パフィンの生態

映画と美術好きなパフィンの感想を記録。香港映画が一番好き!

シッコ(Sicko)

2007年09月01日 00時11分35秒 | 映画全般
マイケル・ムーア監督最新作は個人が民間保険に加入しなければな
らないアメリカの弱点を浮彫りにする映画。将来に不安を感じる方
観てください!

大国アメリカに国民健康保険に該当する制度がないことは不思議だ
ったが、ここまで悲惨な状態になっているとすれば驚きだ。

保険未加入者が治療を受けられない例だけではなく、真面目に保険
料を払っていた加入者であっても「支払い拒否する仕組み」がある
ことを被害者と関係者の証言によって暴いていく。

隣国カナダ、UK、フランスでの突撃取材を通じて「医療費負担ゼ
ロ」を可能にした歴史や国民性を示唆すると同時に、なぜアメリカ
政府は「民間企業が儲かる仕組み」を継続させてきたか、政治にメ
スを入れる。過去のニュース映像や皮肉なシーンが挿入されていて
飽きずに観られた。音楽の選曲も国別になっていて楽しい♪

保険制度に絞って描いているため鵜呑みにはできないが、
政府が民間企業に医療や福祉を委託する行為が国民にもたらすリスクは
理解できた。対岸の火事と思えない映画だった。


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8 コメント

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癖のある監督☆ (パフィン)
2007-09-05 21:53:54
>kazuponさま、

コメントとTBありがとうございました♪
感想を拝読いたしました。マイケル・ムーア監督は
強引にドキュメンタリー風にしているけど、これフィクションだろう~と突っ込みたくなる編集でした^^

保険業界と政界の癒着を描くのが狙いだったかな!?

元保険会社の人たちの”内部告発”は印象に
残りましたネ。過去の病歴を調べて、ささいな
病気でも「支払い拒否」するのは酷いですね~。
治療費や医薬品が高いコトが底辺の問題かな。

日本で小児科医が減少しているのは、緊急患者を
引き受けたとき、死亡すると訴訟される場合が
他の患者より高いからという側面もあるそうです。
悪循環に陥っているのかもしれません。
保険! (kazupon)
2007-09-05 17:17:01
パフィンさん

元保険会社の人が、「最初から保険加盟させないって判ってるのに対応するのが辛かった」ってボロボロ泣いてしまう場面が印象的でした。。
日本は以前の世界保健機構だと 長寿や乳児死亡率とかでは1位とかひとけた台のランキングだったと
聞いてたんですけど、最近のニュースみてるとなんか後退していくのかな・・って印象もありますね。それでもアメリカよりは随分マシなんだと思いましたが・・。^^
お返事☆ (パフィン)
2007-09-04 20:43:17
>愛さま、

森田実さんの本は「アメリカに使い捨てられる日本」
(日本文芸社)「小泉政治全面批判」(日本評論社)読みました。悲しくなっちゃいますね

規制緩和の結果、窓から見える空が年ごとに狭くなっていきます。”再開発”の結果、人口が急激に増えて、地震や水害の被害が大きくなると不安に感じています。

「拒否できない日本・アメリカの日本改造が進んでいる」関岡英之(文春新書)お読みになりましたか。

東京銀行の証券投資部、国際協力銀行出向を経て、大学院理工学部修士課程終了した方なので、”改革”がアメリカの都合よく行われていることをアメリカの公文書に即して説明している本です

N○Kドラマの原作となった「ハゲタカ」(真山仁)は
読売新聞経済記者だった筆者なので証券破綻や銀行の
背景を絡めて、ファンドのやり方を説明しています。

コメントに感謝いたします。ただ、個人の名前を書くと検索にひっかかりますので、○原のように伏字にした方がよろしいと思います。失礼いたしました。
Unknown (愛)
2007-09-04 01:17:02
初めまして☆私も映画みました。あれが日本の未来です。みんな民営化でどうなるかわかってない。郵政民営化がはじまります。郵政民営化はアメリカが日本の国の資産を奪う為の要求で売国です。げんにニュージーランドフランスなど世界各地で失敗し国営に戻り、英のブレア首相は世界で日本だけが逆行してると指摘。サービスはよくなるどころかどんどん値上がり郵貯破綻して儲けるのは外資です。昔りそな銀行を小泉さんが救ったとみせかけ外資に儲けさせたのと同じ。なぜか関係者は亡くなったり国策捜査で世間の信用を失った。森田実「アメリカに使い捨てられる日本」等多くの本でマスコミの書けない年次改革要望書について書かれています。安倍さん小泉さん東京都知事の石原さんは、市場原理主義の政策で弱者や地方シカト、都市や富裕層だけが儲かるシステムです。最近のワーキングプアや地域格差はそういう考えによる規制緩和や民間にたくす政策が原因。格差はどんどんひろがり1割の金持ちと9割の貧乏で多くの人が働いても働いても報われない日が来ようとしています。政治や経済に興味がないために政府の圧力で歪んだ情報を流すマスコミに操られ、全く気づいてない国民が多すぎる。「国富消尽」「官僚とメディア」経済やメディア操作やグローバル化やアメリカの現状などの本を読んでみて下さい。失礼しました☆
わかりやすい映画☆ (パフィン)
2007-09-01 21:15:47
>migさま、

9月公開映画の記事、参考になりました!
「題名のない子守唄」トルナトーレ監督が
観たくなりました

「シッコ」は問題提起のためのわかりやすい
映画ですよね。娯楽性があり、メッセージ性も
ある映画だと感じました。

トロントに実際に滞在した経験がおありなので
「医療負担がゼロだからアメリカよりカナダが
住みやすいとは言えない」と感じられても納得。

映画で取材したシーンだけでは社会保障の全体像は
わかりませんね。各国の税制は違うから・・。

医者のインタヴューシーンのコメント、
わかっていたのね、ゴメンなさい
今月のトロント&NYの旅まで体調を崩さずに
必要な洋服を買い揃えてください



利潤追求☆ (パフィン)
2007-09-01 21:13:40
>くまんちゅうさま、

「エンロン」の感想も読ませてもらいました。
アメリカ企業勤務経験ありなので、
あの頃の動きが今の現象を生んだのだなと
実感しています。金利自由化、保険参入など
アメリカの利益になるように変っている気が・・。

>グアンタナモまで行く行動力は大した物です。

あの後キューバで治療を受けた救命士の方たちの
アメリカでの体験が痛ましいと思いました。
この映画の影響で改善されるといいですね~。
Unknown (mig)
2007-09-01 09:49:07
パフィンちゃん☆

そうそう、鵜呑みには出来ないよね~、、、
そんなにカナダやヨーロッパ諸国がいいところばかりではないだろうし。
あちらは税金が高いからそこも考慮して考えないと。

あ、写真のコメントの件、ありがとうです☆
UKというのはわかってるんだけど
笑ってる写真入れたくて文章と関係なく入れちゃった紛らわしいからあとで直しますー
コメントありがとうございました (くまんちゅう)
2007-09-01 04:06:21
TB出来なくてスミマセン。

アメリカの儲け絶対主義はここまで酷いとは思いませんでした。エンロンでも酷いと思ったけど、医療までとは、驚きです。
最近は名前が売れてダレも突撃取材を受けなくなっているようで、それでもグアンタナモまで行く行動力は大した物です。