風韻坊ブログ

アントロポゾフィーから子ども時代の原点へ。

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共謀罪と魂のこよみ

2017-05-19 09:27:45 | 隠された科学
5月19日~25日
強大な世界の光に引きつけられ、
私の自己が逃げ出そうとしている。
だから私の予感よ、
お前の権利を力強く掲げよ。
感覚のまぼろしのなかに
自己を見失おうとする
私の思考の力を補うがいい。
ルドルフ・シュタイナー

先週から、副園長が提案してくれて、シュタイナーの魂のこよみを幼稚園の玄関に置くことにした。
せっかくなので自分で新しく訳しているのだが、今週のこの言葉は、
共謀罪の法案が衆院の法務委員会で強行採決されようとしている今日の雰囲気に見事に合致しているように思えた。

ドイツ語の原文では、Macht(権力)、Kraft(力)、権利(Recht)という言葉が意識的に配置されている。
世界の光とは、感覚に訴える世俗の作用であり、それは権力のように力強く(mächtig)人間の自己を引き寄せる。
人間の自己は、権力に引きつけられると同時に、自分自身から逃げ出そうとする。
すると、人間の自立を支える思考の力も、感覚に映ずる現象だけを現実と思い込み、思考本来の働きを失ってしまう。
そういうときは、内面の仄暗い「予感」の働きだけが頼りだ。

ここでの「権利」(Rechte)という言葉は、日本語としては「本分」とでも表現した方がよいのだろうが、
あえて「予感がその権利を力強く掲げる」という意味合いを強調してみた。

共謀罪については、多くの人が反対する一方で、
国際犯罪の防止には不可欠だという人々もいる。

人々の行動を監視し、情報を収集することは「思考」の領分である。
本来、思考=知性は個人の自立を支える最も重要な心の働きだが、
強大な権力に対して、知性で立ち向かおうとするとき、
実は、知性そのものが権力と親和性を持っていることに気づく必要がある。

人間の心の働きの中で、知性は特権を持ち、
仄暗い感情や衝動を抑え込む傾向がある。

外界の権力に目がくらみ、思考が停止してしまうときは、
「予感」のような感情にも、思考と同等の権利があることを意識すべきなのだ。

人間の自立は、知性だけではなく、
感情や意欲を含む心の働きが一緒になって支えている。

共謀罪に対して、なんとなく嫌な感じがするのであれば、
その感覚を認めることから、
本来の思考が再び働き始めるだろう。

治安維持法の再来と言われる共謀罪の法案が成立してしまえば、
この国はいよいよ戦前への道を突き進むことになるだろう。
秘密保護法のときも、安保関連法のときも、
多くの人が絶望の淵に立たされたのではないか。

この危機を乗り越えることができるとすれば、
人間の知性を本当に働かせること、
そのためには正当にその権利を認められていない、
自分の中の「予感」に耳を傾けることが、実はものすごく重要なのではないかと思っている。





 
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