドレーン抜去!! い、イテ!!一瞬で終わった。

 極楽さん、シャワー入りました?

 え? いえ、まだ、ドレーン入ってたので・・・

 よかったんですよ、ぜんぜん、ナースも言ってたでしょう?? (ナースを信じなかったのが、ば、バレている、笑)

 は、はい。い、いいんですか? このあとすぐでも?

 いいんです、抜いた跡なにもしてないですが(穴開いたまんま)、大丈夫なんですよ、わざわざドレーン部をシャワーで洗うこともありますから、、笑、
 いまはサージカルドレープ(幅広滅菌透明テープ)とかあんまり使わないんです。 (そ、そうなのかぁ)

 び、びっくりである。 ドレーン抜いたままの穴、、気になるのだが、言われるままにシャワーに入いった! 感激でした。「ちょぉ!気持ちいい!」と叫びそうであった。

つ・づ・く
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