パフィンの生態

映画と美術好きなパフィンの感想を記録。香港映画が一番好き!

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それでもボクはやってない

2007年01月28日 17時35分45秒 | 日本映画
痴漢現行犯として捕まった青年が無実を訴えるも拘留され、
法廷で罪を裁かれる様子を臨場感たっぷりに描いた秀作。
裁判に縁がないと思っている人にこそお奨め!周防正行監督、2007年

冒頭、痴漢して警察に連行され、罪を認めたため罰金を払って釈放される男と
何もしていないのに痴漢だと誤解され、無実を主張したため拘留される
フリーターの金子(加瀬亮)の対比が見事!

練られた脚本と映像によって観客に感情移入させる監督の手腕が
いかんなく発揮され、前半の拘留、尋問シーンから、後半の裁判シーンまで
飽きさせない

民事裁判と刑事裁判の違い、
警察の取調べと検察の検事による取調べの違い、
弁護士の性格の違い、裁判官による判決の違い、
裁判に縁がない人(観客の大半?)に理解しやすい展開。

痴漢冤罪という身近な出来事を題材にしているため、金子の悲惨な状況を
他人事とは思えずにハラハラしながら観てしまう。
周囲も息をのんで裁判の結末を見守っていた。

映画の出来ばえは満点に近いと思うが、観客に対して
警察や検事や裁判官に過度な不信感を抱かせるのが監督の目的ではない。
この映画は”日本の裁判の問題点”を浮き彫りにするために脚色している
わけだから、全ての検事が聞く耳を持たないわけじゃないし、
最初の裁判官のように”疑わしきは罰せず”の立場にたつ人もいる。

犯罪を犯しながら「やってない」というのが犯罪者の常だ。
そういう人たちを日々取り調べ、所持品や過去から手がかりを得て、
嘘の供述の矛盾点を探すのが彼らの仕事だし、犯罪の増加によって
何件もの事案をかかえ、流れ作業的に取り調べたり、裁判をしたりする実態は
彼らにとっても苛酷な現実なのだから

検事や裁判官は見えない罪を裁くプレッシャーに苦しんでいる。
退職後は弁護士になる人が多く、他の官庁のような天下りがない。
その辺り、理解した上で、日本の裁判が公平に行われるように
見守っていきたいです。使われる言葉が一般人にもわかるような
平易な言葉に変ることが前提~
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13 コメント

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立場 (chikat)
2007-01-28 18:33:28
うわっ!
ちょっと編集してたらいきなりコメント入っていたので驚きました。

それぞれの立場でみる人の見解で捕らえ方が全く違ってきますよね。
素人さんは素人さんでしかなくて、司法家は司法家の立場で違った見方をするのだと思います。
私は外野でやっぱり親としてみてたかなと思います。
2時間半全く時間を感じさせず飽きさせないのはさすが周防監督だと思いました。
こんばんは (はらやん)
2007-01-28 22:44:46
パフィンさん、こんばんは。
TBさせていただきました。

>使われる言葉が一般人にもわかるような
>平易な言葉に変ることが前提~
僕もパフィンさんの意見に賛成です。
裁判所で使われる言葉はわかりづらくそれだけで一般の人々は拒否感がでてしまうと思います。
裁判員制度の導入で一般の人々も司法参加をと言っていますが、まずはわかりやすくですよねー。
パフィンちゃん☆ (mig)
2007-01-28 23:12:40
こんばんはー

どちらにしても、偏った考えはダメですね。
周防監督がいうには、本当に裁判では専門用語だらけで
何をしゃべってるかすらよく聞き取れないとか、、、、

実際にああいう嫌な裁判官を登場させたのは実際にいるにしても映画だから、というのもあるし
でも現実にいる。
この映画の影響で偏見をもってしまうのはよくないことですねー、
ああいう傍聴マニアの存在とかさえ知らなくってビックリ!
観たあとほんとにTVの特集でやってたの。
今は傍聴するのに抽選だったりして。
知らないことがいっぱい、、、、
お返事☆ (パフィン)
2007-01-29 20:55:15
>chikatさま、

あ、ゴメンなさいね。編集途中なのにコメント
いれちゃったかしら
その割りにTB忘れていることが多く反省

あの女の子、中学生って設定でしたか。だから
裁判の証言のとき、泣いていたのね・・。
被害者も、無罪なのに裁判で裁かれる加瀬くんも
息子を信じて応援する母親も気の毒でした。
一方で、司法側は冷静に判断するのが仕事だから
ああいう判決は有り得ると思いました。

>はらやんさま、

コメントとTBありがとうございました♪
はらやんさんのブログの感想は、とても
わかりやすい言葉で書かれていて、内容は
深いですね。検事や裁判官にも、そういう工夫を
お願いしたいものです

映画のような裁判では、参加したくても
難しくて責任もてないと思いました
マリー・アントワネットのTBいただきました★

>migさま、

周防監督がじっくりと時間をかけて取材し、
脚本や演出を練ったのがわかる重みのある映画
でしたね~、検察側のビデオ”不見当”なんて、
一般の常識じゃ有り得ない

映画の1回目の公判シーン、検察と弁護士の
遣り取り聞いていても、すぐに何を言っているか
理解できない!リアルに描いたのかしらネ。

傍聴マニアも嫌だけど、映画の公開直後に
公判があった裁判で、被告Hが涙ながらに
「初めからやったと決め付けた」と検察を
批難していたという報道を読んで、映画の
ヒットに便乗している感じ・・

migさんの毅然とした姿勢を見れば、嘘をつけない人
ってわかるもの、大変でしたね
観ごたえありました! (sabunori)
2007-01-29 23:43:27
パフィンさん、こんばんは。
2時間半近くもある作品だと観終わってから知りビックリしました。
まるで長さを感じさせない作品でしたよね。
今朝のめざましテレビを観ていたら加瀬くんのあの
「それをどうにかするのが弁護士の仕事だろう!」というセリフはアドリブだったとか。
ん~~やりますね。
>使われる言葉が一般人にもわかるような
平易な言葉に変ることが前提~
賛成です。
Unknown (kazupon)
2007-01-30 13:37:17
>パフィンさん

TBありがとうございました!

>警察や検事や裁判官に過度な不信感を抱かせるのが
監督の目的ではない

同感です・・・
いろんなレビューやテレビで紹介されてるのを見ると、不信感持った!ってのが圧倒的に多くて(笑)
どうしてもされる側に同調してしまうもの
なんだなぁって思いました。
監督は取材中に自分が疑問に思った事を
映画にしたって言われてるみたいですね。

先日テレビで痴漢冤罪の被告人の奥様が
インタビュー受けてて
「まず裁判行くと一方的に難しい言葉で
しゃべってて、何言ってるかさっぱり
判らなかったんですよ」
ってコメントされてるのが印象的でした。
お返事☆ (パフィン)
2007-01-30 21:23:06
>sabunoriさま、

こんばんは~。ブログのコメントの漢字を
間違えて投稿してしまいました、ゴメンなさい。

本田さんのオネエ言葉、留の文字入りTシャツは
笑いどころでしたね^^
前半に常連の俳優さんで軽妙に物語を展開していた
ためか、後半の裁判シーンが淡々と続いても長くは
感じませんでした。加瀬くんの普通っぽさ、他の配役の上手さ、重すぎず、軽すぎず、見ごたえのある映画でしたね~

>kazuponさま、

こんばんは~。
映画を見ている最中は、どうしても加瀬君が
気の毒になってしまうのですが、後で考えると
女の子を気の毒に思うよう脚色することもできる
状況でしたね。事実は加瀬くんしか知らない。

何回も痴漢にあっていたため、リュックがあたっていたのを痴漢行為だと思い込んでいたのかもしれないし、別の誰かがやったかもしれないし・・満員電車での10分程度のことを少女が鮮明に思い出せるはずもなく、検察官の誘導にそって証言。

加瀬くんも弁護士から「なぜ背広をひっぱっていたの」と聞かれて思い出せなかった事を後で思い出したり・・。誰もが戸惑う様子が描かれていました。
うーん、難しいですね、裁判って。

痴漢冤罪の被告人の奥さんの言葉、
「一方的に難しい言葉を喋って・・」は
この映画でも感じました。双方の言い分を
聞き、一般の人も参加して納得できるような
開かれた裁判に変るといいですね!

病院での説明や手術の同意書など、最近は
わかりやすいです。皆が関心を持ちつづけることが
必要かもしれません
TBさせていただきました。 (真紅)
2007-02-03 23:18:59
パフィンさま、こんにちは。
この映画、本当に圧倒されてしまいました。観てよかった~。
確かに、裁判で使われてる言葉ってわけわかりませんよね。
その前に六法全書からして何書いてるかわからないし(謎)
「頭のいい人間は騙されるのを一番嫌う」ってセリフがありましたけど、司法に携わる人たちが頭が良すぎることも問題なのでは?と思ったり。
プライド高いですからね・・。
考えさせられますね。でも考え続けることが大事ですよね。
ではでは。またお邪魔しに来ます!
変化☆ (パフィン)
2007-02-05 22:43:43
>真紅さま、

こんばんは~♪
この映画は監督が日本の裁判について疑問に感じた点を、同じく素人の私たちに考えさせる結末になっていて大変良かったですね。娯楽性があるのに考えざるをえない映画でした。

司法試験は改善されているという印象を受けます。
経済や医療や技術などの分野で働いていた人が裁判に
係わるシステムにしてなるといいな
こんばんは♪ (sally)
2007-02-18 00:54:14
パフィンさん☆
この作品、今までの周防監督の映画とは違って
シリアスなのに、飽きさせず引き込まれる展開は素晴らしかったと思います。
そしてパフィンさんの感想、とっても同感です・・・。
今の日本の現状ではこういうこともありえる、というのが怖さなんですよね。
周防監督が法律畑の人でないからこそ、一般人の私たちと同じ目線で分かりやすかったのかなと思います。

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